新しい学校のリーダーズ×WOWOW|世界への挑戦を経て4人のライブはここまで進化した (3/3)

メンバーそれぞれの成長

──ライブ漬けの1年を通してパフォーマンスにはどのような変化がありましたか?

KANON 去年の最初の武道館では最新アルバム「AG! Calling」からは数曲しか披露してなかったけど、世界を回ったり、日本でツアーする中で、アルバムがどんどん自分たちに染み付いていって、力になって、大きくなってきたなっていう感覚があります。

──「AG! Calling」は世界ツアーが始まった6月にリリースされましたが、簡潔に言うと、どんなコンセプトの作品ですか?

SUZUKA アルバムはMIZYUがいつも説明してるよね。

MIZYU えっと、日本で作った曲も海外で作った曲もあって……メイドインジャパンの私たちがもっと世界で冒険するべく、英語で歌ってみたり、新しいジャンルに挑戦してみたりしつつ、4人それぞれの個性にもフォーカスしたアルバムになっております。

──ライブを観てびっくりしたポイントの1つなのですが、今回RINさんのラップがかなりフィーチャーされていますよね。

RIN はい、びっくりするぐらい滑舌がよくなりました。普段こんなにゆっくり話すものですからね。ヒップホップはもともと好きだったんですけど、マイクを握ってパフォーマンスすることがより楽しくなりました。

──MIZYUさんとKANONさんの双子のようなボーカルも素晴らしいです。

MIZYU 双子感がさらに増して。音源を聴くと右耳にMIZYU、左耳にKANONの声が流れたり。でも、ただ双子感があるというだけじゃなくて、ちゃんと音として意味をなしてるなって思うんです。2人の声の質感は似てるけれど、声の中でも役割があるんですよ。

SUZUKA 確かにね。

MIZYU KANONはこのへんで、私はこのへん、それで真ん中の部分が重なってるから強い……みたいな。音源で客観的に聴いてみて、自分の声のあり方もKANONがいることで理解できることが多かったです。

──SUZUKAさんはライブのMCで「喉が広がった」という話をしてたと思うんですけど、その原因は……。

SUZUKA いや、もう普通にライブを重ねて、いっぱいシャウトしたりとかして、もう喉がシンプルに強なったんすね。伸縮性もすごく広がって、筋力が付きました。でも、自分的には、もっといい声が出るようにがんばりたいなと思ってて。精進します。

KANON アルバムのレコーディングのときの声と今のライブの声では変わってるよね。深みが。

MIZYU うん、レコーディングのときのSUZUKAとはまた違う。

SUZUKA じゃあもうこれからどうなるんやろ? 最後は犬の鳴き声になってるかもしれん。ワウワウ! それで、これがまた渋いっていう。渋さの末は犬の鳴き声。

球体から登場

──ライブ漬けの1年の集大成として行われた凱旋ツアーの最終公演は、本当に素晴らしいライブでしたし、見どころだらけであっという間でした。WOWOWでは、この公演の生中継映像を再編集し、インタビュー映像を加えた番組「新しい学校のリーダーズ NIPPON Calling Tour 2024 ~Special Edition~」がオンエアされます。番組のインタビューでもじっくり語っていましたが、メンバーの皆さんが思うライブの見どころを教えてください。

SUZUKA じゃあ私から。「登場」です。

一同 だよねえ。

SUZUKA アドレナリンスイッチがブワーッて入るんで。私たちから見える景色にしても、お客さんからの景色にしても、「始まるぞ!」ってエネルギーが上昇しまくる瞬間だったなと思います。

──球体が上下に割れて、そこから4人が出てくるのはインパクトがありましたね。ちょっとサザエさんを彷彿とさせつつ。

MIZYU サザエさんの動きもやろうかみたいな話はしてたんですけどね(笑)。カッコつけててやる暇がなかった。

RIN 球体がいろんなものに変化していく様子もけっこう見どころかもね。曲によって、あの丸いVJでいろんな表現ができた。今回のツアーの肝になったなって思います。

KANON パイナップル、地球、ミラーボール、お手玉とかいろいろ変わったよね。

ホーン隊、和太鼓、“マッスルAG!”、ヒーローショー

KANON これまでは本当に4人だけでステージに立ってきたけど、今回のツアーにはホーンの方々と和太鼓の方とアクションチームが参加してくださって。こんなに大人数でツアーを回ることは、今までなかったんですよね。たくさんの人の力を借りて、今までよりも大きなステージにできたなって思います。

