音楽ナタリー Power Push - Swimy
変わらないようで実は変わった4人の関係性
この2人じゃなかったらこんなに一緒にいられない
──お二人は精神的なつながりが強いんですね。子供の頃の遊びの延長みたいな感覚もあるんですか?
平成のまお 始めは本当にそういう感じだったので、バンドモードへの切り替えが大変でした。幼なじみ感が強すぎるからなあ。でもデビューしてからはちゃんと切り替えられるように自然となりましたね。みっけがSwimyに入った頃はお客さんはほぼゼロに近くて、友達が友達を連れて来てくれて……みたいな状態やったんですよ。今は関わっている人も多いし、お客さんも増えてきた。この状況で遊びと思っていたらダメやなと思って、切り替えが徐々にできるようになっていきました。
みっけ まおは真面目なんですよ。いざやろうってなったときの真剣具合がすごくて。0.1秒でもバスドラずれたらギロって睨んでくるみたいな。最初はそれで冷や汗かいてたけど最近は慣れて逆転してきましたね。昔はそれにびびってたんですけど、今はその顔を見て吹き出しちゃうみたいな。
平成のまお ひどいなあ(笑)。
みっけ まおは表情が豊かだから、もうそれを見てるだけでおかしくて。まおは私とは真逆だから。私はけっこうぼんやりしてるほうだから、まおみたいに感情や表情がクルクル変わるのはうらやましいし、見ていて楽しい。
──ボケとツッコミみたいなバランスですね。
平成のまお そうじゃないとこんなに一緒にいれないですよ。みっけじゃなかったら、ここまで素を見せることができなかった。私は笑ってるかと思ったら些細なことで怒り出したりとか日常茶飯事で、普通の人だったら私といたらイライラしちゃうと思うけど、みっけは受け流してくれるから。
みっけ それを見て私はイライラするよりも笑っちゃうんですよね。
平成のまお だからこっちもありのままでいられて気を遣わないでいられるんですよね。
タイキロイドは一緒にいればいるほど謎が深まる
──1年前と比べて男性陣とは仲良くなりましたか?
平成のまお ちょっとやっぱり仲良くなったかもしれません。一緒に住み始めて。
みっけ ずっと壁があったからな。女子陣、男子陣で分かれてたというか。
平成のまお 私はTakumiと高校の同級生だからしゃべるけど、タイキロイドとみっけはSwimyで知り合った仲っていうのもあって、全然しゃべらんかったよな。私もタイキロイドとそんなにしゃべらんかったし。いまだにタイキロイドからは私らに話しかけてくることがあんまりない。それをいいことにみっけがタイキロイドをめっちゃパシリにしていて……(笑)。
みっけ パシリって(笑)。
平成のまお 夜中の2時3時とかに「自転車パンクしてるから迎えに来て」って呼びつけたりしてるやん。
みっけ 嫌やったら「イヤ」って言えばええやん。言わないから(笑)。でもこれは私なりの復讐なんですよ。Swimyに入った頃はめちゃくちゃナメられてたからな!
平成のまお まあまあ(笑)。タイキロイドは一緒にいればいるほど謎が深まるんです。もう1年半一緒に住んでるんですけど、未だに心で何を考えてるのかわからへん。不思議やなあ。
──お二人にとってTakumiさんはどういう存在なんですか?
平成のまお Takumiは怖いんですよ。
みっけ うん。怒るし。
──お父さん的な立場なんですかね(笑)。家族みたいな力関係に見えますね。まおさんがお母さんで、Takumiさんがお父さん、みっけさんが一人娘で、タイキロイドが孫の言うことを聞くおじいちゃんみたいな。
平成のまお よく言われますね。一緒に住み始めてそれがさらに色濃くなったような気もします。
4人がやっと同じスタートラインに立った
──そろそろデビューして1年経ちますが、お客さんとの関係や自分たちのモチベーションなど変わっていったことはありますか?
