融通が利くように店長にお願い

──遺跡発掘のほかのバイト経験について聞かせてください。

金子　遺跡発掘の次は上京後ですね。東京は遺跡発掘より割のいいバイトばかりで、「遺跡発掘って安いんだ！」ってここで気づきました（笑）。上京してすぐは、イオンの惣菜コーナーで調理スタッフが帰ったあとの清掃をしてました。それはめっちゃ楽しかった気がします。イオンとかって全体の休憩室があるじゃないですか。そこでいろんな人と知り合いになったり、女の子としゃべったり。

阿諏訪　付き合った？

金子　付き合ってはない。だって俺、アルバイトそういうつもりでやってないから。

阿諏訪　……俺は付き合いました！（笑）

──芸人になってからバイトを選ぶとき、優先する条件ってそれまでと変わると思うのですが。

阿諏訪　やっぱり時間帯を優先するので深夜になりますよね。芸人って急に仕事が入ったりとかするので。

金子　若手芸人はみんなそう言うんですけど、今思うとそんなに急に仕事入ることもなかったですよ。

阿諏訪　うそ、俺めっちゃあったよ！ 必死で代わり探したりして。

──融通が利くっていうのも条件なんですね。

金子　僕は融通が利くようにお願いしてました。1人だけズルというか（笑）。「ギリギリでもシフト変えられるようにしてください」って店長にお願いして、周りの人にブーブー言われないようにちゃんと「ごめんね」って。

──周りも芸人という職業に理解を示してくれていたんでしょうか。

金子　そうですね。すっごい仲いいバイトしかやってないからみんな協力的で。僕は時間帯で選ばなくても、店長やみんなにお願いしてどうにかやってました。

今の仕事に役立ったバイト

──阿諏訪さんは居酒屋の厨房やヴィレッジヴァンガードでのアルバイトの経験が、料理やPOP書きなど今のお仕事に役立ってますよね。

阿諏訪　バイトで得たものが仕事につながることが多いのでよかったなと思いますね。料理は特に、まったくやったことなかったので。

──料理が得意だから選んだバイトだったわけではないんですね。

阿諏訪　じゃないです。芸人っていう仕事の合間でできるものっていうので居酒屋を選びました。それまでは包丁も握ったことなかったんです。

金子　僕も遺跡発掘のバイトするまでスコップとかヘラとか持ったことなかったです。

阿諏訪　なかなか持たないもんな（笑）。

──金子さんは今の仕事に役立っているアルバイトの経験ってありますか？

金子　僕は人間関係ですね。アルバイトで知り合った友達とルームシェアしてたんですけど、一緒に住んでた奴がいきなりローラさんのマネージャーになってて、現場で会うとすごくやりやすくしてくれたり。あとは映画撮ってる昔のバイト仲間に単独ライブのVTR作ってもらったりとか、たまたま近いところで仕事してる奴が多いです。バイトで出会った縁が今もずっと続いてるのはいいなあと思います。