雨、あじさい…過去作とは湿度の違う「山南敬助 篇」

──2022年10・11月には、薄ミュの名曲をライブ形式で届ける「ミュージカル『薄桜鬼』HAKU-MYU LIVE 3」が開催されました。土方歳三役の久保田秀敏さんとの対談で、輝馬さんが「キャラクターから脱線しすぎないように気をつけたい」とおっしゃっていたのが印象的だったのですが（参照：「HAKU-MYU LIVE」6年ぶりに復活！久保田秀敏×輝馬が盛り上げる“お祭り騒ぎのステージ”）、エンジョイできましたか？

樋口　輝馬くん、はみ出しまくってましたねえ！ というか全員はみ出してました（笑）。

輝馬　ははは！ 役と本人の比率でいうと2対8ぐらいでしたね。機会があったら、ゆづとも一緒に「HAKU-MYU LIVE」やりたいな。

星元　うん。出てみたい！

樋口　めっちゃ楽しいよ！

輝馬　だって綱引きできるんだぜ？（笑）

樋口　だるまさんがころんだもできるんだぜ？（笑）

星元　あははは！

輝馬　薄ミュの本編ではできないことをやる。そういう意味で「HAKU-MYU LIVE」は本当に自由度の高いお祭りでしたね。

──“お祭り騒ぎのステージ”「HAKU-MYU LIVE 3」から一転、「山南敬助 篇」ではガラリと雰囲気が変わりそうです。

輝馬　感情の落差でいうと天と地くらい違いますよね（笑）。「山南敬助 篇」はきっと重い作品になるんじゃないかと予想しているんですが、重くなるぶん、西田さんがどこかしらに必ず楽しませる要素を入れてくださるはずです。

──キービジュアルも、これまでの薄ミュシリーズとはテイストが異なる印象を受けました。

輝馬　この山南、人を殺したあとの目をしてるもん。

樋口　ちょっと微笑んでるのも怖いよ！

星元　確かに言われてみると怖いです（笑）。

樋口　しかも雨が降ってるよ。桜が散ったあとなのかな？

輝馬　あじさいが咲いてるからきっと梅雨だね。今までの薄ミュとは湿度が違う。

星元　人間の陰の部分にフィーチャーした、ドロドロした作品になりそう。ある意味、今お客様が一番求めている作品になるかもしれない。

輝馬　僕もどちらかというと暗い役をやらせていただくことが多いので、期待していただきたいですね。暗くするならとことん暗くするので！

樋口　じゃあ僕はとことん明るくします！

輝馬　じゃあ僕は暗転の中で芝居するよ！

樋口　とことん暗い場面もあれば、とことん明るい場面もある。そのギャップによって面白さが増す可能性があるかもしれません（笑）。

──（笑）。今回の「山南敬助 篇」を西田さんがどう料理するか楽しみです。

樋口　キービジュアルでも雨が降ってたし……やっぱり水を降らせるんじゃない？

輝馬　マイクはどうするんだよ！

星元　音響さん泣かせだね（笑）。

輝馬　地声でやればいいのか。

樋口　なるほど。それなら水も使えますね。

輝馬　いやいや、「これで決まりだ！」みたいな顔するなって（笑）。

一同　ははは！

“未知の山南敬助”を見届けて

──これまでの薄ミュシリーズとは一線を画した雰囲気が漂う「山南敬助 篇」が、どのような作品として立ち上げられるのか非常に楽しみです。最後に「山南敬助 篇」へかける思いをお聞かせいただけますか？

星元　薄ミュに初めて参加できることを楽しみながら、あまり恐れずに、自分らしくやっていきたいですね。おそらく「沖田総司 篇」（2013年）とは異なる薫像ができあがると思いますので、新しい薫を観に劇場へ足を運んでいただけたらと思います。

樋口　薄ミュシリーズに長く携わっている輝馬くんが座長ということで、今まで輝馬くんが作品を支えてくれたぶん、今回は僕がしっかりと作品を支える立場になれたら良いなと。今まで通り楽しみながら稽古をして、良い作品をお客さんに届けられるようにがんばります。最後は輝馬くんが素晴らしいコメントで締めます。どうぞ！

輝馬　ではまず、僕の生い立ちからお話しさせていただくと……。

樋口　薄ミュ関係ないじゃん！

輝馬　ははは！ 今まで長く続いてきた薄ミュシリーズのタイトルを背負う立場になるので、「山南敬助 篇」という名前に負けないように役者として表現を楽しみたいと思いますし、僕自身もまだ知らない“未知の山南敬助”が描かれているので、ぜひとも劇場で見届けていただけたらと思います。