音楽ナタリー PowerPush - 東京パフォーマンスドール
「DREAMIN'」とともに歩んできた2年間
今やるべきことを個々がしっかりとやる
──ライブの思い出も多いかと思いますが、いかがでしょう?
神宮沙紀 「PLAY×LIVE『1×0』」は演劇が終わってからノンストップライブを行うという2部構成だったので、短時間で気持ちを切り替える必要があったんですよ。でも私たちの初単独ツアー「LIVE TOUR 2014夏 ~DANCE SUMMIT "1×0" ver1.0~」やZeppツアーはライブだけを見せるので、それまでのテンションやモチベーションとはまた全然違いましたね。大きな会場でのライブでしたし、私たちの中でも課題は多かったです。さらにもっと広い会場で違う光景を見たいって思うようになったのが一番の収穫ですかね。
高嶋菜七 私も最初のツアーで行ったTSUTAYA O-EASTでのライブが一番記憶に残ってます。私たちにとって初めてのツアーだったし初のオールスタンディングっていうのもあってテンションが高まりましたね。それにあの日のライブは本当にたくさんの人が駆けつけてくださったんですよ。
──2階までお客さんでパンパンでしたからね。
高嶋 その光景を見て「ああ、TPDだけを見るためにこんなにもたくさんの方が来てくれたんだ」って改めて感じることができて。幕が開いた瞬間「え、これってうちらだけのライブ? 対バンじゃないよね?」って思ってしまったくらいです。それまで厳しい稽古に耐えてきてよかったと改めて思いました。
──Zeppツアーは昨年秋と今年の春の2回行ってきましたけど、春のツアーで皆さんの気持ちの入れ方もだいぶ変わってるなと感じました。
高嶋 変わりましたね。そもそも昨年CBGKシブゲキ!!からTSUTAYA O-EASTに会場を移してライブをやったときもだいぶ驚いたんですけど、Zeppでやるって聞いたときは会場を間違えてるんじゃないかと思ったくらいで。でもやるって決まったからには私たちもそれに向かってレッスンをしなきゃいけないし、どうしたらお客さんをたくさん呼べるかを考えなきゃいけなくて。だから1回目のZeppツアーって実はすごいプレッシャーの中でやってたんですよ。
──O-EASTのときは2週間ほど前に「東京アイドルフェスティバル2014」(TIF)もあって、そのステージでインパクトを残せたから集客に結び付いたっていうのはあると思うんですよ。だからそのあとのZeppツアーで新しいお客さんをどうつかんでいったのかが気になりました。
高嶋 多くの人に観てもらう機会として「TIF」はすごくよかったんですけど、Zeppツアーの前は2ndシングル「DREAM TRIGGER」のリリースイベントがメインでした。そこで私たちが声を出してチケットを手売りしても、やっぱりソールドアウトには程遠かったです。「ああ、こんなにも厳しいんだ」っていう状況を理解できたのが1度目のZeppツアーでした。
──都内ならまだしも、地方公演もありましたからね。
高嶋 そんな厳しい状況を経験した上で実施した2回目のZeppツアーは、私たちにとってもリベンジとしての意味合いが強かったです。
──2度目のZeppツアーはどんな気持ちで挑んだのでしょう?
高嶋 今やるべきことを個々がしっかりとやる、ってことでしょうか。あとは1回目で余裕がなくてできなかったことをやってみようと話し合いました。
──具体的にはどういった部分ですか?
高嶋 細かいところですけど、個々の表情の変化にはもっと気を配ろうと思いました。前回のZeppツアーとはセットリストも大きく変わって、各メンバーがメインを張る楽曲もソロパートが多かったし、個々の見え方には特にこだわりましたね。少しの差かもしれないですけど、1回目が不安しかなかったから2回目はもっともっと挑戦していこう、と。自分たちが今出せる力を全部出し切ろうと思いました。
何が起こってもとっさに判断しないといけない
──昨年から短期間で連続的にツアーをやってきましたけど、その都度満足感を得られるというよりは修正の連続だったんでしょうか?
