お笑いナタリー PowerPush - ナタリー×an 教えて!センパイ~あの頃のバイト生活~
うしろシティの場合
きれーいにシャリとネタが1個ずつずれてたんです!(阿諏訪)
──芸人さんだとバイトでのエピソードを披露することもあると思うんですが、トークで使えるような印象的だった出来事を何か1つお願いします。
阿諏訪 寿司のデリバリーのときなんですけど、寿司ってデリケートなのでちょっとガタンッてなるとひっくり返っちゃうことがあるんですよ。そのたびに原付を停めて、「ああ、大丈夫だ……」って確認するんですが、ひっくり返ってたらお客さんに謝りの電話入れて、作り直してもらわなきゃいけなくて。
金子 ピッてやっちゃダメなの?(ネタをつまんで素早くシャリに載せる動作)
阿諏訪 ピッてやっちゃダメだよ! で、エリアで一番遠いところに行ったときに、もうすぐ着くってところでガタンッてなって。「これ絶対ひっくり返ってるパターンだー」って思って開けたらひっくり返ってなかったんですけど、きれーいにシャリとネタが1個ずつずれてたんです!
──えー!? そんなことあります?
阿諏訪 これ誰に言っても信じてもらえないんですけど(笑)。
金子 それだいぶ握りが甘いんじゃない?
阿諏訪 あははは! そうだね。
金子 僕はお笑いに誘ってくれた最初の相方がお寺のお坊さんになって、その手伝いで掃除のお仕事させてもらってたんですけど、よく一休さんがお寺の縁側みたいなところをタッタッタッて雑巾がけするじゃないですか。それと同じように僕が濡れ雑巾で拭いていって、その後を本物の坊主が乾拭きしていくっていうシュールなやつが印象的でしたね。
バイトはコントの題材の宝庫
──バイト中に本業のコント作りのヒントになるような変わった人に出くわしたことはありますか?
金子 それはめっちゃありますねえ。
阿諏訪 やっぱり変な人は好きなので目につくんですよね。雰囲気のいい居酒屋で働いてたことがあるんですけど、そこに恰幅のいいおじさんで、テンガロンハットを被った外国の方が毎週来るんですよ。ぶっとい葉巻を吸ってて、自分で持ち込んだ麦焼酎でライムサワーを作ってくれって言うような。
──この時点で目を引きますね。
阿諏訪 ある夜、合コン終わりで酔っ払った男4人くらいのグループがいて、トイレから帰って来たそのうちの1人が、雰囲気のいいおじさんのテンガロンハットをバッて取ったんですよ。そのおじさん、葉巻を置いて「Ohー……」ってあたふたしてて。それ見たときはもう……いたたまれなくなりました。
──うわー(笑)。そのテンガロンハットのおじさんはネタにできました?
阿諏訪 それはネタにならなかったですね(笑)。
金子 される側よりしてる側のほうが題材にしやすいというか、主人公にできるよね。たとえば普通にご飯食べに行っても見かけると思うんですけど、すっごい何度も来てる常連さんで、でも来てる回数ほど店員に“常連感”を受け入れられてない人。そういう人は題材にしたくなる。
阿諏訪 あはははは。“常連感”出してる人ね。「いつもの」っていうのが全然店員側に伝わってないっていう。
金子 だから芸人なんて、バイトするなら人と接する仕事のほうが面白いと思いますね。バイト暦の長い人が新しい店長と戦うとか、バイトの女の子が店長と付き合うとか、そういう人間関係を見られるのもバイトの面白さ。
阿諏訪 長年働いてプライド持ってるバイトもちょっと面白いよね。
金子 変なプライドが生まれてるやつね。あと急に入ってきた40歳くらいのアルバイトのおじさんとか。
阿諏訪 でも東京だけなんだよな、そういうの。
金子 年齢も性別も性格もバラッバラだから、東京でバイトしたら面白い人全部に会えるんじゃない?
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「an」特設サイトではナタリーとの連動企画として、一般ユーザーから寄せられたバイトに関する悩みや相談にゲストが答えるコーナーを掲載。うしろシティにはインタビューとあわせて、さまざまな質問に答えてもらった。
路線・駅・区間、職種、雇用形態、短期、高収入など、さまざまな条件からアルバイトを探すことができるWEB版「an」。バイトの検索方法は、地域を選び、チェックボックスに希望の条件を入力するだけ。自分にピッタリのバイトに出会おう!
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うしろシティ
写真左 / 金子学(1981年3月25日、新潟県生まれ)、写真右 / 阿諏訪泰義(1983年1月8日、神奈川県生まれ)。2009年にコンビ結成。現在、毎週土曜深夜放送の「デブッタンテ」(TBSラジオ)にレギュラー出演中。最新DVD「うしろシティ単独ライブ『それにしてもへんな花』」が今年2014年10月8日に発売される。松竹芸能所属。
2014年12月26日更新