ナタリー PowerPush - X JAPAN

YOSHIKI単独インタビュー 来たるべき新作の構想

日本のオーディエンスを大切にしたい

YOSHIKI

──ロサンゼルスにいることで世の中の流れに対するアンテナが鋭くなったり、見えるものが違ったりということもありますか?

あると思いますね。やはりロサンゼルスって世界中の人たちが集まってくる場所なので、世界が見える、中心地の1つだと思いますね。音楽に関してはあんまりニューヨークって感じじゃないな。やっぱりロンドンとロスですかね。

──東京は?

東京も刺激的だと思います。ただやはり日本のマーケットは洋楽に比べてドメスティックなものが圧倒的に強いですから。

──X JAPANもViolet UKもワールドワイドなマーケットを見据えて制作をしている以上、日本だけを見ているわけにもいかないですよね。

でも同時に日本のオーディエンスのことはずっと大切にしていきたいと思ってます。もともとそこから始まってるんで。自分たちの土台はしっかり見つめていたいですよね。

──YOSHIKIさん自身も日本の音楽を聴く機会はあるんですか?

聴きますよ。この前はきゃりーぱみゅぱみゅのロサンゼルスのライブを観に行きましたし。

──どうでした?

面白かったです。あのサウンドはカッコいいですね。

──スタイルは違えど、世界を相手に活動しているわけですしね。

共感できるところはありますね。きゃりーぱみゅぱみゅ以外でもロスに来るアーティストはけっこう観に行くようにしてて。B'zも去年観ましたし。あとはスタッフにもらってミスチルのビデオを観たりもしてます。やっぱり曲がいいバンドだなって。

──なるほど。

ただ普通にライブを観てるだけですけどね(笑)。ロスでは今家が近いってこともあって、氷室京介さんとはたまに食事したり情報交換したりしてますけど。

S.K.I.NとV2

──ところでいい機会なので、別プロジェクトのお話も伺いたいんですが。例えばS.K.I.Nをまたやる可能性っていうのはあるんでしょうか?

そうですね、S.K.I.Nはみんなそれぞれ動いてて、なかなか全員が揃ってやれるときがないんで。たまにみんなで集まって飲んだりはしてますけど。

──S.K.I.NはYOSHIKIさんにとってどういうプロジェクトですか?

刺激的な友達が集まってなんかできたらいいなっていう。バンドってやっぱりタイミングが合うときは合うし、波長が合わないものを無理やりやってもみんなこじれていく。だからどこかのタイミングでS.K.I.Nが動く可能性もあるとは思います。そういうとき自分がちょっと強引にボタンを押して進めることもあるかもしれないし。

──タイミング次第ということは、例えば再びV2をやる可能性もあったりします?

ああ、この前日本に来たときにちょっと小室(哲哉)さんとも会ったんです。小室さんのスタジオに立ち寄って2人でしゃべってたんですけど、お互いに違う面を持ってるんで、やはり刺激を受けますよね。

──じゃあV2復活も?

ないことはないと思いますね。

X JAPAN(えっくすじゃぱん)

1982年にYOSHIKI(Dr, Piano)とToshI(Vo)を中心に結成される。インディーズで絶大な人気を誇り、1989年にアルバム「BLUE BLOOD」でメジャーシーンに進出する。派手なメイクと衣装に代表される独特のスタイルが大きく注目される一方で、ハイクオリティなヘヴィメタルサウンドと確かな演奏力が高評価を獲得。攻撃的なメタルナンバーとドラマチックなバラードの双方に定評があり、ヴィジュアル系バンドの先駆者的存在としても認知されている。人気絶頂の1997年、ToshIの脱退宣言を機に解散。再結成が熱望されるも翌1998年にHIDEが急逝し復活は絶望視される。しかし2007年10月に突然活動再開を宣言し、復活第1弾となった新曲「I.V.」はハリウッド映画「SAW4」のメインテーマソングに採用された。2008年3月には復活の東京ドームライブを3日間にわたり開催。2009年5月にはSUGIZO(G)が新メンバーとして正式加入している。2010年8月には米の大型ロックフェス「ロラパルーザ」に出演し初の全米ツアーを行ったほか、日産スタジアムでの2DAYSライブも開催。2011年にはヨーロッパ、日本、南米、アジアを回るワールドツアーを成功に収めた。