上西 気持ち的には満足してる部分ももちろんあったんですけど、やっぱり細かいミスは各ステージであって。そのミスを修正しつつ次のステージでは「もっと熱くしよう!」とか言い合って気持ちで負けないようにはしてました。
浜崎 細かいミスやハプニングは今でもけっこうあるんですけど、そういうのに対処するのはみんな慣れてきました。みんな何があってもとっさにフォローできるくらい心に余裕が出てきたなと思います。
上西 実は私、今回のZeppツアーでブーツを間違えて履いてしまったことがあって。
浜崎 それは気付かなかった(笑)。
上西 Zepp Nambaの公演でやった「MY UNIVERSE」で違う色のブーツを履いてしまったんですけど、ステージに出る直前で気付いて。でももう履き替えてる時間もないしそのまま出なきゃいけないっていう状況だったんですけど、前の曲の最後でうさき(神宮)といさき(櫻井)が気付いてくれて彼女たちの連携プレーのおかげで何事もなかったかのように出ることができました。
橘 私たちのライブはノンストップなので、何が起こってもとっさに判断しなきゃいけなくて。ほかにもきっと今回のZeppツアー中に細かいピンチはあったと思うんですけど、致命的なミスになってないってことはそれぞれがとっさに判断して修正したってことですよね。そういうところが一番の成長なのかなと。
浜崎 うん。やっとライブ中でも冷静さを保てるようになってきたよね。
脇 でも時間は毎回足りなくて、すべてがツメツメになったまま「もう間に合わない!」って大騒ぎになるのが恒例になっちゃってますね。まあ結果としてはいつもなんとか間に合っちゃうんですけど(笑)。
──皆さんのライブで一番苦労するところってどこですか?
飯田 例えば私たちが入る舞台上のボックスがあるんですけど、その扱いは毎回けっこう苦労してます。
──マジックの道具みたいで確かにすごく複雑ですよね。
脇 普通の箱ならよかったんですけど、回して、止めて、外して、回して、みたいな動きを全員が間違えることなく覚えなきゃいけないのが意外と大変です。
櫻井 最初の頃はそれが複雑で頭の中がいっぱいいっぱいになっちゃったこともありました。ダンスの上達どうこうってよりも、まずはボックスのロックの外し方から覚える、みたいな。あとはいまだに大変なのは早着替えですかね。ライブごとにどんどん着替え時間が短くなっていくんですよ(笑)。
──例えば1回のワンマンでどれくらいの衣装に着替えるんですか?
飯田 1人あたり8着くらいかな?
脇 全員あわせて100着くらい。
──1曲やったらすぐに着替えですもんね(笑)。こんなに着替えなくてもって思ったことはあります?
櫻井 ありますよ(笑)。リハーサルでは早着替えが全然間に合わないことがあって「こんなに着替えなくてもいいじゃん!」って。でも、それがダンスサミットですからね。
苦しいときはみんなで支え合うのが大切
──それぞれがメインを務める楽曲も出そろいましたね。「ZEPP TOUR 2015春 ~ DANCE SUMMIT "1×0" ver3.0~」では各曲が連続で披露されましたが、それぞれの課題はどんなところだったのでしょう?
神宮 私のメインの曲は「ビバ!ケ・セラ・セラ」という曲なんですけど、セットリストの中で1回目のピークがこの曲になるように盛り上げていこうと思って。もともとすごく盛り上がる曲だと思うので、ここからゴールの「DREAMIN'」に向けてテンション高いまま駆け抜ける、みたいな。だから皆さん、1回ここで完全燃焼して疲れてほしいんですよね。私も出し切るのでお互い体力勝負になるんですけど(笑)。
──神宮さんは「~DANCE SUMMIT"Best of 1×0 FINAL"~」で体調を崩してしまいましたね。ライブは一部出演となってしまいましたが、それでも最後までやり切ったのはすごいと思いました。
神宮 「~DANCE SUMMIT "1×0" ver3.0~」のときは自分の中でもベストと言えるくらいの「ビバ!ケ・セラ・セラ」を出し切ったと思うんですけど、最後の最後で体調を崩してしまって。それでもステージに出られたのはメンバーとファンの皆さんがいてくれたからです。あのときすごい熱があったんですけど、決してつらい顔は見せたくなかったし、メンバーが私の分までフォローしてくれたからなんとかやり切ることができました。みんなにはすごく感謝しています。
小林 私も大阪で体調を崩したときにメンバーのありがたみを知って、苦しいときはみんなで支え合うのが大切なことだなって思いました。
──9人の絆の強さを「1×0」で培ってきたということですね。小林さんは「心のルール」「RUBY CHASE」の2曲でメインを務めましたが、まったくタイプの違う2曲を表現してますね。
小林 「PLAY×LIVE『1×0』」のときから私に対してクールで強いイメージを持たれている方が多いと思うんですけど、そんな中いただいたのが「心のルール」で。純粋な女の子が主人公の曲なので、私の新たな一面をどう出していくかにこだわりました。あとはバックダンサーが上西さんと脇さんなので、彼女たちの個性の強さに飲み込まれないように気を付けました(笑)。
──対して「RUBY CHASE」は、どのように表現しようと?
