スタッフも知らない5人だけの夜

辻野　「俺の藤井」は、いろんな先輩方がいる中にとき宣が立っていいのかなという不安もあったんですよ。私たちは女優さんを目指していたところから生まれたグループなので、そんな私たちが「俺の藤井」に出てもいいのかなって……。

小泉　年末にちょうど「俺の藤井」と「ときクリ」（初ワンマン）のリハーサルが重なって、混乱してたんですよ。

──確かにとき宣は、ももいろクローバーZ、私立恵比寿中学、チームしゃちほこ、たこやきレインボー、ばってん少女隊という、かつてのスターダスト芸能3部の枠組み「3B junior」の系譜とは別のところから生まれたグループで。その毛色の違いは皆さん自身が感じているんですね。

坂井　はい。そういうこと、けっこう話したよね。遠征で5人で泊まってるときとかに、寝る前に電気を消して「とき宣ってなんだろう？」って。

小泉　語るね！ 語るんですよ、5人だけで（笑）。

──どんなことを語り合うんですか。

吉川　けっこうマジメな話ですよ。「今後のとき宣について」とか（笑）。

坂井　これはスタッフさんも知らないと思いますけど、実は私たちだけで語り合ってるんです。たぶん、普段ステージとかで話している私たちとは全然違うと思います。……いつもどんなこと話してるかなあ。

小泉　未来のことも話すけど、最近は宣伝部員さん（とき宣ファンの総称）が言ってくれたことを話すことも多いかな。

坂井　最近は宣伝部員さんの中で友達の輪が広がっているって聞いて、それがすごくうれしいんですよ。

辻野　「とき宣のみんなのおかげで仲良くなれたんだよ」って言われると、それだけで泣きそうになっちゃう。

小泉　宣伝部員さんの存在がなかったら私たちは今ここにいないし、1人だけじゃ何もできなかったろうなって……。

永坂　「一人じゃないからー」。

辻野　さりげなく「むてきのうた」の宣伝を入れてきた（笑）。

「さあ！」だけ声めっちゃデカくない？

──ではそのニューシングル「むてきのうた」について聞かせてください。これ、今までになくストレートで、胸にグッとくるいい曲ですよね。

一同　ですよね!!

小泉　ファンミーティングの最後のリハーサルでは、本番前なのに自分たちで歌っててもグッときました。「この曲を早く宣伝部員さんの前で歌いたい！」って。

坂井　レッスンのときにも1回、改めてスタッフさんたちの前で歌いました。感謝の気持ちを込めて。

吉川　最近はライブでこの曲を歌ってると、泣いてる宣伝部員さんもいて。あの光景を見るとヤバいよね。でも私たちこんなグループだから、こんなに真剣でいい歌を歌っていいのかなあって……。

坂井　こんなグループ（笑）。

辻野　歌詞を読みながらみんなで考えたよね。「ここはどんな場面なんだろう」とか「色で言うとどういう色だろう」とか。

──曲に対する解釈を全員で共有しながら。

小泉　はい。歌っていると、自分たちと重なるところが多いんですよ。落ちサビで1人ひとり歌うところでは光景が浮かんできて。

辻野　落ちサビのあとの「さあ！」がグッときます。

坂井　私たちとみんなで進んできたこれまでを「無駄になんてしない!!」って誓ってからの「さあ！」が、もう……ヤバいんです！

永坂　スタッフさんに「みんな『さあ！』だけ声めっちゃデカくない？」って言われました（笑）。気持ちが入りすぎて。

バリエーションに富んだカップリング曲

──今作は仕様ごとに異なる内容のカップリングが計3曲あります。それぞれ紹介してもらえますか？ まずは「レモンジュース」を。

坂井　「レモンジュース」は好き！ 歌詞がかわいいんですよ。

永坂　私たち世代の等身大の恋愛ソングだから、同級生の子が聴いたらカンキョウ……カンキョウ？ キョウカンだ！ 共感できると思います！（笑）

吉川　でも年上の男の人が聴いてもキュンとすると思う。

小泉　「ああ、青春だなあ」みたいな？

吉川　そうそう、恋愛ソングというより青春ソングかも。

──「ビューティー」はどうですか？

辻野　「ビューティー」はとき宣初のラップが聴きどころです。

吉川　ラップは大変でした。なかなかうまく歌えなくて。まこちゃんの最初のフレーズ、めっちゃ難しいよね？

永坂　最初は全然無理だったんですけど、何度も繰り返してるうちに「あっ、言えるようになった！」って。

坂井　あとこの曲、踊っててすごく楽しくなっちゃうんですよ。

小泉　「季節外れのときめき♡サマー」は体力的にキツいけど（笑）、「ビューティー」は激しいのに息がハアハアならない。

──最後に「100%♡オレンジ」を。

小泉　今回のシングルで一番表現が難しい曲だなと思いました。表情と歌にどういう感情を込めるのか。

坂井　オイオイ盛り上げる曲でもバラードでもなく、その間というか、バラードみたいに表現しながらも盛り上げていくみたいな。

小泉　ダンスにもキレを入れたほうがいいのか、しなやかにしたほうがいいのか、なかなかつかめなくて。

辻野　難しい分、やりがいがある曲ですね。