音楽ナタリー PowerPush - 東京パフォーマンスドール

「DREAMIN'」とともに歩んできた2年間

東京パフォーマンスドールが3rdシングル「DREAMIN'」をリリースした。結成当初から歌い続けてきた「DREAMIN'」は、かねてよりファンからもシングルカットの要望が多かった人気の高い楽曲。疾走感あふれる2作のシングルとは対照的に、9人の穏やかな表情が特長的な希望に満ちた1曲になっている。音楽ナタリーでは彼女たちにとっても思い入れの強いこの楽曲の魅力を探るため全員インタビューを実施した。

さらに彼女たちの代名詞でもある公演「1×0」(ワンバイゼロ)シリーズが5月13日に東京・Zepp DiverCity TOKYOにて開催された「東京パフォーマンスドール ZEPP TOUR 2015春~DANCE SUMMIT "Best of 1×0 FINAL"~」をもって完結したことを受けて、メンバーにこれまでの思い出のエピソードを語ってもらった。単独ライブやツアーを振り返り、この2年間で彼女たちは何を得たのだろうか。

取材・文 / 古川朋久 撮影 / 塚原孝顕

つらいときに仲間との絆を感じた

──先日行われた「東京パフォーマンスドール ZEPP TOUR 2015春~DANCE SUMMIT“Best of 1×0 FINAL”~」で皆さんが活動初期から行ってきた「1×0」を冠するシリーズが完結しました。まずはその中からそれぞれの思い出のエピソードを聞いていこうと思います。

浜崎香帆 私が忘れられない公演は大阪・シアターBRAVA!でやった舞台「1×0」なんですけど、体調を崩して咳が止まらなくなってしまって。でも不思議なことに本番では咳が止まってくれたんです。気力で歌い切ったというか、残っているすべての力を出し切ったっていう感じでしたね。

上西星来

上西星来 あのときの香帆は本当につらそうだったんですけど、晏夕も同じく体調を崩してしまって。

小林晏夕 私も一番思い出に残ってるのはこのときの公演です。香帆と同じく私も咳が止まらなくなってしまって、最初からやっていた舞台「PLAY×LIVE『1×0』」の最後の公演なのにこんな状態じゃ絶対に悔いが残るって思って。でも本番前にみんなで円陣を組んだときにメンバーが1人ずつ私に「やばいときには支えるから」って声をかけてくれて、そこで不安がなくなりました。そんなことがあって本番前から泣きそうになっちゃったんですけど、それが一番印象深いです。体調が万全ではなかったから本番では多少悔いの残る部分があったんですけど、みんなの励ましがなかったら絶対に本番を迎えられてなかったと思うし、仲間との絆をすごく感じました。

──飯田さんの思い出のエピソードは?

飯田桜子 私は「PLAY×LIVE『1×0』エピソード4」の千秋楽公演なんですけど、舞台上での気持ちが高まり過ぎて号泣してしまって。

櫻井紗季

櫻井紗季 あのときはらこちゃん(飯田)の涙に誘われて、なぜかみんな泣いてしまうという状況だったね(笑)。

飯田 もともと泣く演技ではあったんですけど、千秋楽ということで気持ちが高ぶってしまったんでしょうね。しばらく涙が止まらないから焦るし、みんなもつられて泣き始めるしで。

脇あかり あの日はゼペット役の竹下宏太郎さんの出演も最後だったので、特別な日だったんですよ。だから寂しさもあって泣けてしまったんだと思います。

──皆さんが泣いているところを見てお客さんはどんな反応でした?

飯田 それが私たちにつられてお客さんもみんな泣き始めたんですよ。なぜか会場全体で号泣という状態に(笑)。私はそのときの涙が一番印象に残ってますね。

「1×0」は最初に感動が生まれた場所

──ライブは生ものですからピンチが付きまといますね。

脇あかり

 そうですね。私も「PLAY×LIVE『1×0』エピソード2」でパンケーキを食べるシーンがあるんですけど、公演をやるごとにパンケーキが大きくなって、最後のほうでは大きすぎてのどに詰まっちゃってしゃべれなくなるというハプニングがありました(笑)。

──舞台上で本当に食べるのはなかなかハードルが高いですね(笑)。

 パンケーキってパサパサしてるし、舞台で緊張もしてるからまったく口に水分がなくて。さらにみんなも私が食べ終わるのをずっと見てるし(笑)。

橘二葉 ピンチといえば私も「PLAY×LIVE『1×0』エピソード2」で。香帆ちゃんと一緒に走るシーンなんですけど、舞台上と舞台裏でめっちゃ走ってドアにぶつかってケガをしてしまったんです。

──大丈夫でしたか?

橘二葉

 はい。痛みはあったんですけど、それよりも舞台が楽しかったというほうが思い出としては強いですね。そんなことが最初にあったから心身ともに鍛えられたっていうのはあると思います。

上西 私も「PLAY×LIVE『1×0』」の初演でのことなんですけど、セリフを忘れたことと間違えてしまったことが思い出に残ってます。あのときはこれ以上ないくらい舞台上で焦りました。

──初演だから緊張してたんでしょうけど、どうやって切り抜けたんですか?

