Swimyがニューシングル「僕と魚の物語」をリリースした。
ドラムのみっけが脱退し、3人編成になったSwimyから約1年ぶりに届けられる本作。NHK「みんなのうた」のために書き下ろされた表題曲や、聴き手の心を一瞬で高揚させるアップナンバー「しゅるる」、男女ツインボーカルの妙が堪能できる「天使と悪魔の歌」という3編の収録曲には、より自由な感性をもって音楽と向き合っている現在の3人の姿が鮮明に刻まれている。
今回音楽ナタリーではメンバー3人にインタビューを実施。みっけ脱退によってもたらされたバンドとしての変化やシングルの制作エピソード、そして3月23日に渋谷eggmanで開催されるワンマンライブへの意気込みを聞いた。
取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 上山陽介
3人での面白さを模索
──Swimyは昨年7月1日にドラムのみっけさんが脱退して3人編成となりました(参照:Swimyのドラマーみっけが脱退、当面のバンド活動は3人で継続)。バンドとして大きな出来事だったと思いますが、そこをどう乗り越えたのでしょうか?
Takumi(Vo, G) 僕は高校生のときにバンドを初めて組んだんですけど、ドラムがいない状態で制作やライブをすることは今まで一度もなかったんです。だから3人になった当初はいろいろ試行錯誤しながら、手探りで活動していた状態で。
平成のまお(Vo, B) 3人になってもこれまで以上のものを見せていこうっていう前向きな気持ちはすごくあったんですけど、やっぱり不安になってしまうことも多くて。ライブでは生ドラムのオケを流していたのでドラムの音が鳴っているのにステージ上にはドラマーがいないっていうことにすごく違和感があったし、かと言ってリズムを打ち込みのものに差し替えてみると、それはそれで今までの曲の印象がガラッと変わってしまう。どこにベストがあるのかっていうバランスを探りながらいろんなことを試しましたね。その中で徐々に「これや!」っていうスタイルが見えてきた感じやったと思います。
Takumi 結果的にバンドとしての自由度がすごく上がったんですよ。僕らはデモをDAWソフトで作ることが多いんですけど、今までは打ち込んだものを生に置き換えてライブで再現していたんです。でも今はそこに境目がなくなったと言うか。デモのサウンドの延長線上にライブがあるという感覚になったんです。
──そのあたり、もう少し詳しく教えてもらえますか?
Takumi みっけがいたときは「このフレーズだと実際に叩くのは厳しいかな」とか「あまり打ち込みっぽくしすぎるとみっけがいる意味なくなっちゃうよな」みたいなことをデモの段階から考えて曲を作っていたんですよね。でも今は、もうどんなリズムでも大丈夫と言うか。自分のイメージをダイレクトに曲へ落とし込めるようになったので、制作面での縛りがなくなって選択肢の幅がかなり広がった気がしていて。そこは1つのメリットなのかなとは思うんですよね。
平成のまお 最近のライブではタイキロイドがセンターにいてDJっぽい立ち位置になってますからね(笑)。ステージ上での見せ方も新鮮な感じがあると思います。
タイキロイド(G, Cho) パソコンノキーヲオシテ、オケヲスタートサセルダケデスケドネ。サイショハソウイウスタイルニモナレナクテ。ヤガイデノライブデハ、ネツデパソコンガトマッテシマウコトモアッタノデ、ケッコウタイヘンデシタ。デモイマハダイブナレテキテ、タノシクデキテイマス。
──そもそもの質問ですけど、サポートドラムを入れなかったのはどうしてなんですか?
Takumi 一番の要因は人見知りだからなんですけど(笑)。
平成のまお そうだね(笑)。
Takumi でも3人になったからには3人で面白い感じでやっていくことをまず考えてみようよっていう気持ちが強かったからだと思います。この3人で新しいSwimyの形を生み出せないことには、お客さんからしたら単純に「ドラムのみっけさんがいなくなってしまったバンド」ってだけの受け取られ方しかしないと思ったので。いろいろ模索したうえで限界を感じたときにはサポートをお願いすればいいんじゃないかなって。
ツインボーカルの面白味を感じる
──もう1つ、これまでのSwimyは男女混声トリプルボーカルが大きな武器になっていたところもありますよね。それが男女混声ツインボーカルになってしまったことに関してはどう捉えていますか?
Takumi そこも、あまりネガティブには考えてはいないですね。ツインボーカルになったことで今まで以上に男女の掛け合いを意識するようになったんです。男女1対1だからこそ面白く聞こえるハーモニーもあるはずなので、そこを考えるのがすごく楽しくて。
平成のまお そもそも初期のSwimyはツインボーカルで活動していて、2013年にみっけが加入したことでトリプルボーカルになったんですよ。だから今のスタイルに新鮮さはありつつも、昔に戻った感じでもあるっていう。例えば恋愛の曲だと男女ツインボーカルだからこそわかりやすく構成できるところもあると思うので、そこには改めて面白味を感じているところもありますね。
──今後は歌に関してもタイキロイドさんの出番が増えてもいいわけですしね。
タイキロイド ア、モウジッサイコーラスガバクハツテキニフエテイテ。リードギターヲヒキナガラコーラスヲスルノハシンセンダシスゴクタノシイデス。
平成のまお そういう意味では今も3声のままなんですよ。男子が2人になったからちょっと低音が増えましたけど(笑)。
──ちなみにSwimyはメンバー全員が一緒にシェアハウスで生活しているんですよね。みっけさんが去ったことで寂しさはないですか?
Takumi そこに関してはちょっと寂しいですよね。
平成のまお うん。男子2人は基本、部屋にこもるタイプなんで、前はみっけと私の2人がリビングでキャッキャしてたんですよ。でも今は私1人でバラエティ番組を観ながらケラケラ笑ってる感じで。テレビに救われています(笑)。
次のページ »
「みんなのうた」に書き下ろした「僕と魚の物語」
- Swimy「僕と魚の物語」
- 2018年1月10日 / アリオラジャパン
-
[CD]
1000円 / BVCL-856
- 収録曲
-
- 僕と魚の物語
- しゅるる
- 天使と悪魔の歌
公演情報
- Swimy ツーマンshow!! L.O.L page-2~二重奏~
-
2018年3月3日(土)京都府 KYOTO MUSE
<出演者>
Swimy / バンドごっこ
- Swimy ワンマン show!! L.O.L page-2~独演会~
-
2018年3月23日(金)東京都 shibuya eggman
- Swimy(スイミー)
- 2011年に滋賀県で結成された男女混声のロックバンド。テレビアニメ「銀魂°」のエンディングテーマとして書き下ろした楽曲「あっちむいて」をシングルリリースし、2016年3月にアリオラジャパンからメジャーデビューした。6月にミニアルバム「おひとりさま」を発表。テレビアニメ「NARUTO-ナルト- 疾風伝」の2017年1月クールのエンディングテーマに提供した「絶絶」を含む新作CD「絶絶ep」を2月に発売した。2017年7月にみっけ(Vo, Dr)が脱退。以降、Takumi(Vo, G)、平成のまお(Vo, B)、タイキロイド(G, Cho)の3人体制で活動を行っている。2018年1月にNHK「みんなのうた」のために書き下ろした「僕と魚の物語」をシングルでリリース。