ナタリー PowerPush - the telephones

ディスコ愛みなぎる新作が完成!快進撃ライブバンドが本音を激白

ストイックなエンタテイナー、岡本伸明

——ライブでは岡本さんのアグレッシブなパフォーマンスも話題ですが。

岡本:そうっすねえ。

石毛:でも最初の頃はちょっと違ったよね。

岡本:そうっすね、最近はやっぱお客さんが単純に増えたっていうのもあるんですけど。やっぱり僕も、こうしたら面白いかなとか、こうしたらお客さん楽しいかなっていうのは、以前よりもすごく考えるようになりましたね。かつ、自分も楽しくならないとダメなので、まずライブ前は自分との格闘で、自分をアゲてるところはあるんですよ。ある程度自分のメーターがあって、そこにピンッ!と届くと、もう完全にライブモードになって、ステージに出ちゃえばもう完璧に、来たって感じです。

石毛:だからライブ前に一番ピリピリしてるのってこいつなんですよ。

——それは意外かも。

石毛:だから俺怒られるんです、前のバンドのライブとか見てると、おまえ早く帰って来いって。

岡本:そうっすね。はい、すいません。

松本:トイレとか行くのも怒られたりするもんね。

岡本:……ごめんね。ちょっと過剰になっちゃって。

石毛:ノブはストイックなんですよね。ホントに。

——でもthe telephonesは、お客さんを盛り上げるのが本当に上手いですよね。

石毛:まあ、うん。お客さんと一体となりやすい音楽だとは思います。

——アンダーグラウンドな場所で下を向いてやってる音楽じゃなくて。

石毛:ぜんぜんないですよ。じゃなきゃ、こんなタイトル(「Love&DISCO」)つけてないと思います。

——一応聞いておきたいんですが、このタイトルにはどういう意味が?

石毛:いや、これはもう、響きですよね。

——ですよね。聞くだけ無駄ですよね。

全員:(笑)。

石毛:まあ、でも僕らは日本でやってて全部英詞で歌ってるけど、それをハンデと思うことはまだやっぱりいっぱいあるので。わかりやすい単語をチョイスしたいっていうのは考えてます。

——そうなんですか。そういうの気にしていないのかと思っていました。

石毛:いや、気にしてなかったんですけど、なんかけっこうまわりから言われるとそう思うようになるじゃないですか。

——ほっとけばいいんじゃないですかね。

石毛:でも日本語で歌うことも僕は悪いことだとは思ってないですよ。日本人が日本語で歌うのは一番自然なことなので、そういうタイミングがあれば歌うと思います。今んとこないですけど。

サブリミナルで世代交代を狙う

——the telephonesを聴いていると、音の質感やちょっとしたフレーズなどに、他のいろいろな音楽からの影響を感じるんですが、そういう部分をあえて出そうとしているところはありますか?

石毛:はい、サブリミナルでそういうのをいっぱい入れてるんです。

——サブリミナル?(笑)

石毛:やっぱりルーツを大事にしてるっていうのはわかってほしいんですね。それは音楽に対する愛だと俺は思っているので。うん、それだけです。あと単純に、ゼロから新しいものは俺には作れないから。だから昔の人に対する尊敬の念も込めてそういうのは入れてやってます。

——「自分は特に誰の影響も受けていません」と話すアーティストの方もいますよね。

石毛:いや、俺はそれ八割がた嘘だと思うんですけど。嘘にならない人もいますけど。まあ天才の人はそれでいいと思うんですよ。でも普通の人にとっては影響されないで何かをするってことは、なかなか厳しいんじゃないですかね。

——じゃあオリジナルな音楽を自分が一から作っている、という感覚はない?

石毛:うーん、恥ずかしくて言えないですねえ、そんなことは。いや、まあオリジナリティは自然と出てくるとは思いますけど、歴史的に見てこれがオリジナルだとは絶対言えないですよね。まあ今やるから面白いってことは絶対ありますけどね。でもオリジナルっていうか、ゼロから生まれた新しい音楽ではないと思います。

——でも好きな音楽がたくさんある中で、今この時代にこの要素を持ってきたら面白い、というような、その時代に合わせた出し方は考えているわけですよね?

石毛:もちろん。はい。

——自分たちが聴いてきた素晴らしい音楽を、the telephonesを通して若い子に伝えたい、というような気持ちもあったりしますか?

石毛:それはすごくあります。自分が経験した音楽で大げさに言ったら人生変わったわけだし、それくらいの衝動をもし俺らで感じてくれるとしたら、それはアーティストとして一番嬉しいことだと思います。

——なるほど。

石毛:俺らはちゃんと芯が通った音楽をやっていきたいし、それを今の若い人たちに聴いてもらいたいと思ってるんですよ。俺らより若い人たちが最初に聴く音楽が俺らのようなジャンルレスな音楽だったら、そのさらに後の世代の人たちが聴く音楽はもっと突っ込んだものになると思うし。そうなれば日本の音楽文化全体が変わっていく気がするんですね。やっぱり日本はフォークソングとかGSのイメージがすごく強いので。そうじゃなくて、その世代の次の世代を作りたいです。次はもっとボーダーレスな、ロックとかテクノとか関係なく盛り上がれる世代が来ればいいなと思ってます。

——やっぱり音楽が好きなんですね。

石毛:俺ら全員、音楽はいいものだって思っているんで、いろいろな意味で音楽がしやすい国になってほしいんですよ。日本っていろいろなものを輸出しているけど、音楽だけは輸出していないでしょう? これが輸出できるような時代にしたいです。

the telephones ミニアルバム『Love & DISCO E.P.』 / 2008年11月19日発売 / 1890円(税込) 1890円(税込) / DAIZAWA RECORDS / UKDZ-0073

ジャケット写真

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CD収録曲
  1. Beautiful Bitch
  2. RIOT!!!
  3. Love&DISCO
  4. electric girl
  5. Wooo Hoooo
  6. Hallelujah,Hallelujah,Hallelujah

the telephones待望の初ワンマン

SUPER DISCO Hits!!! the telephones ONE-MAN SHOW!!! ~ 『Love&DISCO E.P.』 SPECIAL RELEASE PARTY ~
the telephones
2008/12/6(土)
ラフォーレミュージアム原宿
OPEN 18:00 / START 19:00
チケット:11/9(日)発売
全立見 ¥2,800(D代別)
プレイガイド:
・チケットぴあ
 0570-02-9999 (Pコード:305-925)
・ローソンチケット
 0570-084-003 (Lコード:76503)
・イープラス eplus.jp
 (プレオーダーあり)
お問い合わせ:
・VINTAGE ROCK 03-5486-1099
プロフィール

the telephones(てれふぉんず)

2005年に結成されたロックバンド。メンバーチェンジを経て、現在は石毛輝(Vo,G,Synth)、岡本伸明(Synth)、長島涼平(B,Cho)、松本誠治(Dr)の4人編成で活動している。2007年に初のオフィシャル音源であるミニアルバム「we are the handclaps E.P.」をリリース。埼玉や東京のライブハウスを中心に、熱いライブを展開。ヨーロッパで人気のポストパンク/ニューレイヴにも通ずるダンスロックサウンドが、多くのファンを釘付けにしている。