上西 忘れてしまったセリフはなんとか思い出せたのでよかったんですけど、間違えてしまったときが一番焦って。どうしようもないのでそのまま流しちゃいましたけど(笑)。でもそのことがいまだに心残りですね。

──皆さん、やっぱり演劇パートの思い出がたくさんありますね。振り返ってみるとピンチの連続だったようですが、ほかにエピソードはありますか?

櫻井 「PLAY×LIVE『1×0』エピソード3」の千秋楽で、私と香帆が歌い終わったあと、お客さんが一斉にFreFlow(フリフラ)を掲げてくれたんです。会場全体が光で照らされて、それを見た香帆が感動して泣いちゃったんですよ。それで私もつられて泣いてしまうという。

──各公演の千秋楽は皆さんの気持ちも乗ってましたし、お客さんからのサプライズもあったりして、素晴らしいものになりましたよね。

櫻井 初めてのことばかりで本当に大変な日々でしたけど、最初に感動が生まれた場所でもありました。感謝してもし切れないです。

ニューシングル「DREAMIN'」 / 2015年6月10日発売 / EPICレコードジャパン
初回限定盤A [CD+DVD] / 1650円 / ESCL-4451~2
初回限定盤B [CD+DVD] / 1650円 / ESCL-4453~4
初回限定盤C [CD+DVD] / 1650円 / ESCL-4455~6
デジタルセレクトカップリング盤 [CD+1曲DL] 1300円 / ESCL-4457~8
通常盤 [CD] / 1000円 / ESCL-4459
期間生産限定盤 [CD] / 500円 / ESCL-4460
初回限定盤 CD収録曲
  1. DREAMIN'
  2. BE BORN -Rearranged ver.-
  3. DREAMIN'(KARAOKE)
  4. BE BORN -Rearranged ver.-(KARAOKE)
初回限定盤A DVD収録内容
  • DREAMIN' -Music Video-
  • DREAMIN' -Music Video-(Dance ver.)
初回限定盤B DVD収録内容

DANCE SUMMIT DIGEST at Zepp DiverCity TOKYO 2014.11.26

  1. OPENING(THE WHITE ROOM)
  2. WAKE ME UP!! -Rearranged ver.-
  3. 夜明けのハート -Rearranged ver.-
  4. 銀色のシルエット -Rearranged ver.-
  5. ビバ!ケ・セラ・セラ -Rearranged ver.-
  6. 史上最大の誘惑 -Rearranged ver.-
  7. BE BORN -Rearranged ver.-
  8. DREAM TRIGGER
  9. DREAMIN' -1×0 ver.-
初回限定盤C DVD収録内容
  • TPD DOCUMENTARY vol.3(2014.10-2015.2)
デジタルセレクトカップリング盤および通常盤 CD収録曲
  1. DREAMIN'
  2. BE BORN -Rearranged ver.-
デジタルセレクトカップリング盤

初代TPDレパートリーのリアレンジバージョン下記5曲のうち1曲を選んでダウンロードできるシリアルナンバーを封入。

  • CATCH!! -Rearranged ver.- [高嶋菜七、浜崎香帆+脇あかり、飯田桜子、橘二葉]
  • 心のルール -Rearranged ver.- [小林晏夕+上西星来、脇あかり]
  • サヨナラの法則 -Rearranged ver.- [橘二葉+櫻井紗季、飯田桜子]
  • 純愛90’s -Rearranged ver.- [上西星来、脇あかり]
  • 夜明けのハート -Rearranged ver.- [浜崎香帆+脇あかり、橘二葉]

※ダウンロード期間:2015年12月8日23:59まで

期間生産限定盤 CD収録曲
  1. DREAMIN'
東京パフォーマンスドール
(トウキョウパフォーマンスドール)

東京パフォーマンスドール

1996年に活動休止した東京パフォーマンスドールが2013年6月に新生・東京パフォーマンスドールとして始動。高嶋菜七、上西星来、櫻井紗季、浜崎香帆、脇あかり、飯田桜子、神宮沙紀、小林晏夕、橘二葉の9人がメンバーとして活動している。2013年8月から12月まで東京・CBGKシブゲキ!!にて演劇とライブが融合した「PLAY×LIVE『1×0』」を上演し2014年にはニューバージョンで再演。ライブでは先代TPDから受け継いだ、MCなしで歌とダンスをノンストップで繰り広げる「ダンスサミット」を展開し注目を集める。2014年6月にデビューシングル「BRAND NEW STORY」をリリースし、同年8月には初の東名阪単独ツアーを実施。さらに同年11月と2015年4月にはZeppツアーに挑戦し、「1×0」を冠したシリーズを完結させた。同年6月には結成当初から歌い続けてきた「DREAMIN'」を3rdシングルとして発表した。