──「Hero Show」という曲では、タイトル通りに“悪者”と”青春のヒーロー”がアクションを繰り広げていました。

RIN ヒーローショーも本当に気に入ってます。小さい頃に観たことはあったけど、生でヒーローショーを観る機会って今はあんまりないのかなって。それをお客さんにも楽しんでもらえて。サプライズがすごく多いライブだったなと思いますね。

KANON 最終日だけなんですけど、「Fly High」のミュージックビデオに登場した“マッスルAG!”もサプライズで来てくれて。MV撮影のときから「ライブに出てくれたらいいよね」って話は出てたけど、まさか現実になるとは。

MIZYU KANON役の人だけMVとは違う人だけど、それも面白い。

──ブレイクダンスを披露したりしていて見応えがすごかったですね。

KANON ニューマッスルKANONが(笑)。

SUZUKA いや、フューチャーKANONかもしれん。

KANON そうだね、挑戦してみようかな(笑)。

SUZUKA 40代くらいでな。

大行列で歩いた花道

MIZYU 私は「Omakase」「Essa Hoisa」の演出が特に気に入っています。梵天さんの和太鼓がありつつ、SUZUKAのアカペラからVJで花がパッと開いて、私たちも法被をまとって……日本らしさと私たちらしさがミックスされたパフォーマンスだと思っていて。「Omakase」から続く「Essa Hoisa」では、今回のツアーに出演している和太鼓とホーン隊とアクロバットチームが全員ステージに立つんですよね。それで私たちは花道をエッサホイサと歩いていくんですけど、壮大で、重たくて、足腰を踏ん張るような、もともとの曲のイメージを現実にすることができた。それこそ夢が叶ったような場面だったと思います。

KANON 北米を回る前に「Essa Hoisa」を作ったんですよね。そこでどういう振付にしようかって話したときに「大行列を作って歩きたいよね」「でも4人だから無理かー」とか言ってあきらめてたんですけど、そのイメージが形になりました。

RIN そこからの「Tokyo Calling」もめちゃめちゃ壮大だったし、私はアンコールで「迷えば尊し」を歌ってるときにドローンカメラがSUZUKAの手に乗る場面を観てほしい。あの景色がすごく好きです。

MIZYU 私たちの「楽しい!」とか「スキー!」の詰め合わせで、映像に残ってることが本当にうれしいので、たくさんの人にWOWOWさんのスペシャルエディションを観てほしいです。

今年は全部やる

──最後に、結成10周年を迎える今年の目標、野望を教えてください。

MIZYU 今を生きることが目標であり、明確な目標はないとも言えるんですけれども、10年間、新しい学校のリーダーズを育ててきた自分たちにまず……拍手!

一同 (拍手)

MIZYU 拍手をして、感謝をして、自分たちが歩んできた10年を振り返りつつも、今を面白がりながら、未来を見据えていきたいなと……すっごいアバウトなことを言ってますけども。

KANON 新しい学校のリーダーズとしての脳みそは、4人とも常に活発なので、これからも興奮することを見つけていきたいし、常に戦ってはいきたいですね。一昨年はメディアに出せていただくことが多くて、去年は海外に行くことが多かったけど、今年はもう全部やりたい。

MIZYU 全部やりつつ、1個1個にちゃんと時間かけて、過程を大事にできる1年になったらいいなって今思いました。

KANON そうだね。すべてに魂を込めて、全部大事にやっていきたい。

SUZUKA これからも個性と自由ではみ出していこう! 青春日本代表、未知なる世界へゴー!

一同 ゴー!

SUZUKA ヒアウィー!

一同 ゴー!

新しい学校のリーダーズ

新しい学校のリーダーズ

プロフィール

新しい学校のリーダーズ(アタラシイガッコウノリーダーズ)

“青春日本代表”を自称するダンスボーカルユニット。SUZUKA、MIZYU、KANON、RINの4人で2015年より活動している。2021年1月にアジアのカルチャーを世界に発信するレーベル88risingよりATARASHII GAKKO!名義で世界デビュー。2020年5月にリリースした配信シングル「オトナブルー」の“首振りダンス”が、発表3年後の2023年にTikTok上で話題となり、同年末に「NHK紅白歌合戦」初出場を果たした。2024年には世界最大規模の音楽フェス「Coachella Valley Music and Arts Festival」のGobiステージで大トリを飾り、ヨーロッパ、アジア、北米の26カ所を巡るワールドツアーで約6万5000人を動員。同年11月から日本凱旋ツアー「NIPPON Calling Tour 2024」を行い、13公演で約4万5000人を動員した。2025年は4月に東名阪を巡るファンクラブツアーを行い、7月19日に過去最大規模の会場となる千葉・幕張メッセ9~11ホールで結成10周年記念ライブを開催する。