木村達成がデビュー10周年に届けた“声”、初コンサート「Alphabet Knee Attack」がWOWOWで (2/2)

脳みそフル回転で作った、“ハンバーガー”なコンサートをご賞味あれ!

──そんな頼もしい仲間と共に挑んだ初めてのコンサートで、難しさを感じたことはありましたか?

いろいろなことに頭を使わなきゃいけなかったことですね。お客様に視線を向けてケアしたり、バンドの音を聴いて、コンサートの進行を考えて、のどの調整をしたり……。すべてのことを一瞬で判断しなければいけなかったので、脳みそがフル回転でした。

──コンサートの最後に「役者の言葉で歌ったものをお届けした」というコメントをされていましたが、木村さんは歌に対してどのような思いがあるのでしょうか?

わかんない(笑)。“僕にとっての歌”とか歌への思いは、これといってないんです。“ミュージカル俳優”というくくりにされるのが嫌だったから、そう言ったんじゃないかな。ミュージカル俳優って、ミュージカルだけに出演するように聞こえませんか? でも、俳優は役に応じて歌ったり踊ったり、やらなければならないことがたくさんある。だから僕は大前提として“俳優”でいたいんです。型にはめられたくないというか。自分がやるコンサートに来てくださる人には“そうではない風景”をお見せしたかったという、それだけです。

──確かに、いわゆる俳優のコンサートに行ったときに体験するものとは違う、予想外なラインナップが楽しかったです。

全曲ミュージカルの楽曲で構成したら、カッキー(柿澤)が歌ってくれた「宇宙刑事ギャバン」のような、クリティカルヒットの瞬間はないですよ。僕、終わってからすぐにLINEしましたもん。「あなたに全部持っていかれた」って(笑)。そういう、舞台みたいな奇跡も生まれた空間だったと思います。

木村達成

木村達成

──コンサートでは各日15曲以上を歌われ、2日にわたる様子が編集されてオンエアされます。コンサートを見逃してしまった方や1日しか観られなかった方も木村達成さんの魅力を存分に堪能できる番組になりそうですね。

舞台作品でのソロ曲は、あっても多くて3曲くらいだと思うんです。だから、今までで一番歌ったステージになりました。初日は超疲れましたし、終わったあとは声がガラガラでしたけど(笑)、デビュー10周年で「こんな声が出るんだ?」と自分で驚いた部分もありました。全体を通して、ハンバーガーのような作品になったと思います。バンズ、レタス、トマト、パティ、チーズ、パティ……パティ、パティ、パティ、最後にバンズ!みたいな。そんな盛りだくさんの味をぜひ楽しんでください(笑)。

プロフィール

木村達成(キムラタツナリ)

1993年、東京都生まれ。2012年に「ミュージカル『テニスの王子様』」海堂薫役でデビュー後、「ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』」などの作品で注目を集める。「ラ・カージュ・オ・フォール~籠の中の道化たち~」でグランドミュージカル初出演。近年の主な出演作に、音楽劇「銀河鉄道の夜2020」、ミュージカル「ジャック・ザ・リッパー」、KERA CROSS「SLAPSTICKS」、ミュージカル「四月は君の嘘」、舞台「血の婚礼」「管理人 / THE CARETAKER」、テレビドラマ「オールドファッションカップケーキ」など。3月から5月にかけてミュージカル「マチルダ」に出演予定。4月1日と9日にCOCOON PRODUCTION 2023「シブヤデマタアイマショウ」にゲスト出演。

デビュー10周年の木村達成へ、ゆかりのあるアーティストからメッセージ

安蘭けい

安蘭けい

達成くんとは昨年「血の婚礼」で初めてご一緒させていただきました。
一見、無愛想でクールに見えましたが、しっかり自分の考えやプランを持っていて、しかもストイック。
この人実はちゃんとしてて、話すと面白い人なんだと知ってからはどんどん達成くんの魅力にハマっていきました(笑)。そんな感じでたくさんの人たちを魅了しているんでしょうね。今後どんな役者になっていくのか、楽しみしかないです! これからもしっかりと見届けてさせてもらいますね。

まずは10周年。
おめでとうございます!

