湾岸の羊インタビュー|ロッカーたちが“トラベリング・バス”で全国ツアー、過密スケジュールでも 「自分のことは自分でやる」 (3/3)

一発で空気を変える音

──TATSUさんはどんな人ですか?

HIRØ パンクのリビングレジェンドですね。

Ryo-Ta 先輩ですけど、呼び捨てできちゃうぐらい遠い存在。

CHARGEEEEEE... 一発、ジャーンと音を出せば空気が変わります。

REDZ ロックだよね。

ONODUB 自分はヒップホップつながりの友達が多いんですけど、「今、TATSUさんと一緒に音楽やってるの?」ってたくさん連絡がきて。TATSUさんがどれだけすごい人なのか実感します。

──TATSUさんと同じくギターのREDZさんはいかがでしょう。

Ryo-Ta 今回のツアーは24カ所ありますけど、たぶん1日として同じパフォーマンスをしないと思います。

CHARGEEEEEE... 歌も半端ないし、ギターも行き切っちゃってる。

TATSU そう、REDZのギターはマネできない。いい味出してるんですよ。

TATSU(G)

TATSU(G)

HIRØ REDZのギター、ライブだとガンガン鳴ってるなと思うけど、録音して聴くとすげえメロディアスで、歌ってるみたいなんだよね。哀愁も感じる。

CHARGEEEEEE... 人間性が音から全部伝わってくる。優しい面から狂気的な部分まで全部出てる。

REDZ まあね。REDZだからね。

TATSU 「REDZだからね」(笑)。

Ryo-Ta あとはREDZさんの引き締まった体も見どころっすね。

REDZ 9月までバキバキに絞っていかないと(笑)。

楽しくロックをやれてるのはHIRØのおかげ

──最後にメインボーカルのHIRØさん。

CHARGEEEEEE... HIRØさんは尋常じゃないです。発想力、行動力……すべてにおいてスケールがでかい。毎回“こんなん無理でしょ”みたいなことを現実に持っていける。みんながHIRØさんを慕うところはそこだと思いますね。

REDZ 僕は20代後半からずっと一緒にいて、いろいろ楽しませてもらっています。“向こう側”の景色を見せてくれる男だね。

ONODUB 自分じゃ踏み込めない世界に連れて行ってくれる人ですよね。

Ryo-Ta ジャンルも年齢も関係ない。何に対しても垣根がないんです。

TATSU 頭がよくて努力家で、とにかく優しい。僕が今こうしてみんなと楽しくロックをやれてるのはHIRØのおかげかもしれない。

REDZ いい意味で遊びをすごく知ってる男。俺も目からウロコで「こんなやついるんだ」と思って。俺の中では常にストリートカルチャーの中心にいるような存在。いまだに彼の横で一緒にやれていることが誇りですね。

REDZ(Vo, G)

REDZ(Vo, G)

HIRØ このメンバーだから僕は夢を実現できてるんだと思います。

──個性豊かなメンバーが集ったのもHIRØさんの人望があるからこそだと、側から見ていても強く感じます。

HIRØ この間のロックの日(6月9日)、渋谷駅の地下公道に巨大な内田裕也のポスターが貼られてましたよね。先輩たちは死してもずっと「お前ら、ロックしてるか?」と見張ってますよ。見守ってるんじゃなくて(笑)。だから、もっとがんばらないといけませんね。

みんなで作る伝説

──先ほど、今回のツアーではカメラを回したいというお話もありましたね。

HIRØ 90年代にPanteraがビデオを出していたんですよ(「Cowboys From Hell - The Videos」「Vulgar Video」「3 Watch It Go」)。いろんなライブ会場で観客が「ウォー」って叫んでる映像。場所や時代は変われど、僕たちもツアー中は信頼するカメラマンのダルクがずっとビデオカメラを回してるんで、ダルクを見かけたらカメラに向かってアピールしてください。全国のみんなと最高の映像を作りたいです。

──撮影した映像をどのように発表するか決まっていますか?

