松原俊太郎×スペースノットブランクが豊橋で高校生と立ち上げる「ミライハ」 (3/3)

高校生キャスト&スタッフが語る「ミライハ」

ここでは高校生と創る演劇「ミライハ」に参加する高校生キャスト10名と高校生スタッフ6名にインタビュー。「Q1.なぜ今回の作品に参加しようと思ったのですか?」「Q2.稽古の中で印象的だったことはありますか?」という質問に対し、それぞれの思いを率直に語ってくれた。

キャスト

井上楓花

井上楓花

井上楓花

A1. 1つ目は中学校のときに初めて観賞をし、それ以来「高校生と創る演劇」に出たいと思っていたからです!! 毎年どの作品も心に残る素敵なものばかりで、高校生とプロの演出家さんと一緒に作品を作り上げていくことに魅力を感じました!! 2つ目は私自身の持っている個性を知りたいからです。みんな素敵な個性を持っているので私も生活や演劇で魅力を出していけるように、私というのは何かを発見できたらいいなと思ったからです!!

A2. 「テキストに書いてあるセリフに感情を込めずに読む」と中澤さんがおっしゃっていたことです。「何それ!?」ってなりますよね(笑)。今までやってきたミュージカルや高校演劇の発話の仕方とまったく違って、これを機に私にとっての表現の当たり前が180°変わりました。これも表現の1つなんだ、と受け入れはしたものの実践するのは難しかったですが、今では「発話が上手!!」とお褒めいただいてうれしいです(笑)。

犬塚陽菜

犬塚陽菜

犬塚陽菜

A1. 幼い頃からいくつかの舞台に出演していて、当時共演していたお姉さんが出演するのをきっかけに7年前、「高校生と創る演劇」第1回「転校生」を観劇し、高校生になったら私もこの企画に参加したいと思っていました。中高6年間部活に力を入れていたのですが、高校3年生になり部活を引退し、最初で最後の機会だと思いオーディションを受けました。

A2. この作品を作っていく中でどれか1つをあげられないほど、印象的なことでいっぱいです。日々そんな新しい挑戦ばかりですが、常にお稽古場が良い緊張感に包まれていて、和やかな雰囲気なのでお稽古している時間がとても心地良いです。具体的にどんなことが印象的だったかは作品を観ればきっと納得していただけると思うので、気になった方はぜひ劇場に足をお運びください。お待ちしております♡

今村絆那

今村絆那

今村絆那

A1. 舞台が好きで、どんな形でも関わりたかったからです。

A2. 稽古始まるとき、何をどう今日やるかって話し合い(?)みたいな時間のときに……陽さんと彩加さんが別の人に別の話を同時に行っていたことがあって、その話題に関わってなかったので外から見てた人たちは2人をキョロキョロ見てどちらの話を聞けばいいのか笑っていたのが記憶に新しいです。

遠藤伶佳

遠藤伶佳

遠藤伶佳

A1. 学校の部活で演劇をしてから、人前で演技することが好きになり、部活を引退したあとも演劇をしたい!と思っていたときに「高校生と創る演劇」のパンフレットを見て、今まで会ったことのない高校生やプロの演出家さんたちと演劇を作ることができると知りました。照明や美術、衣装など何から何まで手の込んだもので、学校の演劇とは違ったものでとても魅かれました! 私は、ここで演劇を創りたいと思い「高校生と創る演劇」に参加しようと思いました。

A2. 稽古中に印象的だったことは2つあります。1つ目は、同じ高校生でありながらも演技のとても上手い子がたくさんいたことです。今まで学校以外で演劇をしたことがなく、稽古の中初めて見る他校の子の演技は今まで見たり考えたことのなかった、表現の方法を多く見ました。2つ目は、スタッフの子が劇中で使うビートを作っていたことです。0から作ったビートはとてもカッコよかったです!

川喜田涼真

川喜田涼真

川喜田涼真

A1. 昨年もこの企画に参加させていただき、演劇を生業とされている方々と共に演劇制作をする貴重な経験をさせていただきました。今年は過去に岸田國士戯曲賞や愛知県芸術劇場のAAF戯曲賞を受賞されている松原俊太郎さんや、身体表現を重視した演劇を制作されているスペースノットブランクのお二人が参加されているということもあり、昨年とはまた違った貴重な経験をさせていただけるのではないかと思い、この企画に参加しました。

A2. 従来の“演技をする”という感覚より、自分自身の身体に秘めた記憶をたどり、それを再現し舞台上に“存在する”ことの重要さを最近の稽古で学ばせていただきました。この感覚はまだ“曖昧な何か”しか掴めてはいませんが、何とか本番までには何かしらの形にして舞台上で身体を通して再現できれば良いなと思っています。

