湾岸の羊インタビュー|ロッカーたちが“トラベリング・バス”で全国ツアー、過密スケジュールでも 「自分のことは自分でやる」 (2/3)

ガキの頃に見たロックバンドのように

──初日から最終日までの間、サウンドやパフォーマンスも進化しそうですね。ツアータイトルには「HARD CORE TRAVELING BAND - ROCK'N ROLL JOURNEY」とあります。

HIRØ YouTube Liveで配信した公開ツアーミーティングを観てくれた人がコメント欄に「HARD CORE TRAVELING BAND」と書き込んでくれて、「これいいね」ってタイトルに採用したんです。もちろん書いてくれた人もフラワー・トラベリン・バンドのことを知ってるうえだと思うんですよね。

REDZ ファンの皆さんにはライブまでに“ワクワク度”を上げてもらいたいんですよ。スマホを片手に湾岸の到着を待ち構えてくれていたらうれしいですね。このツアーで俺らのロードムービーを見せながら「本当に車で移動してるんだ、最後まで回り切れるのかな?」「うちの町に湾岸のバスが来た!」と楽しみにしてもらいたい。

──ツアーを前に湾岸の羊のXアカウント(@wangan_official)と、Instagramアカウント(@wangan-sheep)が開設されました。

HIRØ ツアーに向けてREDZとTATSUで毎週ライブ配信をしているんです。リアルタイムでメンバーみんなに電話したり。

REDZ 配信を観てもらったうえでライブ当日に本物の俺たちに会うのって夢があるじゃないですか。あと、若い頃はよくライブに行ってたけど、家庭を持ったり仕事が忙しくなったりして行けなくなった人もウェルカムなんで。ロッカー連中がバス1台で日本中を回って、リアルタイムでその様子を配信するって、日本ではなかなかないですよね。自分がガキの頃に見たロックバンドのカッコよさ、それを体現したいです。

HIRØ ぜひお見逃しなく。

長渕剛から学んだこと

──ここからはメンバー紹介を兼ねてお互いについて語り合っていただきたいです。まずはCHARGEEEEEE...さんについて。

REDZ CHARGEEEEEE...のドラムソロはピカイチ。あのツーバスでドラムを叩き出すと、俺らもアドレナリンが出てくるんです。

TATSU あと、この前の「歌舞伎町アンプラグド」でカホンを叩いてる姿もカッコよくて、アコースティックギターを弾きながら気持ちいいなと思った。すごくロックだったね。

CHARGEEEEEE... うれしいです。今お二人が言ってくれたのは僕の“静”と“動”の部分ですよね。湾岸でHIRØさんと出会ったことで長渕剛さんにも会うことができて、長渕さんから“静”の表現も学ばせてもらいました。もともと僕のドラム人生はもう“スーパー動”なんですけど、そこに“静”がしっかりあることで動がさらに爆発的に見えることをすごく学びました。そうやって身に付いたことを、湾岸の羊の活動に還元できてると思う。HIRØさんの歌にも静と動を感じますよね。僕は楽器隊に対して「音がでかいっすよ」とかチューニングについて口酸っぱく言うんです。それをできたほうが湾岸の羊が作る音の意図や、HIRØさんのリリックのよさがもっと伝わると思うから。

CHARGEEEEEE...(Dr)

CHARGEEEEEE...(Dr)

ONODUB アンプラグドのときにも思ったんですけど、フィルインの静から動に切り替わるところの音とパフォーマンスがすごいです。HIRØさんのボーカルが入るまでの滑走路的な躍動感が半端なくて。

CHARGEEEEEE... 今回のツアー、カホンも積んでいこうかな。

HIRØ 曲を全部やりきってそれでもアンコールを求められたときは、アンプラグドをやるのもありだよね。

Ryo-Ta 根本的に人を楽しませるのが大好きな人なので、その人間性がライブにもめちゃめちゃ出る。音でも目でも惹きつけるところが、ずば抜けた魅力ですね。

TATSU 前に出てきてマイク1本でステージに立っても一流のレベルまで行くもんね? イギー・ポップに見えてびっくりしちゃった。

HIRØ 唯一無二だね。CHARGEEEEEE...がこれだけ魅力的なのは、影でかなり練習しているからだと思うんです。プロフェッショナルとしての意識がメンバーの中で一番高い。プロのロッカーですよ。

ライブハウスとスタジオと工事現場を行き来する男

──続いて、ベースのRyo-Taさん。

HIRØ 普段いろんな映像や写真をチェックするんですけど、Ryo-Taはどこを切り取っても絵になる。捨てカットがないもん。

REDZ 天性の才能を持ってるよね。

HIRØ それでいて、今もライブハウスとスタジオと工事現場を行き来するカッコよさ。素晴らしいよね。

REDZ Ryo-Ta、顔がかわいいんですよ。イケメンだしね。

CHARGEEEEEE... あれっ、ツアー中のホテルまずいんじゃない?

Ryo-Ta REDZさんから一番遠い部屋にしてもらっていいすか?(笑)

HIRØ とにかくRyo-Taから目が離せない。

──マニュピレーターとしてツアーに参加するONODUBさんについてはいかがですか?

Ryo-Ta ライブ中、何かあったらリズム隊でアイコンタクトをとるんですけど、要望を伝えれば100%応えてくれるし、さらにプラスにして返してくれる。職人だなと感じます。それも痒いところに手が届くレベルじゃなく、痒くなる前にやってくれてる。

Ryo-Ta(B)

Ryo-Ta(B)

HIRØ アンプラグドのときはすごく幻想的な音を出してくれたよね。

CHARGEEEEEE... ONODUBさん、曲の解釈の仕方が自分とほとんど同じなんです。彼を信頼しているからこそ、気持ちよくドラムを叩けていることがすごく幸せです。最高の男ですね。

ONODUB レコーディング中から顔を見ながら制作も進めるほうがうまくいっていたので、そのときのアイコンタクトの癖が生きてるのかもしれないです。

TATSU 湾岸の音を全部分かり尽くしてるので、ステージでもいいバイブスをすごく感じる。

HIRØ とにかく人間性が素晴らしい。