UNISON SQUARE GARDEN|いい曲だけを無責任に、多彩なサウンドが示す2018年の3人のモード

UNISON SQUARE GARDENが1月24日に7thアルバム「MODE MOOD MODE」をリリースする。配信シングル「Silent Libre Mirage」、シングル「10% roll, 10% romance」「Invisible Sensation」「fake town baby」を含む本作は、ポップに振り切ったアッパーチューンや壮大なオーケストラを取り入れた楽曲からスカ、ロカビリーの要素を取り入れたナンバーまで、UNISON SQUARE GARDENの幅広い音楽性がたっぷり体感できる刺激的な作品に仕上がっている。

音楽ナタリーでは、メンバーの斎藤宏介(Vo, G)、田淵智也(B)、鈴木貴雄(Dr)に本作にまつわるインタビューを実施。アルバム発売日まで収録内容の詳細を伏せるという施策により、ベールに包まれた本作についてじっくりと語ってもらった。なお今回のインタビュー内では各曲のタイトルや曲順を伏せるため、収録曲について仮称を用いている。それぞれの曲がどんなタイトルで何曲目に収録されているのか、3人のトークからも予想してもらいたい。

取材・文 / 森朋之 撮影 / 神藤剛

「Dr.Izzy」の先は無責任にいろんなことをやれる

──1月24日に7thアルバム「MODE MOOD MODE」がリリースされます。2017年の配信シングル「Silent Libre Mirage」、シングル「10% roll, 10% romance」「Invisible Sensation」「fake town baby」をはじめ、個性的な楽曲がそろっていますが、まずはこのアルバムに対する手応えを教えてもらえますか?

斎藤宏介(Vo, G)

斎藤宏介(Vo, G) 正直言って、僕は全然「アルバムが完成した」という状況に追い付いていないですね。ツアー(UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2017-2018「One roll, One romance」)の最中もレコーディングをやっていたし、常に何かをやりながらの制作が続いていたので、一生懸命に楽曲とバンドに向き合っていただけと言うか。そうやって駆け抜ける中で12曲そろったわけですけど、アルバム全体がどうなっているかは、まだ見えてないです。リリースされて、ある程度の反響をいただいたときに、ようやく整理できるんだろうと思います。

鈴木貴雄(Dr) いつも通り、いい曲がたくさんできたなという感じですね。アルバムのたびに少しずつ違うところはあるんだけど、特に変わったことをやっているわけではないし、それよりも田淵が曲を作ること、宏介が歌うことでUNISON SQUARE GARDENの曲になるということが大事なので。ジャンルだったり、音楽の型はどうでもいいんですよね。

田淵智也(B) 前作の「Dr.Izzy」のツアーをやってるときから、次のアルバムの構想と曲順をずっと考えていて。ツアー中に曲ができて「こっちのほうがいいな」と思って収録曲を入れ替えたり、急遽シングルをリリースすることになったり、イレギュラーなことに振り回されながらも、なんとか着地させることができたという感じですね。ギリギリまで悩んで気を張っていたので、ようやくアルバムとして収まってホッとしてます。

──アルバムの全体像も、制作しながらまとめていったんでしょうか?

田淵 そうですね。「Dr.Izzy」は「僕らはこれ以上のことをやりません」というところを見せられたアルバムだと思ってるんです。特別に意識を高く持っているわけではなく、「カッコいいと思う曲を作って、ライブをやるだけです」という。だからその先は、無責任にいろんなことをやれると思っていて。

鈴木 うん。

田淵 「Dr.Izzy」を聴いて「やはりUNISON SQUARE GARDENは俺たちのロックバンドだ」と感じてくれた人もいると思うので、今回のアルバムは「何をやってくれちゃってんだよ!?」という無責任なこともやりたかったんです。「Dr.Izzy」のときは意図的に外していたポップな曲も入ってますからね。オーケストラを取り入れた曲がそうなんですけど。

──オーケストラ曲、確かにめちゃくちゃポップですよね。

田淵智也(B)

田淵 これは5年くらい前からあって、隠し玉として取っておいた曲なんです。もともとはシングルにしようと思ってたんですけど、そろそろ時間切れと言うか(笑)、このタイミングでアルバムに入れるのが一番いいなと。アルバムをパッと聴いたときに、まずはこの曲に目が行くようにしたかったんですよね。もう1つ、ホーンを取り入れた曲ができたときに「この2曲を軸にすれば、『Dr.Izzy』とは違うイメージのアルバムになるな」と。

──なるほど。楽曲ごとに違った驚きがあるし、それぞれクオリティが本当に高くて。シングルのカップリング曲を入れると2017年に20曲以上制作しているわけですが、この質と量のバランスはすごいですよね。

田淵 まあ、よくない曲は完成まで至らないので。完成した曲はすべていい曲だと思っているし、2017年はなんとか20数曲分、耐えられたということですね。

斎藤 レコーディングにさらに慣れてきたということもあると思います。ギターの音作り、歌い方もそうなんですけど、以前は自分でやっていることと完成したCDを聴いたときの差がけっこうあったんですよ。それがいい方向に作用することもあったんだけど、その差が少ないほうが自分の気持ちは落ち着くし、今回はそれができたんじゃないかなと。1年間を通してライブとレコーディングをずっと続けていたし、ギュッと中身が詰まった充実した時期だったからこそ、それができたんだと思います。アルバムのレコーディングにも、研ぎ澄まされた状態で臨めたので。

