音楽ナタリー Power Push - 植田真梨恵

切なくも温かい「夢のパレード」

植田真梨恵が6thシングル「夢のパレード」を10月12日にリリースする。

前作「ふれたら消えてしまう」から3カ月という短いスパンで発表される「夢のパレード」は、疾走感のあるギターと切ないメロディが胸を打つポップチューン。7月に東京・赤坂BLITZで行われたワンマンライブで初披露され、ライブ後、彼女は自身のブログで「歌いながら泣きそうになる曲です。初披露で泣いたらかっこわるいので泣きませんでした」とつづっている。この曲ができた経緯について、彼女に語ってもらった。

取材・文 / 丸澤嘉明 撮影 / moco.(kilioffice)

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悪夢のようなライブの始まり

──7月に東京・赤坂BLITZで行われたワンマンライブ、趣向を凝らしたステージで楽しかったです(参照:植田真梨恵、すべてを出し切った初の赤坂BLITZワンマン)。

一夜限りのライブだったので、誰も想像ができないような、私自身も半分どうなるのかわからないような、そういうライブがやりたいなと思って。みんな胸をワクワクさせながらライブが始まるのを待ってくれていたと思うんですけど、最初から悪夢が(笑)。

──不穏なSEに乗せてバンドメンバーがガスマスクをつけて登場。植田さん不在のまま演奏がスタートし、その後ステージに置かれた箱の中から植田さんが歌いながら登場するという演出でしたね。

植田真梨恵

「悪夢が襲ってきた!」みたいな始まりを意識しました(笑)。私も箱の中から歌う経験は生まれて初めてだったので、半分不安で。そのほかにもいろいろ作り込んでいた分、何かトラブルが起きたらどうしようってドキドキでしたが、これまでとまったく違った新しいライブになったし、面白かったという声もたくさんいただけたのでよかったです。

──そのアンコールで「夢のパレード」を初披露されていましたよね。“悪夢”のようにライブがスタートし、途中のMCで植田さんが「素敵な夢を見ましょう」と言っていたようにしゃぼん玉や風船などの楽しげな演出もあり、そして最後に「夢のパレード」というタイトルの新曲をお披露目ということで、ライブを通して何か1本つながった印象を受けました。

知らず知らずのうちにいろんなワードがつながってくるっていうのは、制作をしている中でちょこちょこ起きるんですよね。

──特に意図していたわけではないんですか?

半分半分ですね。夢っていう言葉がもともと好きで、今回ちょうどそこにピントが合った感じです。そこまで意図していなかったことが最終的にリンクしてくるっていうのは時折あるんですけど、何かに導かれてる感じがして私自身うれしいですね。

できあがった時点で泣いていた

──「夢のパレード」ですが、とてもいい曲だと思いました。すごくキャッチーで、ライブが終わったあとに思わず口ずさんじゃうくらい。

本当ですか!? すごいですね。

──いやいや。音数が少なくてシンプルなメロディだったので。この曲はどうやってできたんですか?

「ふれたら消えてしまう」ができてから少し経って、新しく曲を書きたいなと思っていた時期にできました。なるべくポップでキャッチーな曲ができますようにっていう思いは常に心のどこかにあるんですけど、いきなりそういうものを生むのは難しくて。なので、いつも自分の心の中の狭い範囲のことを書き留めるように1、2曲作るんですね。そうやってウオーミングアップみたいな感覚で書き始めたときに最初にできたのが「夢のパレード」でした。

──この曲のメロディが浮かんだとき、「ポップでキャッチーな曲ができた!」ってテンション上がりませんでした?

うーん、テンションが上がったというか、むしろできあがった時点で私泣いていたんですよね。この曲が生まれた経緯としては、それこそ悪夢のようなネガティブな出来事とか、子供の頃の嫌な記憶がきっかけになっているんですね。成長して大人になっても嫌なことには直面するわけで。でも生きていたら温かさを感じることもありますよね。この「夢のパレード」には私の揺れ動く感情がそのまま乗っかっていて、嫌なことと温かいことを同時に思い出すような……。

──言いにくいかもしれませんが、ネガティブなことっていうのは具体的にはどのような?

