それぞれのアイデアがバチッと噛み合った感覚
──ダンスパフォーマンスについてもお聞きしたいのですが、美術館のクラシカルなホールで撮影されたミュージックビデオ、衣装も含めとてもスタイリッシュですね。
玲於 振りはコレオグラファーのDAIKIさんが作ってくれたものなんですが、ジャスティン・ティンバーレイクにリスペクトを捧げて作ったものなんです。衣装もMVの雰囲気も“ジャスティン”という共通テーマを持って、みんなで世界観を作り上げていきました。振りの中にジャケットを持つ動きがあるんですけど、DAIKIさんの振り入れ前に(古川)毅が考えてくれていた衣装がちゃんとジャケットスタイルだったりと、それぞれのアイデアがバチッと噛み合った感覚なんですよ。
颯 ジャケットスタイルで、ハットを被ってのダンスっていうのは初めてだったよね。スタイリッシュさを強く意識したダンスなので、1つひとつのシルエット、ポーズもそれぞれに研究して……どんなタイミングでシャッターを切られても決まるような身のこなしができるように努力しました。
楽 細かい動きはすごく気にしました。手先や足の先までしっかりと意識を持たせたパフォーマンスだと思います。あと、この曲は振り数が多いわけじゃなく、1つひとつの動きの形が見えやすいものになっているので、すっきりしているけれど見応えのあるものになっているかなと。
──確かにそうですね。
楽 あとMV撮影の裏話的なところで言うと、撮影場所の床がツルッツルで、しかもちょっとだけ段差があったんですよ。足を滑らせる動きのときに引っかかっちゃったりもして、そのあたりは少し苦労しました(笑)。
──7月リリースの「Summer Party」と同様に今回も衣装は毅さんが担当されたということで、皆さんのお気に入りポイントを教えてもらえますか?
壮吾 ダンスとすごく合った衣装なのが自分は気に入っています。こういう格好でMVを撮ることも今までなかったので、そこの新鮮さは皆さんにも感じてもらえるんじゃないかな。
ジャン MV撮影って、通常ならば顔をしっかり見せたいという意図があると思うんですけど、今回はより世界観や雰囲気を重視するためにハットを被るというアイデアを毅が考えてくれて。パフォーマンスをしっかりと見せにいく姿勢がスタイリングにも表れているのがいいなと思います。今まで以上に、スタイリングと楽曲の世界観がマッチしたと思いますね。
彪馬 なんか、洸希のハットの斜め被りにこだわってたよね。
洸希 そうそう。「被り方どうしようね」って話しながらいろいろ試してたんですけど、斜めに被ってみたらピンときたみたいで「いいやん!」と(笑)。毅くん、メンバー1人ひとりの帽子の形から被り方までこだわって決めていたので、本当にかなり気合いが入った衣装だなと思います。
玲於 おかげで、最近は衣装合わせが長いんだから!(笑)
和哉 こだわり強すぎてね(笑)。
玲於 これまでだったら30分もあれば終わってたんですけど、最近は毅がいろんな合わせを試して、メンバーのイメージやバランスを考えて組み合わせていくので、1時間以上かけることもざらになりました。衣装、曲、ダンスと、どんどんこだわる部分が増えてきていて、そういう意味ではメンバーの意識というか、スパドラ全体の意識がより上がってきているのかなと思います。
絶え間なく動いている充実感
──それにしても、皆さんすごく忙しそうに活動されているのに、すでにMVも完成していることにびっくりしました(取材は9月初旬に実施)。
壮吾 毎月新曲リリースでMVも2カ月に一度のペースで作っているし、合間でダンスプラクティス動画も出したり……本当に絶え間なく動いている充実感がありますね。
颯 自分が参加できないタイミングで制作に関する動きがあったときなんかは、メンバーにいろいろ共有してもらったりとか。そういう意見交換も空き時間を見つけてやったりします。あとは、それぞれが自宅でちゃんと練習しているからこそ、このペースで進めている部分はあるよね。
──そうなんですね。先ほどLINE通話の機会が増えたというお話もありましたけど、これまでとは違うペースで進んでいるからこそ、メンバー同士のコミュニケーションの密度が高まっている感じはあります?
一同 ああー。
ジャン そうかもしれないね。
和哉 確かに、それはすごくあると思います。ダンスのことだったらダンサー組が発信してくれる量がめっちゃ増えたし、楽曲に関しても、俺、ジャンくんとこんなにLINEしてたこと、これまでないと思う。
ジャン 確かにな(笑)。
和哉 そういったメンバー間のコミュニケーションは、すごく増えたと思いますね。
毅くんがパートナーで本当によかった
──今日は残念ながら毅さんが参加できなかったので、最後は毅さんのお話で終われたら。“SUPER★DRAGONにおける古川毅”は、皆さんにとってどのような存在でしょう?
玲於 そうですね……歌やラップ、ダンスなどさまざまな面で、メンバーそれぞれが役割を持ってほかのメンバーを引っ張ってくれていますけど、毅はそれとは少し違う部分……9人をまとめるという部分でグループを引っ張ってくれている感覚があります。彼は思いを言葉にするのがメンバーの中でもダントツにうまいので、皆さんの前に立ってグループとしての思いを伝えるときなんかは、本当に頼りになるなって。
ジャン 昔から熱い男ですし、彼の中には常にみなぎるものがあるので、そのパワーに俺らの闘志が触発されることもよくあります。個人的には、制作やグループのことを一番よく話すのが毅で、2人でメシを食いながら熱く語ることもけっこうあるんですけど、間近で彼の思いを聞くと、本当にスパドラのことを深く考えているし、「こういうことをやりたい」というビジョンがしっかりあるんですよね。グループを引っ張ってくれるマインドがすごくあるなと、常に感じてます。
──彪馬さん的には、毅さんはボーカルとしての相棒のような存在なのかなと思いますが、いかがでしょうか。
彪馬 そうですね。毅くんに頼るところは頼って、「ここは僕じゃなきゃ」っていう部分は僕が引っ張って……と、お互いを高め合う相互作用を感じられる存在なので、自分がボーカルをやるうえで、毅くんがパートナーで本当によかったなと思います。気軽に悩みを相談できる存在でもあって、ボーカルとしてだけじゃなく、自分の精神面においても、いいお兄ちゃんみたいな感じ。ホントに兄弟みたいな関係性でやっていけてるなと思うんですけど、それも彼の人間性のおかげだと思うので。いろんな面で引っ張ってもらっていますね。
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古川毅 インタビュー