平成のまお これまでも4人で真剣に向き合ってきたつもりなんですけど、ほんまの意味で4人ですごく向き合うようになったなと最近よく思いますね。
みっけ なったな。
平成のまお 前はそれぞれがそれぞれの課題をこなしていく感じだったんですよ。今は4人でバンドのことを考える機会がすごく増えた。デビューをきっかけに関わる人がかなり増えて、みんなが自分らのために動いてくれてるんだから、自分らから率先して動いていかないとダメだっていう意識になって。新しいお客さんに知ってもらいたい、ずっと応援してくれてる人にもっと喜んでほしいとかすごく考えるようになりました。とにかく自分らの活動に対して喜んでくれる人が増えてほしい。関わる人を悲しませるのも喜ばせるのも全部自分ら次第だっていう自覚が無意識のうちに4人共に芽生えていって、デビューした頃とはだいぶ意識が変わりましたね。
みっけ 4人がSwimyというバンドに対して向き合う機会が増えたのは、一緒に住んでいることも大きく影響しているかもしれないです。
平成のまお そうだね。すぐに気になったことを聞ける環境になったから、お互いがどう思ってるのかわかるようになったというか。例えばメンバーの誰かがものすごく練習してるなとか一緒に住むとわかるんで、そういうのに刺激され合ってるのかもしれないです。タイキロイドは今でも言葉数は少ないけど、行動で示してくれるようになったしな。前までは「こういうことしたら?」ってアドバイスしても実行することも少ないし反応もないから、何を考えてるのかわからんなみたいなことがあったんですけど、今はそれを実践してくれるようになって。言葉で言わずともこの前言ったことを試してるんだなってわかるから、意識が変わっていることがわかりますし。4人共同じ速度で意識が固まってきたんだなって思いますね。
──人とわかり合うことをテーマにした「絶絶ep」と、バンド内の状況も近いものがあるのかもしれませんね。
みっけ Takumiもこのバンドのモードを感じ取ってこういう作品になっていったのかもな。
平成のまお それはあるかもしれんな。そういう意味ではかなり思い入れのある作品になりましたね。
──デビュー2年目になりますが、今後の活動はどうなっていきそうですか?
平成のまお 1年前って目の前のことをこなすみたいな感じで、次はこうなりたい、もっとこうしたいみたいな欲がなかったんです。でも今は4人共いい意味でも欲が出てたんですよ。衣装1つにしても、こういう作品ならこういう衣装がいいとか、ライブはこういう演出をしたいとか考える余裕ができてきました。現状と照らし合わせて、こうなるためにはこうしようとか考えるようになりましたね。
──4人の足並みがそろった、という感じでしょうか。
平成のまお まさにそうですね。同じスタートラインに立って、進んでいこうっていう気持ちです。
みっけ まだまだここからです。
収録曲
- 絶絶
- 僕の言葉で
- アナタキミ
- ナンカイ
- どうして
- isogi
Swimy「L.O.L page-1~縷々るル~」
- 2017年4月28日(金)東京都 shibuya eggman
- 2017年5月2日(火)京都府 KYOTO MUSE
Swimy(スイミー)
2011年に滋賀県で結成されたTakumi(Vo, G)、平成のまお(Vo, B)、みっけ(Vo, Dr)、タイキロイド(G, Cho)からなる男女混声トリプルボーカルの4人組ロックバンド。テレビアニメ「銀魂°」のエンディングテーマとして書き下ろした楽曲「あっちむいて」をシングルリリースし、2016年3月にアリオラジャパンからメジャーデビューした。6月にミニアルバム「おひとりさま」を発表。テレビアニメ「NARUTO-ナルト- 疾風伝」の2017年1月クールのエンディングテーマに提供した「絶絶」を含む新作CD「絶絶ep」を2月にリリースする。4月には東京、5月には京都で自主企画「L.O.L page-1~縷々るル~」を開催することが決定している。