佐々木虹

佐々木虹

佐々木虹

A1. 私は、高校演劇を体験してもっとクオリティの高い作品を作り上げてみたいと思ったのがきっかけです。高校演劇では、舞台監督や演出をはじめ、キャストやスタッフもすべて高校生で行います。一方、「高校生と創る演劇」では、実際に活躍されている演出家さん、プロの音響さんや照明さんと高校生が一緒に舞台を作り上げていきます。高校演劇では関わることのない大人の力を借りて、舞台を作り上げてみたいと思ったので参加を希望しました。

A2. 稽古中の中で印象的だったことは、劇を作る過程で、高校生の意見を積極的に取り入れてくださることです。私は稽古が始まる前は演出家さん(スペノのお二人)が全部考えて、それを私たち高校生が演じると思っていました。ですが実際はそんなことはなく、私たちが考えたセリフの言い方、動作、音楽、照明プランなどを取り入れてくださっています。そのおかげで劇作りの一員であることを実感しながら楽しく稽古に参加できています。

鈴木莉央

鈴木莉央

鈴木莉央

A1. 「高校生と創る演劇」は高校1年生の頃から見ていて、3年生になったら絶対参加しようと思っていました。いつもは同じ学校の演劇部と活動してきましたが、ほかの学校、部活も違う子もたくさんいるとどうなるとかとかもすごく気になったのも理由の1つです!

A2. みんな高校生なので学年関係なく恋バナを休憩時間にしたり、とにかくスタッフさんから役者まで全員仲が良くできることもとても印象的です! 演出をしてくださる中澤さん、小野さんが私の演技する1つひとつの動きを劇の中に取り入れてくださって「これも演技の1部になるの!?」と思う動きも入れてくださるので毎回の練習がとても楽しいです!

成瀬結

成瀬結

成瀬結

A1. 私が高校1年生のときの演劇部の先輩が当時の「高校生と創る演劇」に出演しており、そのとき観た舞台が高校演劇とは違う演出や舞台作りをしていてとても興味が湧きました。そのような経緯があり、高校3年生になったら必ず「高校生と創る演劇」のオーディションに参加しようと決めていたからです。

A2. 中澤さんの「いいっすね」が印象に残っています。今回の舞台を作るうえでスペースノットブランクさんは演者1人ひとりの感覚や動きを大切にしてくださっています。演者が考えたことに対して中澤さんはほぼすべてに「いいっすね」と返し舞台に組み込んでいきました。台本やキャラに忠実な“正解”を探すのではなく本当に1から舞台を作る楽しさを日々感じています。当日も中澤さんの「いいっすね」が聞けたら良いなと思います。

古田英

古田英

古田英

A1. 小学校の頃からなんとなく興味があり、高校生になったからには何か新しいことにチャレンジしたい!と思ったからです。私は演劇に興味はあったけど観たこともやったこともない状態での参加でした。最初は本当に不安でいっぱいでしたが、何もわからない私でも「ミライハ」のみんなは受け入れてくれてとてもうれしかったです。一歩踏み出してみて大正解だったと思います。

A2. 一番印象的なのは、彩加さんがその日の稽古の感想を言うときに「わぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁって感じです」とおっしゃったことです。普段はものすごく慎重に言葉を選んでいるような話し方をされるのですごく驚きました(笑)。スペノはお二人とも時々よくわからないことをおっしゃいますが、この日がダントツだと思います。

横井和華

横井和華

横井和華

A1. 高校では演劇部に所属しており、「高校生と創る演劇」のことは今は卒業した先輩が出演したことから知りました。演劇自体、高校生になって始めたことでしたが、演劇部の体験入部で台本読みをしたときに、「自分以外の誰かの役を演じることが楽しい」と感じ、入部しました。それから仲間と舞台を作っていくたびに演劇が好きになり、高校の演劇部を引退しても、まだ演劇をしたいという気持ちから参加させていただきたいと思いました。

A2. 当たり前のことになってしまいますが、部活動で舞台を作る際と演出の仕方がまったく異なるところが印象的でした。部活動での演出の仕方がほとんど定着していたため、3年間という長い期間のこともあり、はじめは新しいことに戸惑いもありました。しかし、プロの方々に教えていただくことにより、自分では気付けなかった点に気付けたり、固定観念に縛られず少し考え方を変えてみようと思えたりと、視野を広げることができました。

スタッフ

片山史博

片山史博

片山史博(音楽・音響助手・稽古記録)

