音楽ナタリー Power Push - ぜんぶ君のせいだ。

今までのぜん君。をありがとう これからのぜん君。もよろしくね

私たちは絶対ぜん君。を続けよう

──新体制になる前の話になりますけど、昨年11月の東京・新宿MARZでのライブで十字さんが脱退して(参照:ぜんぶ君のせいだ。十字と成海5才が脱退発表)、12月の東京・LIQUIDROOMでのワンマンライブで成海5才さんが脱退しました(参照:リキッド揺らしたぜんぶ君のせいだ。単独公演「ぜん君。は終わりません!」)。2人の脱退について、既存メンバーの3人はどう思っているのか、改めて聞いていいですか?

ましろ

ましろ はい。最初に2人がファンと交流している写真が出回ったって聞いたとき(参照:ぜんぶ君のせいだ。成海5才と十字が脱退の意向、来週ワンマンで進退表明へ)僕は本当に何も知らなかったから、ただビックリしたというか。言葉にできなかったし、最初はうまく理解もできていなかったと思います。しばらく字と5才には会えない時期とかもあったから、本人たちの言葉を聞く機会も少なかったし、何が起こったのかずっとうまく消化できない時間がけっこう長かったんです。

一十三 2人のことが好きな気持ちと、「なんでこんなことに」っていう気持ちがずっと戦ってて。ライブのときも家にいるときもずーっと考えてましたね。ただ3人でやるライブのときも、来てくださる患いさん(ぜんぶ君のせいだ。のファンの総称)には5人のときと変わらないものを届けなきゃいけないと思って、焦っていましたね。なんかがむしゃらになってないと落ち着けないというか、正直しんどい時期もありました。愛海とかましろに自分の気持ちをぶつけちゃったときもあったなあ。

如月 LIQUIDROOMのMCでも言ったんですけど、「辞めないで」って気持ちが一番。「ふざけんな」がその次。3つ目に「幸せになってね」という思いがあって。特に5才とはぜん君。をやる前から一緒にいたので「なんでこんなことで」という思いが強かったです。私たち、やっと日の目を見たところだったのに。

──グループとしては順調に規模感が大きくなっているところでしたからね。

ましろ こっちに引き戻せなかったというか、ぜん君。での活動が何よりも一番にあるんだって思わせられなかったのが悔しかったというか。やっぱりあの5人で武道館に行きたいって思いはありました。

──3人はどういう話をしていたんですか?

ましろ 意外と前向きな話をしていたんです。「3人しかいないからこういうライブをしていこう」とか。

一十三四

一十三 なんとなく、後ろ向きな話をしたらもう……。

ましろ うん、終わりになっちゃうと思った。

如月 一度だけ、私たち3人の中でも「ぜんぶ君のせいだ。を続ける気がある?」って言う話をしたんです。そうしたら3人共「ある」という気持ちだった。だから字と5才がどうなるにしろ、私たちは絶対ぜん君。を続けようってまず決めて。

ましろ 患いさんはもちろん、コドモメンタルINC.のスタッフの方とか、ミュージックビデオを撮ってくれた人とか、いろんな方に支えられて僕たちはここまで来れたから。僕たちだけじゃなくてみんなで作ってきたぜん君。を自分らで終わらせるわけにはいかないし、患いさんの中に1人でも「辞めないで」って言ってくれる人がいるなら、僕はやるべきだなって思って。

──2人が脱退するかどうかは、完全に本人たちの意思に任されていたわけですよね。

如月 そうです。私たちも2人が脱退の表明をする日まで、どうするかは聞いてなくて。

一十三 ライブのある日に2人が脱退するっていうことを伝えられたんですけど、意外とみんな楽屋とかでも普通に話をしてたんですよ。字もいつも通り笑って話をしたりしていて。反省していないってわけじゃなくて、すごく反省したうえで十字として、成海5才として、最後までグループにいてくれたって感じでした。

このワンマンで死んでもいい

──脱退などの発表がある中で昨年末は東京・LIQUIDROOMで、グループ史上最大規模のワンマンライブが開催され、数多くの患いさんが集まりました。

左から一十三四、如月愛海、ましろ。

如月 ありがたいことにたくさんの方に来ていただいて。

──皆さんにとってどういうライブでしたか?