植田真梨恵

ネガティブとひと言で言うと難しいけど、個人的には2016年の上半期はプライベートがいろいろと変わったタイミングで。今まで通りだったものが全然ない状況になって、自分のいるべき場所だったり帰る場所だったりが変化する時期だったんですよね。それで、世間に対して私っていうのはたった1人で立っているんだということを再認識して。しんどいときに弱みを見せる相手っているじゃないですか。もちろんそれも大切なんですけど、そこに甘えきってはいけないな、1人で立って人と向き合うことが大事だなっていうことを改めて感じましたね。

──そういう経験があったから生まれた曲であると。

はい。いろいろ激変する中で音楽にかける情熱だけは変わらず私の中心にあったというか。まあ、曲ができたってことで私の中ではネガティブなこともポジティブなこととして変わっていくんですけど。

ニューシングル「夢のパレード」 / 2016年10月12日発売 / GIZA Studio
初回限定盤 [CD+DVD] / 2000円 / GZCA-4148
通常盤 [CD] / 1296円 / GZCA-4149
CD収録曲
  1. 夢のパレード
  2. サイハロー -autumn ver.-
  3. 210号線
  4. 夢のパレード -off vo.-
  5. 210号線 -off vo.-
初回限定盤DVD収録内容
  • 「夢のパレード」LIVE MOVIE 7.23 赤坂BLITZ / 植田真梨恵SPECIAL LIVE “PALPABLE! BUBBLE! LIVE! -SUMMER 2016-”
  • 植田真梨恵のまわりくるめロケ -UTAUTAU vol.2おまけ集-
植田真梨恵「夢のパレード」リリースイベント
  • 2016年10月11日(火)大阪府 TSUTAYA EBISUBASHI 6Fイベントスペース
  • 2016年10月12日(水)福岡県 キャナルシティ博多 スターコート
  • 2016年10月13日(木)東京都 ダイバーシティ東京プラザ フェスティバル広場
  • 2016年10月14日(金)愛知県 タワーレコード名古屋パルコ店 西館1F特設ステージ
  • 2016年10月15日(土)兵庫県 阪急西宮ガーデンズ スカイガーデン 木の葉のステージ
  • 2016年10月15日(土)大阪府 あべのHoop 1Fオープンエアプラザ
  • 2016年10月16日(日)埼玉県 イオンレイクタウンmori 1F 木の広場
  • 2016年10月16日(日)東京都 タワーレコード新宿店 7Fイベントスペース
  • 2016年10月22日(土)宮城県 銀座山野楽器仙台店 1F特設ステージ
  • 2016年10月23日(日)北海道 タワーレコード札幌ピヴォ店
  • 2016年10月31日(月)広島県 広島駅南口地下広場
  • 2016年11月1日(火)岡山県 イオンモール岡山 未来スクエア
  • 2016年11月3日(木・祝)香川県 タワーレコード高松丸亀町店 グリーン広場1階けやき広場
  • 2016年11月5日(土)愛媛県 エミフルMASAKI
  • 2016年11月21日(月)熊本県 蔦屋書店 熊本三年坂 三年坂モリコーネテラス
  • 2016年11月26日(土)新潟県 イオンモール新潟南
  • 2016年11月27日(日)石川県 TSUTAYA金沢店
植田真梨恵2017年バンドライブツアー
  • 2017年1月13日(金)東京都 TSUTAYA O-EAST
  • 2017年1月15日(日)宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
  • 2017年1月22日(日)北海道 COLONY
  • 2017年1月29日(日)香川県 高松MONSTER
  • 2017年2月4日(土)愛知県 ElectricLadyLand
  • 2017年2月5日(日)広島県 CAVE-BE
  • 2017年2月11日(土・祝)熊本県 熊本B.9 V2
  • 2017年2月12日(日)福岡県 イムズホール
  • 2017年2月18日(土)大阪府 ユニバース
植田真梨恵(ウエダマリエ)

1990年生まれ、福岡県出身のシンガーソングライター。中学卒業を機に単身大阪へ移住し音楽活動をスタートさせる。2008年に1stミニアルバム「退屈なコッペリア」をリリースし、以降コンスタントに作品を発表しながらライブ活動を続ける。2012年に初のフルアルバム「センチメンタルなリズム」発売後、東京と大阪でワンマンライブを開催。2014年1月には東阪のCLUB QUATTROでワンマンライブを成功させ、同年8月にシングル「彼に守ってほしい10のこと」でメジャーデビューを果たす。2015年2月にメジャー1stアルバム「はなしはそれからだ」を発表し、東名阪と地元・福岡を回るツアーを実施した。2016年10月にメジャー6枚目となるシングル「夢のパレード」をリリース。