音楽ナタリー Power Push - Swimy
変わらないようで実は変わった4人の関係性
Swimyを歌う「僕の言葉で」小悪魔感のある「ナンカイ」
──「僕の言葉で」は突然子供の声が入ってきたりするファニーなナンバーですね。
Takumi この曲は自分たちが音楽を好きになった頃のことを描きたかったんです。子供の頃は音階なんて気にせずただただ大きい声で歌うのが自分たちの中では音楽だった。だから音階とかがなくても音楽だったっていうことを表現したかったんですよね。あえて曲を一旦終わらせて、そのあとにチャイムが鳴って子供たちの声が聞こえてくる。朗読劇が始まったかと思わせて、実は曲の続きだという。不思議な展開の曲です。
──「みんなと一緒に歌いたい」というSwimyの原点を歌っている曲だなとも思いました。
Takumi そうですね。僕の中で「みんなと歌うこと」は音楽をやっている意味を一番感じる瞬間なので。
──「みんなで歌おう 僕の言葉で」っていう言葉はまさに、Takumiさんが書いた歌詞をみんなで歌おうっていうことですよね。子供たちは「ドレミと奏でてみた独奏 一緒にハモって二重奏 弦を弾いて三重奏……」と朗読していきますが、これってつまりはSwimyの音楽が生まれる過程のことを言ってるんだなと思いました。
Takumi まさにそうなんですよね。「Swimy好きです」とか「いつもSwimyの曲に救われてます」とか言ってくれてるファンの人、一緒にライブで歌ってくれる人がいなかったら僕は音楽を続けられてないと思うんです。僕は極端に自分に自信がないので。この曲で歌っていることはそういう気持ちで、みんながいてくれるなら、みんなに歌ってあげたいなっていう。この歌みたいに音を楽しんで1人でも多くの人と歌えたらいいねって思ってます。
──「ナンカイ」は女性に振り回される歌詞で、女性ボーカルが多く採用されています。
Takumi 今までは僕がメインボーカルを取ることが多かったんですけど、この曲に関してはみっけとまおがメインで歌ってくれています。この歌詞の内容を男が歌っているとなんかただの愚痴みたいなんですけど、女の子が歌うことによってこの歌詞の世界観に小悪魔感が出て、より聴いてる人の想像をかきたてるかなと思ったんです。
タイキロイド 「抱いてしまえばいい」ッテスゴイカシデスヨネ。マショウノオンナ……。
Takumi 最初は僕がその部分も歌っていたんですよ。女性陣に歌ってもらったら、楽曲の世界観がグッと広がった。結果すごくいい曲になったと思います。
10年経っても変わらない関係
──2人は出会ってどれくらいなんですか?
タイキロイド 10ネンクライデスネ。
──2人の関係は10年経って変わりましたか?
Takumi 全然変わらないですね。高校の頃にコピバンを組んだのが出会いなんですけど、2人の関係性はあの頃から変わらないです。音楽をやってるときも、共通の趣味のサッカーの話をするときもあの頃と一緒。
タイキロイド カワラナスギテギャクニコワイクライ。
Takumi そうだね。付かず離れずというか、ずっと同じ距離感。ケンカも特にしないしね。メンバー全員でいるとそのときモードの自分がいるのでなんかちょっと違うんですけど、2人になると本当に童心に戻るというか。テンションが当時と同じになりますね。
タイキロイド コンゴ、カワルコトッテアルノカナ?
Takumi ミリオンヒット出したら変わるかもしれないな(笑)。
──女性メンバーは、男性メンバーから見ていてどうですか?
Takumi 変わらないですね。
タイキロイド ズットジユウホンポウナカンジデスネ……。
Takumi 女子同士は女子同士で付き合いが長いからね。お互いにそういう相手がいるからか、出会った頃からみんなキャラは変わらないですね。成長してないってことなのかな(笑)。
“会いにきよるバンド”になりたい
──メジャーデビューからもうすぐ1年が経ちますが、ファンとの関係性など、変わってきたところはありますか?
Takumi 変わってないと思います。というか変わりたくないんですよ。聴いてくれているみんなの顔が見えていたからこの作品が作れたと思うし、僕にとってファンのみんなは言葉を紡ぐ上でとても大事な存在なんです。あと「絶絶ep」を作って、改めて聴いてくれている人の顔が浮かぶ状態で音楽を作っていきたいなと思いましたね。本当にそれを糧にして書いた曲ばかりなので。
──次作はどういう作品になりそうですか?
Takumi 「絶絶ep」で「ひとり」から「ふたり」になったので、作品としてもそうなんですけど、ライブとかでも第三者を巻き込む何かがしたいですね。今まで自分たちの企画とかもやってこなかったんですけど、今年は自主企画もやりますし。いろんなバンドやお客さんを巻き込めるようなことをしたいと企んでいます。僕は47都道府県ワンマンツアーをやることが昔からの夢なので、それに一歩でも近付きたいですね。会いにいけるバンドじゃなくて“会いにきよるバンド”になりたいです。
タイキロイド アイツラ、マタキヨッタデ……ミタイナ。
Takumi そうだね(笑)。何回でも会いに行きたいから。「Swimyってそんなものも見せてくれるんだ」って、ステージや音で見せていきたい。僕らにしかないトリプルボーカルという強みをもっと表現していきたいです。ひとり、ふたりと来て、次は3人。トリプルボーカルの3でもありますからね。次も楽しみにしていてほしいです。
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収録曲
- 絶絶
- 僕の言葉で
- アナタキミ
- ナンカイ
- どうして
- isogi
Swimy「L.O.L page-1~縷々るル~」
- 2017年4月28日(金)東京都 shibuya eggman
- 2017年5月2日(火)京都府 KYOTO MUSE
Swimy(スイミー)
2011年に滋賀県で結成されたTakumi(Vo, G)、平成のまお(Vo, B)、みっけ(Vo, Dr)、タイキロイド(G, Cho)からなる男女混声トリプルボーカルの4人組ロックバンド。テレビアニメ「銀魂°」のエンディングテーマとして書き下ろした楽曲「あっちむいて」をシングルリリースし、2016年3月にアリオラジャパンからメジャーデビューした。6月にミニアルバム「おひとりさま」を発表。テレビアニメ「NARUTO-ナルト- 疾風伝」の2017年1月クールのエンディングテーマに提供した「絶絶」を含む新作CD「絶絶ep」を2月にリリースする。4月には東京、5月には京都で自主企画「L.O.L page-1~縷々るル~」を開催することが決定している。