こうなりゃもう…高佐さんとの距離詰めるのさ！

ザ・ギースの結成を振り返る

溜口　話は戻りますけど、ギースさんってどうやって結成したんですか？

高佐　コントのワークショップがあって、そのときに作家さんが「組んでみたら？」って。

溜口　当時のお互いの印象ってどんな感じだったんですか？

高佐　もっと遡ると、もともと俺はコンビ、尾関はトリオを組んでいて、そのときから見知ってはいて。で、そのワークショップに2人で行って組んだ感じかな。故林広志さんっていう作家さんのワークショップなんだけど、1期で野間口徹さんたちの「親族代表」を手がけていて。その3期としてうちらは「THE GEESE（ザ・ギース）」って名前を付けてもらって、活動し始めた。

溜口　そうなんですか！ 初めて聞きました。最初は人にプロデュースされていたわけじゃないですか。そこから「こいつが相方だ」って自覚する瞬間ってありました？

高佐　自覚かあ。例えば尾関が「相方が……」とかって言ったときに「俺、相方かあ」って（笑）。

溜口　あはははは（笑）。それ何年目くらいですか？

高佐　何年目くらいだろう？ 今でも違和感あるけどね。不思議だなあっていう感覚は。尾関が組んでいたトリオがすごく面白かったのよ。それを見てたから、なんで自分と組んでいるんだろうって不思議ではある。

溜口　トリオのときの尾関さんのポジションは？

高佐　尾関は、最初に見た代表作のネタでツッコミやってたの！

溜口　あはははは！（笑）

高佐　めちゃくちゃぎこちなかった。だから、どこかのタイミングからボケになっていったんだろうけど。そのトリオの2回目の単独ライブのときになぜか客演で出てくれって頼まれたんだよ。コンビでじゃなく、俺を名指しで。もちろん好きだったから出させてもらって、っていうのが付き合いの始まりだね。

溜口　もしかして、ASH&Dに入ったときは尾関さんのことそんなにわかってない状態だったりもするんですか？

高佐　そうそうそう。

溜口　へえ！

高佐　特殊かもね。

中3から芸人になりたかった

溜口　そもそも高佐さんっていつから芸人になろうと思っていたんですか？ 大学でお笑いをやり始めてから？

高佐　いや、中3。

溜口　ええ!?

高佐　そのとき札幌吉本ができたくらいで、一番仲良かった同級生に「芸人とかやらない？」って言ったら普通に断られて。

※編集部注：高佐さんは北海道函館市出身。

溜口　そうですよね（笑）。

高佐　でもずっとやりたいなって気持ちがあって、高校でお笑いクラブみたいなものを作ったりしたんだよ。でも、とにかく東京に行くことだなって思って。厳しい親にバレないように大学進学という名目で上京して、お笑いサークルに入った。

溜口　親御さんにいつ芸人になるって言ったんですか？

高佐　大学をやめるときかなー。父親には勘当されたけど。

溜口　えー！ 今は？

高佐　今は応援してくれてるよ。

溜口　最近マヂカルラブリーさんが語る地下芸人時代の仲間にギースさんの名前が挙がることが多いですよね。

高佐　フリーの頃は、当時渋谷のセンター街の天下一品があるあたりに旧シアターDがあったんだけど、チケットを自分たちで買い取って出てた。だから変な人ばっかりだったよ。モダンタイムスとかゴー☆ジャス、ジンカーズともその時代に仲良くなって。

溜口　その頃からもうギースさんの今のスタイルは変わらないですか？

高佐　そうだね。

溜口　なんか、ウィキペディアに高佐さんがツッコミ担当、尾関さんがボケ担当って書いてあって。いや、高佐さん大ボケでしょ！っていう。それ見たとき目の前グニャグニャになったんですよ。

高佐　えー？（笑） 溜ちゃんが少数派だよ。

溜口　高佐さんまともじゃないから。こんな人がツッコめるわけないでしょ。

高佐　まともじゃないは合ってるかもね（笑）。でもうちらもけっこうぶっ飛んだコントやってたなあ。びしょ濡れになる美容室のネタとか。美容師がめちゃくちゃ水かけてくるネタを舞台上でやってた。

「ドリームショー」に向けて「バス旅」見てください

溜口　去年台本の読み合わせをしたとき、一番高佐さんの反応が気になっていたんですよ。

高佐　え、本当？ 面白いなと思ったよ。

溜口　今まであんまり見たことない役でもあったし。

高佐　確かにね。楽しみ。

溜口　笑いの好みが合うのかなっていうのもあって。例えばテレビって、高佐さんどんなの見ます？

高佐　バラエティが多いかなあ。ニュースとかも見るけど。

溜口　バラエティっていうのは、いわゆるお笑い番組？

高佐　そうだね。

溜口　僕、「バス旅」（テレビ東京「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」シリーズ）とか「ザ！鉄腕！DASH!!」（日本テレビ）が好きで。