プロフィール

安蘭けい(アランケイ)

滋賀県生まれ。俳優。元宝塚歌劇団星組トップスター。退団後もさまざまなミュージカルやストレートプレイ、映像作品に出演。第38回菊田一夫演劇賞、第28回読売演劇大賞優秀女優賞受賞。2013年に第38回菊田一夫演劇賞を受賞。近年の主な出演作に、テレビドラマ「危険なビーナス」(TBS系)、舞台「Oslo(オスロ)」、ミュージカル「ジェイミー」「蜘蛛女のキス」「ネクスト・トゥ・ノーマル」、Thanks Musical Concert「A Gift For You」、舞台「血の婚礼」など。3月までミュージカル「キングアーサー」に出演。4月にパルコ・プロデュース 2023「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」が控える。

白井晃

白井晃

驚きを持って10年という言葉を聞いた。だが、この10年という年月は木村達成にとって、スタートラインに立つための準備期間であったと言えるのだろう。むしろ、これから訪れる10年をどのように生きるかが俳優としての価値を決める。10年いや5年、いやこの3年が自分を見据える勝負の年月になるだろう。自分を生かす他者との関係が作れたときに、木村達成という俳優が新たに生まれる。その瞬間に立ち会うのが今から楽しみでならない。

プロフィール

白井晃(シライアキラ)

1957年、京都府生まれ。演出家、俳優。1983年から2002年まで遊◉機械/全自動シアター主宰を務める。現在は、演出家としてストレートプレイから音楽劇、ミュージカル、オペラまで幅広く手がける一方、俳優としても活躍中。第9・10回読売演劇大賞優秀演出家賞、2005年の「偶然の音楽」にて湯浅芳子賞(脚本部門)、2012年のまつもと市民オペラ「魔笛」にて佐川吉男音楽賞、2018年の「バリーターク」にて小田島雄志・翻訳戯曲賞を受賞。KAAT神奈川芸術劇場アーティスティック・スーパーバイザーを経て、2016年から2021年まで同劇場芸術監督を務めた。2022年4月に世田谷パブリックシアター芸術監督に就任。6・7月に「ある馬の物語」(演出)が控える。

武田航平

武田航平

外川……

いや、たっちゃんへ
デビュー10周年、おめでとうございます。

あなたは最初に出会ったときから印象的でした。

強いまなざしには、決して大きな流れに身を委ねない意志がともっていました。

撮影中も自分らしさを失わずに役を全うする姿勢を持ち、それを完遂した木村達成は本当に尊敬できる俳優さんです。

たっちゃん、絶対に“らしさ”を失わずに俳優を続けて、15周年、20周年、更にはその先へと……

あなたのような稀有な存在は俳優界のみならず、日本に絶対に必要です。

大局にのみ込まれない意志の強さで、これからも自分の道を歩んでください。

それが多くの人たちに勇気を与えると思います。

あまり会えないので本音を伝えてしまいました。

10周年おめでとうございます。

またね。

プロフィール

武田航平(タケダコウヘイ)

1986年、東京都生まれ。俳優。特撮ドラマ「仮面ライダーキバ」「仮面ライダービルド」で人気を博し、現在は映像・舞台で活躍。主な出演作に、NHK連続テレビ小説「ウェルかめ」、テレビドラマ「恋と友情のあいだで」「オールドファッションカップケーキ」、青春音楽活劇「詭弁・走れメロス」、舞台「TRUMP」、「イノサンmusicale」など。3月24日スタートのWOWOW連続ドラマW-30「ウツボラ」「ながたんと青と -いちかの料理帖-」に出演するほか、4月8日に主演映画「この小さな手」が公開予定。