──演奏の質も確実に上がっていて。

鈴木 うん、ちょっとずつ上がっていると思います。ただ、そのことに対して特に語るべきことはないんですよ。続けていれば少しずつうまくなるのは当たり前だし、技術で売っているバンドでもないので。バンドにとって大事なのは、そこではないですからね。うまいから売れるわけではなくて、僕らが評価されているのは曲のよさだったり、宏介の歌の独特さ、バンド全体の華みたいなものが大きいので。

UNISON SQUARE GARDEN
「MODE MOOD MODE」
2018年1月24日発売 / TOY'S FACTORY
UNISON SQUARE GARDEN「MODE MOOD MODE」初回限定盤A

初回限定盤A [CD+Blu-ray]

初回限定盤B [CD+DVD]

通常盤 [CD]

ライブ情報

UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2017-2018「One roll, One romance」(※終了分は割愛)

2018年1月28日(日)千葉県 幕張メッセ国際展示場

UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2018「MODE MOOD MODE」
  • 2018年4月13日(金)千葉県 市川市文化会館
  • 2018年4月15日(日)栃木県 宇都宮市文化会館
  • 2018年4月18日(水)東京都 NHKホール
  • 2018年4月19日(木)東京都 NHKホール
  • 2018年4月22日(日)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
  • 2018年4月29日(日・祝)岡山県 岡山市民会館
  • 2018年5月1日(火)大阪府 フェスティバルホール
  • 2018年5月2日(水)大阪府 フェスティバルホール
  • 2018年5月6日(日)岐阜県 長良川国際会議場
  • 2018年5月11日(金)広島県 上野学園ホール
  • 2018年5月13日(日)福岡県 福岡市民会館
  • 2018年5月18日(金)香川県 サンポートホール高松
  • 2018年5月20日(日)高知県 高知市文化プラザ かるぽーと
  • 2018年6月9日(土)群馬県 群馬音楽センター
  • 2018年6月10日(日)宮城県 仙台サンプラザホール
  • 2018年6月13日(水)神奈川県 横浜アリーナ
  • 2018年6月16日(土)北海道 ニトリ文化ホール
  • 2018年6月23日(土)石川県 本多の森ホール
  • 2018年6月24日(日)新潟県 新潟テルサ
  • 2018年6月29日(金)埼玉県 大宮ソニックシティ
  • 2018年7月7日(土)静岡県 富士市文化会館ロゼシアター
  • 2018年7月31日(火)大阪府 大阪城ホール
  • 2018年10月11日(木)北海道 CASINO DRIVE
  • 2018年10月12日(金)北海道 帯広MEGA STONE
  • 2018年10月14日(日)青森県 青森Quarter
  • 2018年10月16日(火)山形県 山形ミュージック昭和Session
  • 2018年10月17日(水)福島県 郡山HIP SHOT JAPAN
  • 2018年10月23日(火)富山県 MAIRO
  • 2018年10月24日(水)長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
  • 2018年10月28日(日)宮崎県 MIYAZAKI WEATHERKING
  • 2018年10月30日(火)山口県 周南RISING HALL
  • 2018年11月1日(木)京都府 KBSホール
UNISON SQUARE GARDEN(ユニゾンスクエアガーデン)
UNISON SQUARE GARDEN
斎藤宏介(Vo, G)、田淵智也(B)、鈴木貴雄(Dr)からなる3ピースロックバンド。2004年7月に結成され、都内を中心に活動を開始する。2006年8月に1stミニアルバム「新世界ノート」をリリースし、ライブハウスおよび下北沢ハイラインレコーズのみの販売で1000枚を完売。2007年にはメンバー主催のイベントをスタートさせ、同年12月には初の単独ライブを成功させる。2008年7月にシングル「センチメンタルピリオド」でメジャーデビュー。アニメ「TIGER & BUNNY」のオープニングテーマとして制作した2011年5月リリースのシングル「オリオンをなぞる」で広く注目を集める。全国各地の音楽フェスやライブイベントにも精力的に出演し、NHKホールなど大規模な単独公演にも注力。2015年5月にアニメ「血界戦線」のエンディングテーマ「シュガーソングとビターステップ」をシングルリリースし、同年7月にはバンド結成10周年を記念したアルバム「DUGOUT ACCIDENT」を発表した。2016年1月、バンド史上初の東京・日本武道館でのワンマンライブの模様を収めたライブDVD「UNISON SQUARE GARDEN LIVE SPECIAL "fun time 724" at Nippon Budokan 2015.7.24」をリリース。7月に約2年ぶりとなるフルアルバム「Dr.Izzy」を発表した。2017年2月に配信シングル「Silent Libre Mirage」、8月にシングル「10% roll, 10% romance」、そして11月にはシングル「Invisible Sensation」「fake town baby」を2週連続でリリース。2018年1月24日に7枚目のアルバム「MODE MOOD MODE」、3月7日にニューシングル「春が来てぼくら」を発売し、4月より全国ツアーを行う。