黒いズボンすっげー買った（金子）

──これまでのバイトでは頼られるほうでした？

金子　僕は最初に「できないです」って言うので、逆に大きな失敗とかもないですね。本屋のバイトではずっと本のカバー作ってました。半年くらい働いてたけどレジもやらなくて。お客さんが買った本につけるカバーを折ったりとか、掃除とか。

阿諏訪　それ本屋で働いてたって言える？（笑）

──難しい仕事は避けてきた？

金子　難しい仕事与えられないんです。でも知らない人同士でやるから、自己紹介ってけっこう大事じゃないですか。異様なオーラをまとって行っても「なんなんだこいつは」ってなるし。

──阿諏訪さんはどうですか？

阿諏訪　僕もあまり大失敗はないですね。焼き鳥屋では焼き場は任せてもらっててほとんど何も言われなかったです。焼き鳥って最初砂肝で試し焼きするんですけど、焼きながら途中で「おっかしいなあ」って言って真剣な顔して味見してると、「なんかあるんだろうな」って思われてるみたいで。本当はただ腹減って食ってるだけなんですけどね（笑）。

──あはははは。

金子　あ、思い出したんですけど、アルバイト始めると「黒いズボンだけ持ってきてください」ってめっちゃ言われません？

阿諏訪　あるあるある！（笑）

金子　黒いズボンすっげー買ったなっていうの思い出しました。黒いズボンってそれでめっちゃ売れてるんじゃないかなって思うくらい。

阿諏訪　なかなか持ってないもんね。

金子　着回しが利くとかじゃなくて、バイトで必要だから売れてる気がする（笑）。

今になってやっときゃよかった変なバイト

──今だからこそやってみたいと思うバイトって何かありますか？

阿諏訪　変なのやりたかったですね。それこそバイきんぐ小峠さんの害虫駆除みたいな。時給がいいところとかっていう選び方してたので、あまり変わったのはやらなかったんすよね。今になってやっときゃよかったなって思います。

金子　リゾートバイトとかあるじゃないですか。ああいうのに行ってしっかり全部見てきたい。どういう人間関係が交差してるのか（笑）。話には聞くけど実際やってみたらどうなんだろうっていうのは見てみたいな。あと近所に住んでる芸人と話してたことなんですけど、家の近くに喫茶店で働いてるかわいい店員さんとどうやったら知り合えるんだろうと。で、あの子と知り合うには、もうバイトするのが近道なんじゃないかと思って。でもいるじゃないですか、そういうやつ。

阿諏訪　いるのかなあ？

金子　いるだろ、阿諏訪だって付き合ってるんだから。

阿諏訪　いやいや、その子がかわいくてバイト始めたわけじゃないから（笑）。

金子　面接では普通に「コーヒーが好きなんです」みたいに言えばいいし。そういう選び方しなかったなあ。

──実際に働く前にお店に行ってみるのはいいかもしれませんね。では最後に、これからアルバイトを探す若者にアドバイスをお願いします。

阿諏訪　僕らがバイトを探す若者かもしれないですけど（笑）。

金子　これが掲載される頃にはな（笑）。

──あはははは。

金子　でもせっかくやるなら、お金のためにやらなきゃっていうよりは、なんか楽しいことがありそうな場所に行ったほうがいいと思いますね。時給がいいとか時間の都合とかもあると思うんですけど、それよりは「これはちょっと経験しておきたいぞ」っていう。

阿諏訪　うんうん。時給や時間の都合をすべてにしたら続かないというか。

金子　ずっとしんどいもんな。

阿諏訪　そうそう。僕はヴィレッジヴァンガードがまさにそうで。ヴィレヴァンはその土地の最低賃金なんですよ。だからめっちゃ安いんですけど、自分でPOPを書いて商品を売るっていうのがすっごい面白くて。だから続いたから、楽しそうなものっていうのも時給や時間と同じくらい重要視したほうがいい気がしますね。