同世代のフェスに

──まず最初に「YON FES」を開催するに至った経緯を教えてください。

GEN（B, Vo）　Hi-STANDARDの「AIR JAM」や10-FEETの「京都大作戦」に憧れがあり、昔から自分たち主催のフェスをずっとやりたいとは言ってたんですよ。特に昨年「京都大作戦」に初めて出たことが僕らにとってすごく大きくて。そのときにはもう「YON FES」を開催する方向で動き出してはいたんですけど、より気持ちが高まりましたね。

──「京都大作戦」でどういったことを強く感じたんですか？

GEN　空気感がホントにいいんですよ。バックヤードにはそうそうたる先輩バンドがいるわけですけど、僕らも家族として受け入れられてる感じというか。で、その雰囲気のよさがお客さんにも伝わってる。

HIROKAZ（G）　あと開催中は10-FEETのメンバーがずっと動きっぱなしなんですよね。自分たちの出番以外にもステージを行き来してるのはもちろんですし。10-FEETが主体で作ってるんだなっていうのをしっかり感じました。

GEN　ちゃんとバンドマンのつながりでやってるっていうね。そういう光景を目の当たりにすると、自分たちでフェスをやって、仲間たちと切磋琢磨し合えれば、みんなとずっと一緒にいられるんじゃないかなって感じて。お互いいろいろとバンドの状況や環境が変化していくわけですけど、「YON FES」に呼ぶ、呼ばれるという1つの関係性があれば、僕たちもバンドを長く続けていけるかもしれないという思いもあります。

──会場は愛知県にあるモリコロパークです。

GEN　モリコロパークが最初から第1候補でした。僕が「フェスをやりたい」って言い出したときから、ここがいいと考えてたんです。モリコロパークは2005年に「愛・地球博」が開催された会場なんですけど、僕は高校生のときに「愛・地球博」に行ったし、公園になってからも何度か行ってて。環境がすごくいいので、ここでフェスが行われればいいのになってずっと思ってたんです。

HIROKAZ　十分な広さがあるし、オシャレな感じもあるよね。

GEN　緑はもちろんたくさんあるけど、とにかく気持ちがいい。寝転んだり、キャッチボールをしたくなったりするみたいな。

RYU-TA（G, Cho）　しかもフェスの会場となるところはちょっとだけ斜面にもなってて、ライブも観やすい。

GEN　あと、フェスって山奥とかでやってて、行くまでが大変だったりするじゃないですか。モリコロパークは「愛・地球博」の会場になったぐらいだからすぐ近くに駅もある。ロケーションとアクセスのどちらもいいんですよ。

──「YON FES」をどういったフェスにしたいと考えましたか？

GEN　僕らと同世代のバンドを軸にしたフェスにしたいなと。同世代中心で成功させて「この世代がロックのメインストリームなんだ」って伝えたいという思いもあります。もちろん、いろんな先輩にお世話になってるし、声をかけたいバンドはたくさんいたんですけど、あえて同世代を積極的に呼びたいなって。それに加えて、1年目なんで、集客の面でも間違いないバンドの力も借りたいっていう気持ちもありましたね。

──現実問題として、1年目にコケたら次はないですからね。

GEN　そうなんですよ。僕たちとしては毎年やっていきたいと考えてるし。今回は公園の中でも使用できるエリアが限られてるんですけど、もし今年成功すれば、次回はもっと広く使えるかもしれない。そうしたら、ステージを増やせるし、呼べる仲間もより多くなる。そんなことも考えながら声をかけていったら、「さすがに厳しいかな」と思ってたバンドですら、すぐにOKの返事をくれました。

KOUHEI（Dr, Cho）　みんな快く受け入れてくれて。

RYU-TA　打率で言ったら9割5分ぐらいかも（笑）。

──ちなみに、フェスのタイトルはすんなり決まりました？

GEN　いや、それが全然（笑）。実はこの「YON FES」というのは仮タイトルだったんです。もっといいタイトルを思い付くだろうと思ってたんですけど、しっくりくるモノがなくて。それこそ「AIR JAM」に憧れてたのもあったし、「フェス」って付けないほうがいいんじゃないかとか。あと、cinema staffの「OOPARTS」みたいに短い造語がいいなとか考えたけど、とっ散らかってよくわかんなくなり……。

RYU-TA　結局、一番わかりやすい最初の案に戻りました（笑）。