ナタリー PowerPush - the telephones

「We Love Telephones!!!」全曲解説

oh my DISCO!!!

──この「oh my DISCO!!!」でそろそろアルバムもクライマックス、という感じで。これは「Oh My Telephones!!! e.p.」の収録曲ですが、ライブでもかなり盛り上がる曲ですよね。

石毛 盛り上がりますね。ミニアルバムのツアーではオープニングに持ってきて、テンポを7ぐらい上げて演奏してました。

松本 いや、もっと上げてたよ。146を160にって言って14上げたもん。ライブ1曲目だし、もうちょっとガッと上げていったほうがいいって話をして。

──CDで一番かっこよく聴こえるBPMと、ライブで映えるBPMはやっぱり違うんですね。

石毛 そうですね。でも最近のレコーディングでは、ライブのことは考えないでその曲に最適なテンポで録ってます。で、ライブのことはライブでやるときに改めて考えるようにしてます。そのほうが曲がかわいそうじゃない気がして。

I'II Be There

──そしてラス前の「I'II Be There」は壮大な感じで。

石毛 ズバリU2ですね。

──それを言ってしまうと身も蓋もない感じですが(笑)。

石毛 そういうの隠さない主義なんで(笑)。最初はMGMTみたいな曲にしようと思って、仮タイトルを「MG」ってつけたんですけど、結局国まで変わってU2になっちゃった。

──こういう感じの曲も今回のアルバムの流れの中だとしっくりきますね。

インタビュー写真

石毛 そうですね。やっとこういう曲を演奏できる技術が身についたんだと思います。「JAPAN」(2008年1月リリース)に入ってた「sleep,sleep,sleep」って曲に「I'II Be There」の片鱗があるんですけど、当時はテクニックが足りなくて。2年くらい経って、こういう曲を自信を持ってアルバムに入れられるようになりました。

──この曲は石毛さんが地声で歌っているところがあって、なんというか、素直な自分を出せるようになったということなのかなと感じたんですが。

石毛 それはありますね。別に高い声で叫ぶ必要もなくなったというか。高い声で叫ぶっていうのは自分の中では虚勢を張るのとちょっと似ていて。僕もともと歌はヘタだし歌うのも嫌いなんですよ。でも最近ちょっとずつ歌えるようになってきて、こういう曲もできるようになったっていう感じです。

──ボーカリストとしての自覚が出てきたということ?

石毛 まだ「ボーカリストです」とは胸張って言えないですけどね。壁を登ってる最中です。

Drums, Basses, Guitars, Keys, And Your Love And Voice

──そしてラストは「Drums, Basses, Guitars, Keys, And Your Love And Voice」。この曲が最後にあることで、世界がぐっと広がる感じがしますね。

石毛 アルバムのテーマが「Love」だったんで、ちゃんとそれを提示するような曲で終われて良かったなと思ってます。しかもなんか底抜けに明るいハッピーじゃなくてちゃんと憂いを持ったまま終われるかなって。

──タイトルもいいですよね。

石毛 もともとthe telephonesを象徴するような言葉を曲名にしたくて。いろいろ考えたんですけど、結局各メンバーのパートを入れて、あと聴いてくれる人のことを入れようと。

──the telephonesの愛を感じますね。

石毛 ジャケットのイメージと一番近い曲ですよね。the telephonesって暑苦しいイメージがあるかもしれないけど、みちみちに詰め込んでばかりだと飽きるし。体育会系バンドではあるんですけど、全然マッチョ系ではないし、なんだかんだで僕が文系なので。

次では自分たちで上げたハードルを壊しにいきます

──というわけで、アルバムの全14曲について語ってもらいましたが、改めて聴いてみてもバンド史上最強にバラエティに富んだ作品になってますよね。しかも曲調はバラバラなのに、アルバム全体で不思議な統一感があって。

石毛 そうですね。曲としての統一感が出てるのは今のthe telephonesの強みですね。僕ら今、過去最強に仲がいいんですよ(笑)。それも音に出てると思います。

──そしてこのアルバムで、バンドとしてもかなり成長した気がするんですよね。ここ1年のバンドの変化がいい形で出ているというか。

石毛 変化しつつ、でも浮つかないでやってこれたのがよかったと思うんで。

──でも、これを作ったことで次のハードルが上がった感じはありますよね。

石毛 だから次はハードルを壊しにいこうかなと。実は次回作のコンセプトももう練り始めてますよ。

インタビュー写真

ニューアルバム「We Love Telephones!!!」 / 2010年8月4日発売 / 2800円(税込) / Sony Music Records / TOCT-26980

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CD収録曲
  1. I Hate DISCOOOOOOO!!! PV試聴
  2. SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!!
  3. 2010
  4. My Girl
  5. A.B.C.DISCO PV試聴
  6. Kung Fu Village
  7. Shit! Shit!! Shit!!!
  8. My Final Fantasy
  9. Re:Life
  10. kiss me, love me, kiss me PV試聴
  11. I Wanna Die
  12. oh my DISCO!!!
  13. I'll Be There
  14. Drums, Basses, Guitars, Keys, And Your Love And Voice
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the telephones(てれふぉんず)

the telephones

2005年に埼玉県浦和にて結成されたロックバンド。メンバーは石毛輝(Vo, G, Syn)、岡本伸明(Syn, Cho)、長島涼平(B, Cho)、松本誠治(Dr)の4人。ポストパンク/ニューウェイブにも通じるダンスロックサウンドで各地のフェスを席巻しつつ、インディーズでの音源リリースを経て、2009年にはEMIミュージック・ジャパンと契約。同年7月にメジャー移籍第1弾となるアルバム「DANCE FLOOR MONSTERS」をリリース。年末の「COUNTDOWN JAPAN 09/10」では、GALAXY STAGEのカウントダウンを担当した。2010年春にはコンセプトの異なるミニアルバム2枚を連続リリースし、8月にはフルアルバム「We Love Telephones!!!」を発表。ハイテンションなライブパフォーマンスに定評がある。