小林 最初の単独公演の頃からずっと歌ってきているクールで力強い楽曲なんですけど、イメージはズバリ「キャッツ・アイ」です。だから以前は猫になった気分で歌っていたんですけど、今回行ったツアーではライオンになってと言われて(笑)。
高嶋 同じネコ科だけどね(笑)。
小林 なので、ちょっと強めな「RUBY CHASE」が表現できたかなと。「心のルール」と「RUBY CHASE」の2曲で私の二面性が出せたかなと思います。
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- ニューシングル「DREAMIN'」 / 2015年6月10日発売 / EPICレコードジャパン
- 初回限定盤A [CD+DVD] / 1650円 / ESCL-4451~2
- 初回限定盤B [CD+DVD] / 1650円 / ESCL-4453~4
- 初回限定盤C [CD+DVD] / 1650円 / ESCL-4455~6
- デジタルセレクトカップリング盤 [CD+1曲DL] 1300円 / ESCL-4457~8
- 通常盤 [CD] / 1000円 / ESCL-4459
- 期間生産限定盤 [CD] / 500円 / ESCL-4460
初回限定盤 CD収録曲
- DREAMIN'
- BE BORN -Rearranged ver.-
- DREAMIN'(KARAOKE)
- BE BORN -Rearranged ver.-(KARAOKE)
初回限定盤A DVD収録内容
- DREAMIN' -Music Video-
- DREAMIN' -Music Video-(Dance ver.)
初回限定盤B DVD収録内容
DANCE SUMMIT DIGEST at Zepp DiverCity TOKYO 2014.11.26
- OPENING(THE WHITE ROOM)
- WAKE ME UP!! -Rearranged ver.-
- 夜明けのハート -Rearranged ver.-
- 銀色のシルエット -Rearranged ver.-
- ビバ!ケ・セラ・セラ -Rearranged ver.-
- 史上最大の誘惑 -Rearranged ver.-
- BE BORN -Rearranged ver.-
- DREAM TRIGGER
- DREAMIN' -1×0 ver.-
初回限定盤C DVD収録内容
- TPD DOCUMENTARY vol.3(2014.10-2015.2)
デジタルセレクトカップリング盤および通常盤 CD収録曲
- DREAMIN'
- BE BORN -Rearranged ver.-
デジタルセレクトカップリング盤
初代TPDレパートリーのリアレンジバージョン下記5曲のうち1曲を選んでダウンロードできるシリアルナンバーを封入。
- CATCH!! -Rearranged ver.- [高嶋菜七、浜崎香帆+脇あかり、飯田桜子、橘二葉]
- 心のルール -Rearranged ver.- [小林晏夕+上西星来、脇あかり]
- サヨナラの法則 -Rearranged ver.- [橘二葉+櫻井紗季、飯田桜子]
- 純愛90’s -Rearranged ver.- [上西星来、脇あかり]
- 夜明けのハート -Rearranged ver.- [浜崎香帆+脇あかり、橘二葉]
※ダウンロード期間:2015年12月8日23:59まで
期間生産限定盤 CD収録曲
- DREAMIN'
東京パフォーマンスドール
(トウキョウパフォーマンスドール)
1996年に活動休止した東京パフォーマンスドールが2013年6月に新生・東京パフォーマンスドールとして始動。高嶋菜七、上西星来、櫻井紗季、浜崎香帆、脇あかり、飯田桜子、神宮沙紀、小林晏夕、橘二葉の9人がメンバーとして活動している。2013年8月から12月まで東京・CBGKシブゲキ!!にて演劇とライブが融合した「PLAY×LIVE『1×0』」を上演し2014年にはニューバージョンで再演。ライブでは先代TPDから受け継いだ、MCなしで歌とダンスをノンストップで繰り広げる「ダンスサミット」を展開し注目を集める。2014年6月にデビューシングル「BRAND NEW STORY」をリリースし、同年8月には初の東名阪単独ツアーを実施。さらに同年11月と2015年4月にはZeppツアーに挑戦し、「1×0」を冠したシリーズを完結させた。同年6月には結成当初から歌い続けてきた「DREAMIN'」を3rdシングルとして発表した。