「『ワールドトリガー the Stage』B級ランク戦開始編」植田圭輔・溝口琢矢が示す、玉狛第2のチーム力 (2/2)

「ワールドトリガー」といえばB級ランク戦

──B級ランク戦は原作の中でも人気のエピソードですが、お二人のお話を伺っていても、「B級ランク戦開始編」への期待値の高さが伝わってきます。

溝口 そうですね。「ワールドトリガー」といえばB級ランク戦のイメージがあるのはなぜだろう?と思って、改めて考えてみたんですよ。作中で風間(蒼也)さんが「失敗するのは別に悪いことではない。トライアルアンドエラーしながら人間は成長していくから、それが大事なんだ」という趣旨のことを言っていて、ランク戦のシステムはそのためにあるものなんだとわかったんです。以前、中屋敷さんが「命をかけているけど、本当に死ぬわけではないから大胆なことができるんだよ」とおっしゃっていたのも印象的で、「ワールドトリガー」の世界で生きる人たちの命の張り方、「ワールドトリガー」という作品の根幹にある思想がしっかりと見えるのがB級ランク戦なんじゃないかなと思います。

溝口琢矢

溝口琢矢

──原作を深く読み込んで、公演に臨まれていらっしゃるんだなと改めて感じました。

溝口 もともと大好きな作品なので! 機会があったら、原作者の葦原(大介)先生に聞いてみたいんですよ。B級ランク戦の話を描いたとき、どういうふうに構想を立てて、どこから描き始めたのか。

植田 すごく気になるよね。

溝口 3チームで戦うんだったらギリギリ頭が追いつくんですけど、参加チームが増えると展開がまったく予想できないし、読んでいてワクワクが止まらない。「先生は一体どんな脳みそを持ってるんだ!?」って思います(笑)。あと僕、“主人公補正”で済まされると、モヤッとしてしまうところがあって……。「主人公だけど、なんか負けそうじゃない!? やっぱりそうだよね!?」というような展開があるところが、「ワールドトリガー」に惹かれる理由の1つだと思うんです。例えば修が勝ったとしても、最後の分析で「あれは運だ。今後はそんなことありえない」とバッサリ言い切られてしまう。主人公補正がないから「うわあ! 清々しい!」って感じるんですよ。

植田 二宮(匡貴)エグいよね(笑)。

溝口 二宮もそうですし、登場人物がみんな魅力的ですよね。これは声を大にして言いたいんですが、「ワールドトリガー」にモブキャラって存在しないんですよ。今回も、玉狛第2のメンバーを中心に物語が動くと思うんですが、ほかの隊のエピソードもしっかり描かれているので、それぞれのキャラクターの活躍を楽しみにしていただけたらと思います。

離れていても示せるチーム力

──B級ランク戦では、市街地や河川敷などのステージを舞台に、激しいチーム戦が繰り広げられます。お二人が「B級ランク戦開始編」で楽しみにしているポイントはありますか?

植田 暴風雨の中で戦い、どうやって表現するんだろう?

溝口 舞台袖の両端に大きな扇風機を置いて、風をビューッと吹かせるとか……?(笑)

植田 ははは! 遊真と村上(鋼)のバトルでは勝敗を左右する要素として水が出てくるし、気になるところが多いですよね。天候によって勝ち負けが決まる描写もあるので、これまでの公演よりもっと表現方法が難しくなるんじゃないかと思います。

植田圭輔

植田圭輔

溝口 正直なところ、初演を上演する前に「バトルシーンはどう表現するんだろう?」と思っていた部分もあったんですが、中屋敷さんや圭輔くん、有沙ちゃんとお会いしたときに、不安な気持ちがすべて払拭されたんです。「この人たちとなら大丈夫。みんなのパッションがあれば作品を届けられる」って。思えば、初演ではキャスト同士で掛け合いをするシーンがありましたけど、第2弾では掛け合いのシーンがほぼなくて、みんなけっこうバラバラに行動してましたよね?

植田 うん。各々で戦うシーンが多かった気がする。

溝口 「B級ランク戦開始編」でも主に、修が戦略を考えて、遊真が実際に動くポジションになると思うんです。だけど、僕の中には常に「圭輔くんがいるから大丈夫だ」という気持ちがあって、もちろんそれは「遊真がいるから大丈夫だ」にも置き換えられるんですけど。今回は特に、メンバー同士の距離が離れている中でどうやって戦って、どのようにチーム力を見せるかが重要になる。一緒にいないからこそチームの絆を示すことができると思うので、そこを楽しみにしていただきたいですね。

植田 そうだね。メンバー同士が信頼し合って、チーム一丸となって点を取りに行くところや、敵を倒すだけが勝ちではない、というところがB級ランク戦の醍醐味だと思うので、僕自身もそういったシーンを楽しみにしていますし、皆さんにも注目してもらいたいです。

左から植田圭輔、溝口琢矢。

左から植田圭輔、溝口琢矢。

プロフィール

植田圭輔(ウエダケイスケ)

1989年、大阪府生まれ。2006年、第19回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストのファイナリストに選ばれ、2007年のデビュー舞台「少年陰陽師《歌絵巻》」で主演を務めた。最近の主な出演作に舞台「文豪ストレイドッグス」シリーズ、ミュージカル「ヘタリア」シリーズ、「MANKAI STAGE『A3!』」シリーズなど多数。9月に「ブラッククローバー the Stage」、11・12月に「舞台『鬼滅の刃』其ノ肆 遊郭潜入」の公演を控える。BS11で放送されているトークバラエティ番組「植田鳥越 口は〇〇のもとTV Season2」に出演中。

溝口琢矢(ミゾグチタクヤ)

1995年生まれ、東京都出身。2007年に俳優デビュー。同年12歳で「劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!」でライダーのミニ電王および小太郎を演じ話題に。その後、映画・ドラマ・舞台を中心にさまざまな分野で活動。近年の主な出演作に、映画「大河への道」、ドラマ「善人長屋」「天使の耳~交通警察の夜」、舞台「モダンボーイズ」「Being at home with Claude~クロードと一緒に~」「あいつが上手で下手が僕で2」などがある。