メキシコでの異常な人気の理由は?
──ワールドツアーで特に思い出深い都市はありますか? WOWOWのインタビューでは、8000人規模の会場で行われ、チケットが即完したメキシコ公演の話が出ていましたが。
SUZUKA やっぱりメキシコは、ぶっ飛んでましたねえ。
KANON 空港で待ってくれてる人がすごくて。いろんなプレゼントとともに。
MIZYU 大歓迎でしたね。
SUZUKA そのときにMIZYUが「私たち政治家?」とか言ってて。マイケル・ジャクソンとかThe Beatlesみたいな感じで言ってくれたらわかりやすいけど、「政治家」って……あれがずっとピンとこなかった。
──メキシコで人気なのは、なぜなんですかね。
SUZUKA なんでかがワシらにもわからん。
MIZYU 「オトナブルー」の旋風とは関係なさそうだよね。SNSのフォロワー数の割合が最初から多かった。
KANON 私たちがTikTokをがんばり始めたときから日本よりもメキシコのほうがフォロワーがいたし、スペイン語だらけだった。
MIZYU 昔から知ってそうな人が多いイメージですね。もちろん最近知った人もいると思うんですけど、昔の曲をみんなで大合唱してくれて。
KANON 日本とかアニメとかも好きそうだし、いろんな入り口があるんだろうなって思います。
お米は大事
──各地で熱狂的に受け入れられるばかりで、苦労したことや大変なことは特になかったんですか?
SUZUKA 苦労っていうか、今回のワールドツアーは、スケジュールがみっちりな中で、メンタル面も含めて、健康に乗り越えることができるかが、やっぱり不安ではあったんですよね。でも「楽しみやな」って気持ちがそれ以上に強かったし、なんとかみんなで乗り越えられたのは、1つ自信にはなりました。「これできんねや!」って。
RIN これができるなら、あれもできるってね。
KANON ツアーが始まったとき「これ終わんなくない?」ってみんなで言ってたんだよね。でも、やっぱりライブは楽しいし、力になるし、崩れそうなときも4人で共有して助け合って来れたから、今までもそうだったけど「私たちイケるじゃーん!」みたいな気持ちになりました。
RIN あと、お米は大事です。
MIZYU 炊飯器ねー!
RIN 本当に炊飯器が大事でしたね。ヨーロッパでパン生活が続いて、もう本当に大変な気持ちになって。和食にありつけたときのみんなの……。
KANON 食い付き!
SUZUKA 飢餓状態みたいな感じで。
MIZYU ワカメが輝いてる!
SUZUKA 枝豆うまーい! 枝豆とかさ、日本でどうでもよかったのにな。ひと粒ひと粒が「うぅ!」って。
KANON 金?ってくらい光って見えた。やっぱ和食は体に合うんだなって。
RIN 馴染みのあるごはんって大事だよね。健康でいるうえで。
MIZYU 食とライブと移動に向き合ったツアーでしたね。
海外ファンと日本のファンの違い
──10月のアメリカ・ロサンゼルス公演でワールドツアーが締めくくられ(参照:新しい学校のリーダーズ、世界ツアーに6万5000人動員「AG革命は続いていきます!」)、11月からは7カ所13公演の日本凱旋ツアー「NIPPON Calling Tour 2024」が行われました。どういった意気込みで臨みましたか?
MIZYU 「NIPPON Calling Tour」は、単体で考えるものじゃなくて、2024年の活動の最終地点というか、ワールドツアーから帰ってきた私たちを日本各地に“降臨”させて「ただいま!」って言って回るツアーでした。戦ってきた姿を見てほしいって気持ちが強かったんですけど、とにかく「ただいま!」ですね。そしたら日本にもたくさん待ってくれてる人がいて。日本の中でも土地によって全然雰囲気が違って楽しかったし、やっぱり安心感もあった。2DAYSずつ回ったこともあって、各地でごはんを食べに行ったり、余裕を持って過ごせたツアーでした。
──海外と日本ではオーディエンスにどういう違いがありますか?
SUZUKA 海外はもう完全にカーニバルというか動物園というか、そんな感じでそれぞれが雑草みたいにやりたいように楽しんでる。日本の皆さんは「プチョヘンザ!」って言ったらきれいに手を振るし、すごく一体感があるんですよね。
KANON 本当にSUZUKAの言う通りだなって思いつつ、去年の初めの武道館と「NIPPON Calling Tour」を比べると、なんかちょっと海外要素が……。
SUZUKA カーニバル要素が。
KANON ワールドツアーに来てくれた日本のファンの方も数人はいらっしゃるんですけど、ほとんどは日本にいらした皆様なのに、客席にカーニバル要素が混ざってきていて。
SUZUKA 引っ張られてるのかな? みんなもっと開放的になってるよな。
RIN 海外ツアーは全部撮影OKで、「今回のベルリン公演です」みたいな感じでSNSに動画を上げてくれるファンの人もいたんですよね。そういう発信を見て、日本のみんなも負けてられないっていう気持ちになったのかも。
KANON ウズウズしてたかな。
RIN 海外ファンの盛り上がりを見て、こんなふうに自由に楽しんでいいんだっていう気付きがあって、もっと開放したいって欲求が日本のみんなの中に沸々と溜まってきた中で、ライブを一緒に楽しめたのかなって。
──なるほど、ファンも成長している。
KANON うん、一緒にレベルアップしてる感じですね。
──凱旋ツアー中、KANONさんが怪我をされる場面もありました。
KANON 福岡公演で顔にマイクを強打して、顔面下半身が爆発しました。振り返ると、私は10年間ステージに立っていない時期がなかったので、こんなところで休んでいいのかと思ったし、絶対にステージに立ち続けたいという思いがあって。メンバーやスタッフさんが、その気持ちをも受け止めてくれて、スタイリストさんがマスクを作ってくださったんです。やっぱり全部を100%ではできなかったんですけど、気持ちは100%で、やれるだけのことはやった。ファンの人も喜んでくれたのでステージに出続けてよかったなって思います。ピンチはチャンス!
──ステージで4人の誰かが欠けることは、今まであまりなかったんですか?
SUZUKA RINがいないことあったなあ。
RIN 私はコロナとインフルで2回あります。でも基本的には10年もやってきたのに、こんなにメンバーが欠けないグループはないと思うくらい、何があっても全員でステージに立ってきたよね。
KANON 当たり前みたいにステージに立ってきたけど、当たり前じゃないって身を持って感じたので、それからは「目一杯楽しんでやるんだ」って気持ちと「いつもありがとう」って気持ちでステージに立てましたね。
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メンバーそれぞれの成長