一十三 正直ライブ当日はあまり体調がよくなかったんですけど、5才が最後の日だったし、ぜん君。としても節目のタイミングだと思ったから、ここで死んでもいいってぐらいの気持ちで、覚悟を決めてステージに立ってました。

ましろ 最大規模のワンマンライブですから、今まで以上にたくさんの人に来ていただいて、たくさんの手が挙がっていて、やっぱりLIQUIDROOMでのライブが僕らにとって1つ大きな節目だったのは間違いないですね。いつもの強気でやるライブと少し違って、ステージにはいなかったけど字ちゃんがいるような気がしたり、5才のことをすごくそばに感じたり、がむしゃらに攻めるだけじゃないライブだったと思っています。

如月 それぞれのいろんな感情が入っていたライブで、あの日あの瞬間の全員の精一杯が出てた1日でした。私はライブ中、今までで一番5才の顔を見てたんです。「無題合唱」とか、普段は目を合わせない曲なんだけど、ずっと5才を見てて。メンバーと一番顔を合わせたライブだったし、患いさんともたくさん顔を合わせたんです。今までのぜん君。と応援してくれた患いさんに感謝を伝えられたし「これからのぜん君。もよろしくね」って挨拶がちゃんとできたライブでした。

ぜんぶ君のせいだ。

ましろ 泣くのを我慢していたのに、最前列の患いさんが号泣してて。

如月 あれを見せられたらね、もう我慢できませんよ(笑)。

──5才さんの最後のライブであると同時に咎憐无さんの加入が発表された日でもありました。

如月 ただ脱退だけで終わるんじゃなくて、前向きなことがみんなに伝えられたことがよかったですね。がむしゃらにまだまだ前に進んでいくんだっていう、ぜん君。らしい姿を見せられたし、すごい熱狂的なライブで1年を締めくくれたのは本当によかったと思っています。

笑って泣いての1年を経て

──いろんなことがある1年でしたが、振り返ってみてどういう1年だったと思いますか?

如月 いろいろあったけど、すごくいい1年だったんだと思います。2人の脱退はありましたけど、それもあって私たちも成長できたと思うし。

一十三 笑って泣いての1年だったね。

ましろ まだまだこれからだから。

左から未来千代めね、咎憐无。

──最後にグループのこれからを担う新メンバー1人ずつに今後の目標を伺えればと思います。

 今年の抱負は「愛される人間になる」っていうのが自分の中で一番なんですけど、今はやっぱり入りたてで、咎憐无を受け入れてない人もいれば知らない人もいると思うので、愛されるようになるまで全力でアピールしていきたいと思います。

──めねさんはどうですか?

未来千代 もともとぜん君。のことがすごく好きだったから、その大好きなグループの世界観を壊さないように、一緒に作っていけるようにがんばりたいです。一応、シンセサイザーも止めないで続けます(笑)。

ぜんぶ君のせいだ。
ぜんぶ君のせいだ。(ゼンブキミノセイダ)
ぜんぶ君のせいだ。

如月愛海(きさらぎめぐみ)、ましろ、一十三四(ひとみよつ)、咎憐无(とがれん)、未来千代めね(みくちよめね)の5人からなる「病みかわいい」をコンセプトにしたアイドルユニット。2015年7月に1stシングル「ねおじぇらす✡めろかおす」を発表し、同年10月に愛知・CLUB Zionにて単独公演を開催。初ライブにしてソールドアウトを記録した。2016年には1月に1stアルバム「やみかわIMRAD」をリリース。また同年7月よりワンマンツアー「全国7都市ワンマンツアー~僕喰賜君達ノ全ヲ~」を開催した。同年11月に2ndアルバム「アニマあにむすPRDX」を発表し、リリース直後に行われたワンマンライブをもってメンバーの十字が脱退。また12月に東京・LIQUIDROOMで行われるグループ最大規模の単独公演「ぜんぶ僕のせいだ。」でのライブをもって成海5才の脱退し、同公演で新メンバーの咎憐无の加入が発表された。2017年1月には新たに未来千代めねがグループに加わり、同年2月には新体制初のシングル「Sophomore Sick Sacrifice」をリリースする。