TRI4TH「jack-in-the-box」 PR

TRI4TH|踊って、叫んで、歌って 新たな進化を聴かせるメジャー2ndアルバム

TRI4THがメジャー2枚目となるアルバム「jack-in-the-box」を7月10日にリリースした。

TRI4THは、昨年の秋に発表した前作「ANTHOLOGY」でメジャーデビューを果たし、「踊れるジャズ、叫べるジャズ」をモットーにフェスやワンマンツアーで全国各地を転戦してきた。その収穫を大いに反映させた今作では、よりポップでキャッチーなTRI4TH流のジャズが確立されている。

このタイミングに音楽ナタリーではメンバー全員にインタビューを実施。メジャーデビュー以降の変化や今作のレコーディングの様子を語ってもらった。特にインタビュー終盤の発言では、彼らが音楽とライブにかける熱い思いが、まっすぐな言葉で語られている。ぜひ一読いただきたい。

取材・文 / 内田正樹

よりキャッチーに、よりポップに

──新作「jack-in-the-box」は、書き下ろし11曲とカバー1曲による全12曲という構成です。

伊藤隆郎(Dr) 前作の「ANTHOLOGY」は、メジャーデビュー時までのレパートリーから、自分たちがベストと思える曲を再録した言わば名刺代わりの作品でした。一方、今回はカバー以外がすべて書き下ろしのうえに、メンバーそれぞれがたくさんの新たな挑戦をしています。新曲を集めたフルアルバムという意味では、デビュー作のような新鮮味を持ったアルバムとも言えるんじゃないかと。

伊藤隆郎(Dr)

──メジャーデビュー後、周囲の反応や環境の変化などはありましたか?

藤田淳之介(Sax) 自分の周囲の反響は大きかったですね。しばらく連絡を取り合っていなかった友達や知り合いから連絡があって。正直、僕らを昔から知る人の中には、「ジャズ? そんなもの売れねえよ」と言う人もいたんですよ。そういう声に対して「ちくしょう」と思っていた時期もあったので、まずはそこを一段乗り越えられたという気持ちがありました。

関谷友貴(B) 楽器や機材周りのエンドースメントの面でも、自分が高校生の頃から使っていた機材や、何十万もする憧れの存在だった機材を「使ってみませんか?」と言っていただけるようになって。よりよい音色をリスナーに届ける下地が徐々にでき始めているのも、本当にありがたい話です。

竹内大輔(Piano) 前回のナタリーのインタビューで話していた、「来年はロックフェスに出たい」という目標も形にすることができました(参照:TRI4TH「ANTHOLOGY」インタビュー)。メディアへの露出が増えたことも影響していると思うし、活動の範囲は広がってきましたね。それは自分たちの音楽性にも確実に反映されていると思います。

織田祐亮(Tp) 関わってくださる方の数も、新たにできることもぐっと増えました。たくさんのフェスやイベントにも出させてもらえるようになったし。あと、初めてご近所さんに声をかけられました。「サマソニ出演、おめでとう!」って。あれはかなりうれしかった(笑)。

──「jack-in-the-box」は「びっくり箱」という意味ですが、このタイトルを付けた意図は?

伊藤 あと付けだったんですが、すべての曲が出そろったとき、たくさんの新しいチャレンジとバラエティ感から、遊園地やジェットコースターといったイメージが湧いたんですよ。でも、「○×ランド」みたいなのは何か違う(笑)。それで、もっと端的に言い表せる言葉を考えていたら、日本語の「びっくり箱」が思い浮かんで。英訳を調べたら今までの自分たちのタイトルにはなかった抜けのいい響きだし、新たなスタートを表現する感じもあっていいなって。

──“jack”という単語には、“ふざけた”という意味もあります。2曲目の「ぶちかませ!」や、Rancidのカバー曲「Time Bomb」もあるし、「おし、行ったれ!」的な勢いを重ねたダブルミーニングなのかも?と感じました。もっと言えば、アルバム全体で“Jack”という主人公を取り巻く物語のようにも感じられて。

伊藤 あ、それはまったく意識していなかったけど、いいですね。

関谷 このあとから受ける取材ではそう話そう(笑)。

伊藤 そこもインスト中心のTRI4THならではというか。例えば1曲目の「Wake Up」は直接的な歌詞がない分、「目覚めろ!」とも「おはよう」とも意味を捉えてもらっていい。皆さんそれぞれで物語を自由に想像してもらえたらうれしいですね。

──誰もバッキングに回らないというか、どの曲のどのパートも歌っている感じが強くて気持ちいいですね。

伊藤 そこは前作から意識し始めていました。ある種のジャズらしさは残しつつも、バッキングのリフ1つに至るまで、しっかりと全員で組み上げて曲を作ろうと。前作以前までは、あえてそうはせず、レコーディングのときの自由なプレイを優先していた部分もあったんです。でも、意図的にキュッとタイトにまとめた曲を、よりキャッチーに、よりポップに聴かせたいと思うと、やはり偶然の産物よりもどう音で主張しながらメロを支えていくかという構成が重要になってきた。その分、ソロはソロで自由に弾こうというメリハリも生まれましたね。

──ミックスは渡辺省二郎さんが手がけています。

伊藤 省二郎さんは、「この曲はこの曲の世界観」という方向性を強く打ち出してくれました。「BANDWAGON」という曲では、「この曲は、いつもと違うスタジオで録ったほうがいい」と提案をしてくれて。もっと小さな、ドラムがデッドな環境のほうがいいと感じたようでした。省二郎さんから提示された楽曲の世界観は1曲ずつどれも異なっていた。でも、いざ1枚にまとまったらとても自然な聴き味だった。そのあたりも僕らとしては“びっくり箱”みたいな驚きでした。