高佐　あ、へえー！ 見たことないや！

溜口　僕はそういうのを食い入るように見ちゃうんですよ。

高佐　なるほどね。

溜口　「バス旅」をぜひ見てほしいんですけど、最近は鉄道とバスでどっちが早く目的地に着くか対決しているんですよ。で、太川（陽介）さんが本気で勝ちたいから共演者を置いて1人で歩いて行っちゃうとか、昼飯抜くとか、勝負に負けて泣いちゃうとか、そういうのがすごく面白くて。

高佐　え、それは正しい見方なの？

溜口　正しいと思います。それ見ているとき僕、ネタ番組で「きゃー」って引いちゃうお客さん、あれになってると思います。腹立ったりもするし。

高佐　うがった見方ではないんだ。

溜口　じゃないと思います。逆に、「あ、この行動はテレビ的なこと考えてるな」とか、裏の見方ができなくなっちゃいますね。それが新鮮で、いい時間だなって。「ドリームショー」本番までに1回見てみてください、「バス旅」。役の入り方が変わるかもしれないです。

高佐　え、本当に？（笑）

距離縮まった浅草30日興行

高佐　実は今日、こういう話題になるとは知らずに、喫茶店にでも誘って溜ちゃんとしゃべりたいなって思ってたの。

溜口　本当ですか？ うれしい！

高佐　でも、たぶん嫌がるだろうなとか、照れるだろうなとか思って誘わなかった。「この人つまんない」って思われたらどうしようとか考えちゃって。

溜口　そういうのを出会って2、3年目にやっていたらまた違ったかもしれないですよね。ちなみに、僕らが事務所に入ったときってどう思いました？ ちょっと不安ではあったんですよ。ずっとギースさんが守ってきたところに僕らが入ったから。そうやすやすと入れないぞ、みたいな。

高佐　いやいや、そんなのないよ。そもそもシティボーイズの事務所だからね。うちらもお邪魔させてもらってる感じ。仲間が増えてうれしかったよ。

溜口　入ってすぐはそこまで距離近くなかったですけど、浅草の30日興行（2014年に東京・あさくさ劇亭で行った「浅草のニュー喜劇人」 / 参照：THE GEESEとラブレターズ、浅草で30日間日替わり興行）でぐっと近づいた感じでしたよね。

高佐　ああ！ そうだ浅草だ。それを思い出してくれて、今またぐっと近くなったなあ。

溜口　あれを一緒にやったことで「ギースさんってこういう人なんだ」っていうのが初めてわかった感じでした。

高佐　そういう大変な経験をたくさんすれば、もっと自然と仲良くなっていくんだろうね。

溜口　「ドリームショー」はさくらホールでやりますけど、ああいう大きいところでハープを弾くことってこれまでありました？

高佐　ちょこちょこあるよ。なんなら俺、さいたまスーパーアリーナでやってるから。

溜口　そうだ！ マジ歌ライブ（参照：小木、好感度ソングにフジモン召喚！たまアリ「マジ歌ライブ」1万7000人が熱狂）！ それは心強い！ そこらへんの空気を全部吸った状態のハープを持ってきてくれるわけですね。

高佐　そうそう。

溜口　今年また、銀座十字屋（ハープ・フルート専門店）さんのライブが控えてるんですよね。

高佐　8月2日、ハープの日に生演奏するっていう。

溜口　今は何を練習してるんですか？

高佐　「Summer」。「菊次郎の夏」の。

溜口　レッスンに通っているんですよね。この1年間で腕前は上がってます？

高佐　と思うんだけど、どうだろう。毎日ちょこちょこしかやってないから。でも、今まで独学だった弾き方を、基礎の基礎から教わってるからなめらかにはなってるんじゃないかな。

溜口　上達したハープを「ドリームショー」で聞けるの楽しみにしています！

トレカ第2弾、制作中

この対談後、「溜口スーパードリームショー」グッズのトレカ第2弾として衣装での撮影を行いました。今回は高佐カードも入れる予定で鋭意制作中ですので、楽しみにお待ちください。「溜口スーパードリームショー～新・世界で一番熱い夏～ presented by お笑いナタリー」は7月9日（金）に開催。対談で距離を縮めた2人がステージではどんな掛け合いを見せるのか注目です。チケットはイープラスにて販売中。

溜口スーパードリームショー～新・世界で一番熱い夏～ presented by お笑いナタリー

日時：2021年7月9日（金）18:30開場 19:00開演
会場：東京・渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
料金：前売4000円（来場者特典あり）
チケット：イープラスにて販売中。