HIRØ 言っちゃっていいですか? ロードムービーとして、できれば“大きいところ”で皆さんと観たいですね。あと、今回24公演の半分はワンマン、半分は対バンなんですけど、俺らにとって対バンはガチの勝負。各地のバンドと競い合えることもすごく楽しみにしています。絶対向こうは「この野郎、食ってやるぞ」という気持ちで来るでしょうから、思いっきり勝負したいです。で、TATSUは「各地のおいしいものを食べたい」と言ってるので、お客さんから「うちの地元だったらこれがおいしいよ」と教えてもらいたいですね。

TATSU せっかく全国の人と会えるんだから、いろいろ話したいですね。ハプニングも楽しみたいですし。

HIRØ 僕は個人的に、アルバムの制作もライブもすべて“遺作”だと思って取り組んでるんです。ツアーもこれが最後だと思っているので、次のツアーについては今はまったく考えられない。さっきCHARGEEEEEE...から長渕さんの話が出たじゃないですか。僕、2015年に長渕さんが富士山麓でやったオールナイトライブを観に行ったんですよ。あの日、絶対に太陽は出ないという天気予報だったのに、長渕さんが夜通し「絶対朝日を引きずり出すぞ」と言ってたら本当に晴れたんです。「みんなで願えば太陽が出てくれるんだ」と教わりましたね。規模は違えど、まさに伝説というのはみんなで作り上げていくものなんだなって。

HIRØ(MC)

HIRØ(MC)

REDZ 湾岸のツアーでも、みんなで伝説を作ろうよと。

HIRØ ファイナルでは昨年のキネマ倶楽部公演のような演出を考えていますから。

──10月19日の東京・クラブeX公演は特別なものになるということですか。

HIRØ はい。クラブeXでは湾岸のMVに近い世界観を再現したいと思ってるので、ツアーの終わりには、ぜひみんな東京に集合してもらえたらうれしいです。

ライブ情報

湾岸の羊~Sheep living on the edge~ RISING SUN TOUR 2024 -HARD CORE TRAVELING BAND-ROCK'N ROLL JOURNEY

  • 2024年9月8日(日)神奈川県 Thunder Snake ATSUGI
  • 2024年9月9日(月)静岡県 Sunash
  • 2024年9月10日(火)三重県 club chaos
  • 2024年9月12日(木)愛知県 HOLIDAY NEXT NAGOYA
  • 2024年9月14日(土)岡山県 DESPERADO
  • 2024年9月15日(日)鳥取県 米子AZTiC laughs
  • 2024年9月16日(月)京都府 京都ARCDEUX
  • 2024年9月19日(木)北海道 Crazy Monkey
  • 2024年9月21日(土)宮城県 ROCKATERIA
  • 2024年9月22日(日)福島県 郡山CLUB #9
  • 2024年9月23日(月)新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE
  • 2024年9月25日(水)広島県 広島セカンド・クラッチ
  • 2024年9月27日(金)福岡県 LIVE HOUSE CB
  • 2024年9月28日(土)熊本県 Django
  • 2024年9月29日(日)鹿児島県 Speed King
  • 2024年10月1日(火)香川県 DIME
  • 2024年10月2日(水)兵庫県 チキンジョージ
  • 2024年10月4日(金)大阪府 梅田Zeela
  • 2024年10月6日(日)岩手県 Club Change WAVE
  • 2024年10月7日(月)青森県 青森Quarter
  • 2024年10月8日(火)秋田県 Club SWINDLE
  • 2024年10月10日(木)長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
  • 2024年10月11日(金)石川県 vanvanV4
  • 2024年10月19日(土)東京都 クラブeX

チケットはこちら|湾岸の羊 オフィシャル

プロフィール

湾岸の羊~Sheep living on the edge~(ワンガンノヒツジ)

HIRØ(MC / カイキゲッショク、ex. RISING SUN)、TATSU(G / GASTUNK)、REDZ(Vo, G / AURA)、CHARGEEEEEE...(Dr / Omega Dripp、カイキゲッショク)、Ryo-Ta(B / Omega Dripp、蟲の息)からなる“都会派ハードコア・ロックバンド”。2015年より数々の実験的ギグを行い、2023年7月に1stアルバム「2020 Rising Sun」をリリースした。2024年9月からは初の全国ツアー「湾岸の羊~Sheep living on the edge~ RISING SUN TOUR 2024 -HARD CORE TRAVELING BAND-ROCK'N ROLL JOURNEY」を行う。