A1. 業界の第一線で活躍されているプロの方々とクリエーションができることに惹かれました。部活動の領域で留まっていた僕の演劇の世界を1つ大きく広げてみたいという思いがあり、「高校生と創る演劇」はそれを実現するのにもってこいの企画でした。

A2. スペノのお二人が共有してくださる、創作活動に対する価値観や捉え方がとても印象的でした。今まで自分の中にはなかった新たな視点に触れ、クリエーションに対してすごく考えさせられました。そして演劇ではなく人として、新しい人との出会いが僕を成長させてくれました。今まで自分の周りの環境しか見えていなかったので、普段つながりがない人たちとの交流はとても新鮮で意味のあるものになったと思います。

白井里音

白井里音

白井里音(照明助手)

A1. 今回私が「ミライハ」に参加しようと思った理由は、将来の夢が照明スタッフなので、この作品でたくさんの経験を積みたいと思ったからです。そして、高校では学べない、プロの方々の技術を間近で見て勉強したいと思ったからです。

A2. 稽古の中で印象に残ってることは初めて戯曲を読んだ日のことです。みんなすごく気合いが入っていて、私も読むのがとても楽しみでした。戯曲を読んでみてまず最初に思ったことは「面白い」です。これから1人ひとり言葉の意味を考えていき最高の作品にしたいと思いました。これからの稽古がすごく楽しみになりました。最高の作品なのでぜひ楽しみにしていてください!

塚本乃樹

塚本乃樹

塚本乃樹(舞台美術助手・舞台監督助手)

A1. 高校受験の前に、将来の自分の仕事は何を目指したらいいのか悩んでいたところ好きな俳優さんである山田孝之さんがテレビで、「僕自身、ただ金儲けをしたい、カッコつけたいという理由で仕事を選んではいない」と言っていてすごくカッコよく感じて、山田孝之さんみたいな人になりたいと思っていろいろと調べるうちに、「俳優って面白そう」と思い、自分も何か俳優に関わることをやってみたいと思い、参加しました。

A2. 稽古で一番印象に残っているのは、振付を考えることです。スペースノットブランクの中澤さんたちに呼ばれて、急に「小野さんのポーズを見て次のポーズを作って」と言われて「?」ってなりましたが、この行動をお互い交互に繰り返しできたポーズをまとめると、自然と振付が完成しちゃったんです! 最初は戸惑いましたがだんだんと楽しくなって不思議な体験ができたなーと思えたのですごく印象に残っています。

彦坂奈生

彦坂奈生

彦坂奈生(広報・衣装助手・照明助手)

A1. 高校で演劇部に入ったことがきっかけで、演劇のことをもっと知りたいと思ったからです。いろいろな学校に通う人の演技や仕事を見ることで今後の成長につながると思い、参加しました!

A2. 衣装合わせをしたことです!! キャストが衣装を着ているところを見たときに「私たちでこの作品を作り上げるんだ」という気持ちが高まりました! 改めて、キャストや作品の支えになりたいと強く思いました!

松木千夏

松木千夏

松木千夏(衣裳助手・広報)

A1. 参加しようと思った理由は、昨年の「高校生と創る演劇」を観て、自分もやってみたい、関わってみたいと思ったからです。同じ部活の先輩たちが出ているのを観て、普段と違った印象を受けました。演出家さんや戯曲が違うだけでこんなにも別人のように思えるのかと思い、感激しました。それが今回この「高校生と創る演劇」に参加しようと思ったきっかけです。

A2. 稽古中の印象的なことは演出のお二人がよく「良いですね」と言っていることです。自分がこうしてほしいという意思を伝えるのではなくて、私たち高校生の意見を聞いて、まずは自分の思うように自由にやらせてくださるので、自分の自由な表現をそのままできるというのがとても印象に残っています。

山本千裕

山本千裕

山本千裕(稽古記録・舞台美術助手・衣装助手)

A1. 演劇に出会ってから約1年半、地区大会でしか高校演劇を観たことがなかった私は、もっとたくさんの高校の演劇を観たいと思っていました。そんなときに、「高校生と創る演劇『ミライハ』」の応募用紙と出会って、すぐにポストへ直行しました。知らない地域の知らない高校生と、お仕事として演劇に携わっている方々と実際に一緒に演劇を作ってみて、わくわくしてます! この作品に関われたことは、私の一生の思い出になるでしょう!

A2. スタッフがすごい大事な役割だったことです! やらなければならないことがたくさんあって、裏方に対してのイメージが変わりました。実際に舞台関係のお仕事をしている方々とお会いして、お話ができて、すごく勉強になりました! 部活で裏方の役職に就いた経験がなかったので、これを機に挑戦してみようと思いました!