音楽ナタリー Power Push - WANIMA

リスナー巻き込む急成長バンドが今歌う新旧曲

WANIMAが新作CD「Think That...」を8月5日にリリースする。

前作「Can Not Behaved!!」を昨年10月に発表して以降、キャッチーなサウンドと、観客を巻き込むライブスタイルで一気に知名度と人気を上げた彼ら。レコ発ツアーはソールドアウト続出、フェスやイベントでは軒並み入場規制と、その勢いはとどまることを知らない。そんな注目度の高い中で彼らが完成させた今作には、PIZZA OF DEATH RECORDS所属以前に制作したデモCDの収録曲「終わりのはじまり」の再録音源や前作のツアー中に作り上げたという新曲「TRACE」など計4曲が収録されている。彼らの過去と現在が詰まった1枚について、メンバー3人に話を聞いた。

取材・文 / 小林千絵 撮影 / 上山陽介

知らない女の子から声をかけられるようになった

──前作「Can Not Behaved!!」リリース後、バンドを取り巻く環境は大きく変わったと思うんですけど実感はありますか?

松本健太(Vo, B) はい。知らない女の子から声をかけられるようになりました!(笑)

WANIMA

──ははは(笑)。ライブでのお客さんの反応も変わったんじゃないですか?

松本 みんなが曲を知っていてくれるので、音を出した時点で反応してくれる。お客さんが求めてくれてる感じがすごかったですね。

──初の全国流通盤を携えてのツアーはどうでした?

松本 初めて行く土地でも待ってる人がおるっていうのがすごい。信じられなかったです。それと同時に責任も生まれてきて。おちゃらけて「男女が夜にスパーリングする“ワンチャン(ワンチャンスの略)”を狙いにきました!」とか言ってますけど、しっかりせんといかんなと(笑)。

藤原弘樹(Dr, Cho) ははは(笑)。確かにこれまで曖昧にしてた、細かいところまで詰めるようになったよね。

西田光真(G, Cho) 今まで通りのライブじゃダメだなって3人の意識も変わって。成長できたツアーだったんじゃないかなと思います。

──チケットも各地でソールドアウトが続出してましたね。

松本 すごかったです! 先行チケットの応募がすごい数きとって。最初、知り合いがいっぱい応募したんやろうなって思ったけど違った。

──人気はうなぎ上りですが、逆に怖くなったり不安になったりはしないですか?

藤原 怖いっていうよりも、さっき健太も言ってた通り、責任感が伴うようになりました。

松本健太(Vo, B)

松本 お客さんがライブに来る理由が、人気バンドだからじゃなくて、本当にWANIMAが好きやからだといいなって思ってます。

──前作を出す前から付いてたお客さんはどうですか? 人気が出ると昔から応援していたファンが離れてしまうということも、ない話ではないと思うんですが。

藤原 変わらずです。ありがたいですね。

松本 俺らが変わってないんで。写真も撮るし、サインも書きますし。一緒になって遊んだりしますし。これまで地味だった子も、最近タイダイ柄のTシャツとか着て、すぐWANIMAのキッズってわかるんですよね。派手になってきてていいです!(笑)

巻き込み型のライブ

──春から夏にかけてはフェスやイベントに引っ張りだこですね。出演したイベントはどこもほぼ超満員で。入場規制がかかった会場も多かったですし。中でも特に印象的だったイベントはありますか?

藤原 「京都大作戦2015 ~いっ祭 がっ祭 感じな祭!~」は楽しかったですね。

松本 俺と(西田)光真はお客さんとして2回くらい遊びに行ってて。去年は3人で行って。ずっと出たかったんですよね。前の前の彼女と出会ったのも「京都大作戦」やったし(笑)。

──じゃあ出演当日も相当気合いが入ったんじゃないですか?

松本 はい。前の日もホテルで3回くらい3人で集まって、打ち合わせしたりステージの時間計ったりして。本番はお客さんが入りきれんかったりして、すごかったです。

──WANIMAって、ライブでは観た人を巻き込んで一緒に楽しんでいる感じがします。それが急激にファンを増やしている要因の1つだと思うのですが、ライブはどのような考えで挑んでるんですか?

松本 カッコつけてもカッコつかないんですよ。対バン相手とか観ててもすごいなって思うんですよ。カッコイイじゃないですか、みんな。上手やし。でもWANIMAは……。

藤原弘樹(Dr, Cho)

藤原 できないんだよね。

松本 俺らは“音楽好きな凡人”なんですよ。音楽がホントに好きなんですよ、3人とも。もっとカッコつけていいんだよ、とか言われるんですけど、全然できなくて。お客さんに近いですね。でもいつかカッコよくなるかもしれません!(笑)でもやっぱり一緒になって楽しみたいですね。そのために、どうしたらいいかっていうのをスタジオでいっつも考えてますよ。

藤原 やっぱ来てくれたからには楽しんで帰ってもらいたいなと。

──ライブ中には「プーさんよりもくまモン」とか「WANIMA、開催しますー!」とかお決まりのフレーズみたいなものも飛び出します。

松本 今、ほかの言葉も見つけてるんですけど。くまモンも最近人気なくなってきましたし……。日々、機材車の中とか楽屋とかでフザけて話してる中から「それ面白いね!」ってなったフレーズをピックアップしてステージで出してます。

WANIMA「Think That... Tour」
  • 2015年9月1日(火)宮崎県 SR BOX
  • 2015年9月2日(水)鹿児島県 SR HALL
  • 2015年9月5日(土)広島県 ナミキジャンクション
  • 2015年9月6日(日)岡山県 YEBISU YA PRO
  • 2015年9月10日(木)石川県 vanvan V4
  • 2015年9月11日(金)新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE
  • 2015年9月13日(日)宮城県 仙台MACANA
  • 2015年9月23日(水・祝)愛媛県 Wstudio RED
  • 2015年9月25日(金)香川県 高松MONSTER
  • 2015年9月26日(土)大阪府 Music Club JANUS
  • 2015年9月27日(日)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
  • 2015年10月4日(日)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
WANIMA(ワニマ)
WANIMA

熊本出身の松本健太(Vo, B)、西田光真(G, Cho)を中心に2010年初夏に結成されたメロディックパンクバンド。2012年12月に同じく熊本出身の藤原弘樹(Dr, Cho)が加入し、現在の編成となる。Ken YokoyamaやHOTSQUALL、FOUR GET ME A NOTSなどさまざまなバンドのツアーに参加し、各地で知名度を高める。これまでに制作したデモ作品3枚は、現在までに手売りで4000枚を突破。2014年にPIZZA OF DEATHが、レーベルとして初めてマネジメント契約をしたことを発表。同年10月、同レーベルより1stミニアルバム「Can Not Behaved!!」をリリースした。「VIVA LA ROCK 2015」「京都大作戦2015 ~いっ祭 がっ祭 感じな祭!~」といった各地のフェスやイベントに多数出演し、各会場で軒並み入場規制がかかるほどの動員を集める中、8月には4曲入りCD「Think That...」を発表する。