ナタリー PowerPush - X JAPAN

YOSHIKI単独インタビュー 来たるべき新作の構想

気が狂いそうになるくらいの葛藤

──YOSHIKIさんにとって今はX JAPANとViolet UKが活動の両軸だと思うんですが、先日はゴールデングローブのテーマも制作していましたね。そうした形の作曲活動はこれからも積極的にやっていくんでしょうか?

そうですね、ラッキーなことに今もいくつか大きいお話をいただいていて、年内に発表できるものもあるのかな。それはとても光栄なことだと思ってます。

YOSHIKI

──依頼を受けて曲を作るときと自分のプロジェクトの制作では、何か違いがありますか?

X JAPANやViolet UKでは自分が作りたいものを作るだけですけど、誰かに依頼されたときに、その要望の中で自分の最大限を発揮するというのは難しいチャレンジですね。ただ意気込みは一緒です。

──どんなときでも適当なものは作れないと。

やっぱり全部真剣になっちゃうんですよね。もうちょっと効率よくできればいいんですけど。効率よく生きられないのかなっていつも思ってます(笑)。

──例えばレコーディングでは、具体的に何に時間がかかってるんですか?

今は録ったものをエディットしていく作業が一番多くて、1つのラインを1日かけてエディットしてるんです。いつも「この違いなんて自分しかわからないんだから」っていうのと「わかる人にはきっとわかるんだ」っていう2つの気持ちで、自分の中で葛藤が始まっちゃって。その違いをずっと追求しちゃうんですよね。

──周囲からのプレッシャーもあると思いますが。

早く出せっていうのと、ちょっとおかしいんじゃないかっていう(笑)。今、Violet UKで1曲に1年間かけてレコーディングしてる曲があるんですよ。エンジニアも「おかしい」って言うし、自分でもおかしいと思うんです。そんなに時間をかけて作って、何千万枚売れば経済的に成り立つのかって話もあって、その時点でおかしいんです(笑)。

──なかなか理解はされにくいかもしれませんね(笑)。

やっぱり自分の中のこだわりが捨てられなくて。でもそれを捨てなかったから昔の曲が今でも聴かれてるんじゃないかって思ったりもするんですよね。これまでもレコード会社から「いい加減にレコーディングを終えてくれ」と言われながら「いや、ここを直したいんだ」っていうギリギリの戦いの中、もうケンカ寸前の中でリリースしてきたんで。

──わかります。ファンもみんな「早く出してほしい」という思いはありますが、決してYOSHIKIさんがのんびり遊んでいて出ないと思ってるわけではないですからね。

その葛藤が誰にも見えないですからね。でも自分の中では気が狂いそうになるくらいの葛藤を繰り広げてる。ただ、音を聴いてもらえればわかるんじゃないかとは思います。

生身で伝えるライブがしたい

──最後にX JAPANの2014年のワールドツアーについても聞かせてください。現時点ではどんなツアーにしたいと考えていますか?

うーん、頭ではいろんなことを考えてるんですが、ステージに立ってしまうともう「今日終わってもいい!」っていうライブをやってしまうのがX JAPANだと思うんですね。自分が特にそうなんですけど(笑)。

──そうですね(笑)。

そう考えると、まずは途中で倒れずにちゃんと完走できるツアーにしたい。そのためにどうすればいいかを今必死で考えてます。

──内容についてはいかがですか?

構成的には再結成後の新曲もやって、昔のX JAPANもあって、その両方観れるっていう形にしたいですね。あとはステージセットに頼らないというか、もちろんレーザーとかいろんなものは使えればいいと思うんですけど、生身でも電球1つでも「みんなに伝えてやる!」っていうその感覚。それを前のツアー以上に、さらに大事にしていきたいって思ってます。

YOSHIKI
X JAPAN(えっくすじゃぱん)

1982年にYOSHIKI(Dr, Piano)とToshI(Vo)を中心に結成される。インディーズで絶大な人気を誇り、1989年にアルバム「BLUE BLOOD」でメジャーシーンに進出する。派手なメイクと衣装に代表される独特のスタイルが大きく注目される一方で、ハイクオリティなヘヴィメタルサウンドと確かな演奏力が高評価を獲得。攻撃的なメタルナンバーとドラマチックなバラードの双方に定評があり、ヴィジュアル系バンドの先駆者的存在としても認知されている。人気絶頂の1997年、ToshIの脱退宣言を機に解散。再結成が熱望されるも翌1998年にHIDEが急逝し復活は絶望視される。しかし2007年10月に突然活動再開を宣言し、復活第1弾となった新曲「I.V.」はハリウッド映画「SAW4」のメインテーマソングに採用された。2008年3月には復活の東京ドームライブを3日間にわたり開催。2009年5月にはSUGIZO(G)が新メンバーとして正式加入している。2010年8月には米の大型ロックフェス「ロラパルーザ」に出演し初の全米ツアーを行ったほか、日産スタジアムでの2DAYSライブも開催。2011年にはヨーロッパ、日本、南米、アジアを回るワールドツアーを成功に収めた。