殺陣は自然と出てきたアイデア

──ミュージックビデオを観たら殺陣が本格的で驚きました。男性陣がいろんな武器を手に、迫力のある戦闘シーンを繰り広げていて。そもそもなんでこの表現方法に？

鈴華　アイデア自体は自然と出てきたって感じだったよね？ 剣道有段者の町屋さんが傘を振り回す姿がカッコよくて、以前から「こんな見せ方もできるね」って話を以前からしていて。

黒流　和楽器バンドとしていつか「やりたいな」って思っていたことの1つだったんです。それが今回「戦国無双」の「戦う」っていう部分とリンクして、やる機会を得たと。思ったよりも早く実現しましたね。

いぶくろ　それに前回（1stミュージックビデオ「華火」）の映像ではCGを合成して使ってたので、今度はまったく違うアプローチで新しいものを作ろうとも思ってましたね。

鈴華　もともと監督さんから用意されたものをただ使うんじゃなくて、キャラに合わせて自分たちで武器も選んでるんです。

町屋　最初の設定だと俺の武器は鎖鎌だったよね。

いぶくろ　でも町屋さんは剣道有段者だから経験を生かすってことで刀にしたんですよね。僕のほうに鎖鎌が回ってきた。

山葵（Dr）　いぶくろさんなんて最初は琴の糸を使って戦うっていう（笑）。

いぶくろ　そうそう、「糸とか無理です！」って（笑）。

黒流　糸で攻撃って、「必殺仕事人」みたいだね。

鈴華　しかも戦う相手の大ちゃんは尺八で、「尺八 VS. 糸」になっちゃう（笑）。

山葵　それなんかもうただのケンカですよね（笑）。

いぶくろ　鉄製の鎖鎌になって一気に攻撃力が上がりました。

山葵　最初は本当に力加減がわからなかった。僕が刀をバーンと振り下ろしたら、それを槍で受け止める黒流さんが「手首折れそうだからもうちょっと手加減して！」って泣きついてきたし。

黒流　実は撮影で槍が1本折れちゃいました。僕ら芝居経験がないので、みんな演技じゃなくて本当に斬りにいかなきゃって思ってたんです。そうしないと雰囲気が出ないから。

鈴華　うん。本気でやるからこその必死な表情が出てた。

ギターがないと演歌になっちゃう

──もう1つの新曲「なでしこ桜」についてもお聞きしたいのですが、この曲もアニメ「戦国無双」のタイアップで、こちらはエンディングテーマに使われています。

鈴華　はい。「なでしこ桜」は、女心をくノ一の目線で歌詞にした曲です。亜沙くんが作ったオープニングテーマの「戦-ikusa-」を聴いて、その上で対照的な組み合わせになるようにバラードを書きました。「このオープニングならエンディングはどうなる？」ってイメージして。

亜沙　わかりやすいよね。速い曲と遅い曲のペアっていう。

──バンドのオリジナル曲としては初めてのバラードナンバーになるんですよね？

鈴華　はい。でもバラードといっても重いロックテイストにしたいっていうのがあって。町屋さんのギターがゴリゴリ入ってくる曲になってます。

──それはどうして？

町屋　楽曲の特性というか僕たちの編成上、バラードの曲でもギターをゴリゴリ入れないと演歌になっちゃうんです。

鈴華　うん。それに今回の曲はメロディも和っぽく作っているので、そこに私がコブシを入れてしまうと本当に演歌っぽくなるんですよね。