ナタリー PowerPush - X JAPAN

YOSHIKI単独インタビュー 来たるべき新作の構想

世界への名刺代わりになる作品を

──アルバムの収録曲はほぼ揃っているかと思うんですが、どんなアルバムになりそうですか? やはり激しい感じですか?

激しい……でしょうね、はい(笑)。

──アルバムのタイトルは?

これはまだメンバーにもちゃんと話してないんですけど、タイトルは「X JAPAN」でいこうかなとも思ってます。要するに世界に向けての名刺代わりですからね。一番わかりやすい形がいいのかなって。

──2014年にはワールドツアーも予定しているとのことですが、ツアー開始前には新作完成を期待してもいいですか?

うーん、これも言い訳じゃないんですけど、アメリカのエージェントと話してると、ツアー前にアルバムを出すことが決していいことだとは限らないって言うんですね。アルバムを出してそこで完結しちゃうより、ツアーをやりながらアルバムに向かっていくほうがいいと。その感覚は以前とは少し変わってきている気がしますね。

Violet UKは最高傑作になる

YOSHIKI

──先日Twitterでドラムセットの前に座っている写真をアップしていましたが、あれは新曲のレコーディングですか?

あれはViolet UKっていう、自分のソロのドラム録りですね。X JAPANとViolet UKをずっと並行してやってるんで。

──Violet UKのレコーディングも同時進行で進んでるんですね。

実はずっとやってます。でもViolet UKって実は1枚もアルバム出してないんで、そのぶんちょっと力んでしまってて。たぶん最高傑作になると思うんですけどね。

──じゃあViolet UKのアルバムも完成が近い?

はい。でもリリースに関してX JAPANとぶつけるわけにはいかないし、できた作品をどうするのかはまだ整理できてないですね。リリース形態の問題もあるし。ただ出さなきゃいけない作品だと思うんで、ファンの声も聞きながらたぶんこの2、3カ月で詰めていくことになると思います。

──YOSHIKIさんの口から「ファンの声を聞く」という言葉が出るのは、昔を知るファンとしてはちょっと意外ですね。

ありえないですよね(笑)。とにかく突っ走って「俺についてこい」って感じだったのに。

──YOSHIKIさんの中で何か意識の変化があった?

いや、一旦気持ちがまとまってしまえば突っ走るだけなんですけど、そこまではけっこう周りの意見を聞いたりするんですよ。それで「なるほど!」って絶対的な自信が付いたらあとはもう誰が何を言おうがそこにいくっていう。だから今はそのちょっと前の段階だと思うんですよね。

──YOSHIKIさんも迷ったり人の意見を聞いたりすることがあるんですね(笑)。

それはもう(笑)。けっこう強引に生きてるようで世の中の流れを敏感に感じてるところもあるので。一応あまり世間とずれないように、アンテナを敏感に張ってるつもりです。

X JAPAN(えっくすじゃぱん)

1982年にYOSHIKI(Dr, Piano)とToshI(Vo)を中心に結成される。インディーズで絶大な人気を誇り、1989年にアルバム「BLUE BLOOD」でメジャーシーンに進出する。派手なメイクと衣装に代表される独特のスタイルが大きく注目される一方で、ハイクオリティなヘヴィメタルサウンドと確かな演奏力が高評価を獲得。攻撃的なメタルナンバーとドラマチックなバラードの双方に定評があり、ヴィジュアル系バンドの先駆者的存在としても認知されている。人気絶頂の1997年、ToshIの脱退宣言を機に解散。再結成が熱望されるも翌1998年にHIDEが急逝し復活は絶望視される。しかし2007年10月に突然活動再開を宣言し、復活第1弾となった新曲「I.V.」はハリウッド映画「SAW4」のメインテーマソングに採用された。2008年3月には復活の東京ドームライブを3日間にわたり開催。2009年5月にはSUGIZO(G)が新メンバーとして正式加入している。2010年8月には米の大型ロックフェス「ロラパルーザ」に出演し初の全米ツアーを行ったほか、日産スタジアムでの2DAYSライブも開催。2011年にはヨーロッパ、日本、南米、アジアを回るワールドツアーを成功に収めた。