音楽ナタリー PowerPush - 高橋優
最高傑作「今、そこにある明滅と群生」全曲を語る
11. おやすみLINEで「即興で歌います!」
- 高橋優 - おやすみ
この曲は、友達と夜中にLINEしていた内容をそのまま曲にしたんですよ。
──歌詞はすべてそのまま?
そうですね。
──かなりカッコいい言葉でLINEしてるんですね。「今日はさようなら 明日もいい日さ」とか。
いや、すごくふざけて書いてたんですよ(笑)。仕事でうまくいかないことがあって落ち込んでる友達がいたから、ごはんを食べに行ったんですね。そうしたらその人が泣いちゃって。これは不謹慎な言い方だけど、シンガーソングライターにとって目の前で友達が泣いている場面は貴重な経験だったんです。それに、僕の前で泣くというのは心を開いてくれていることでもあるから、うれしかったんですよ。そんな出来事があって高ぶってたから、家に帰ってその人にLINEで「即興で歌います!」って。その人が気に入ってくれて、じゃあこのまま曲を付けようと思いまして。
──いい話ですね。それも曲作りの新たなパターンとしてこれからも続けますか?
もう絶対やらないでしょうね(笑)。4人に1人くらいはドン引きしますよ、「何この人、気持ち悪い」って言われそうじゃないですか。
楽曲を大事に届けるライブにしたい
──では最後に、10月からのツアーの意気込みを聞かせてください。
楽曲を大事に届けるライブにしたいですね。今まではどう始まってどう終わるかという流れを重視してきたんです。ここで盛り上げたいとか、ここでバラードを歌う時間を作ろうとか。でも今回はどの曲もめちゃくちゃ時間をかけて丁寧に作っただけに、ライブで表現して安っぽく聞こえたら嫌なんです。音源で聴いたほうがいいって言われたら最悪の結果で。だからCD以上に、楽曲が生き生きするライブにしたい。全体の流れも大切にしながら、去年から続けている「声を上げよう!」というテーマも変えずに、もっと丁寧に楽曲を届けながらお客さんと人間関係を築いていきたいですね。
ツアー情報
- 高橋優LIVE TOUR 2014-2015「今、そこにある明滅と群生」
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- 2014年10月17日(金)埼玉県 戸田市文化会館
- 2014年10月26日(日)千葉県 八千代市市民会館
- 2014年11月1日(土)兵庫県 神戸文化ホール 大ホール
- 2014年11月7日(金)北海道 札幌市教育文化会館 大ホール
- 2014年11月16日(日)神奈川県 神奈川県民ホール
- 2014年11月22日(土)宮城県 仙台市民会館 大ホール
- 2014年11月24日(月・祝)秋田県 秋田市文化会館 大ホール
- 2014年11月29日(土)大阪府 すばるホール
- 2014年12月5日(金)福島県 郡山市民文化センター 中ホール
- 2014年12月6日(土)茨城県 駿優教育会館 大ホール
- 2014年12月11日(木)東京都 TOKYO DOME CITY HALL
- 2014年12月19日(金)高知県 高知市文化プラザ かるぽーと 大ホール
- 2014年12月20日(土)岡山県 倉敷市芸文館
- 2015年1月18日(日)三重県 三重県文化会館 中ホール
- 2015年1月25日(日)栃木県 栃木県総合文化センター
- 2015年2月1日(日)愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール
- 2015年2月7日(土)福岡県 福岡市民会館
- 2015年2月8日(日)鹿児島県 鹿児島市民文化ホール 第2ホール
- 2015年2月11日(水・祝)東京都 NHKホール
- 2015年2月13日(金)石川県 金沢市文化ホール
- 2015年2月15日(日)新潟県 新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ)
- 2015年2月27日(金)静岡県 静岡市民文化会館 中ホール
- 2015年2月28日(土)広島県 アステールプラザ 大ホール
- 2015年3月7日(土)大阪府 フェスティバルホール
- ニューアルバム「今、そこにある明滅と群生」/ 2014年8月6日発売 / unBORDE
- 初回限定盤 [CD+DVD] 3672円 / WPZL-30896~7
- 通常盤 [CD] 3240円 / WPCL-11944
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収録曲
- BE RIGHT
- 太陽と花
- 裸の王国
- 明日への星
- WC
- 同じ日々の繰り返し
- ヤキモチ
- 旅人
- 犬
- パイオニア
- おやすみ
初回限定盤DVD 収録内容
- BE RIGHT(Studio Live)
- 太陽と花(Studio Live)
- ヤキモチ(Studio Live)
- 明日への星(Studio Live)
- 8月6日(Studio Live)
高橋優(タカハシユウ)
1983年生まれ、秋田県出身のシンガーソングライター。大学進学と同時に路上で弾き語りを始める。2008年に活動拠点を東京に移し、2009年7月に初の全国流通盤「僕らの平成ロックンロール」を全国リリース する。2010年7月にシングル「素晴らしき日常」でメジャーデビュー。2011年4月にリリースされたメジャー1stアルバム「リアルタイム・シンガーソングライター」はロングヒットを記録する。その後もコンスタントに作品を発表し、2013年は7月にアルバム「BREAK MY SILENCE」を発表したあと、11月に初の日本武道館公演を開催。2014年8月には4thアルバム「今、そこにある明滅と群生」をリリースした。社会、友情、恋愛、性、孤独など自身が感じた思いをストレートな言葉で表現した歌詞、聴き手の感情を揺さぶる熱い歌声で、支持を集めている。
10. パイオニア体の中から湧き上がるものを生かして
──「パイオニア」に関しては、アルバムのきっかけになった曲だと言っていました。作るときにはどんなことを考えてたんですか?
まずは音楽本来の面白味を出すということですね。正直、四つ打ちのドラムがドンドンドンって鳴ってるだけで楽しいじゃないですか。そこにベースが乗ってギターが鳴ればもっと最高になる。でも、深刻な歌詞が入ると急に重くなっちゃいますよね。それはつまらないなと思ったんです。
──だけど、歌詞へのこだわりが優さんらしさでもあったわけで。
そうなんですよ。言葉を絶対につながないといけないと思ってたし、歌詞だけで伝わるようにしたかった。でもそれは頭でっかちで、だったら詩集出せばいいじゃんと思ったんです。だから「パイオニア」ではもっと体の中から湧き上がるものを生かして作りたかったし、僕の考えがブレずにもっと言葉で遊べるはずだ、ということから始まりましたね。その結果として、新しいステップを踏めたなと実感できる曲になってくれました。