僕、裸にならせていただいて

──「SWEET DEVIL」、ドラマのテーマ曲ながら「攻めたな」と感じる曲調が印象的ですね。

和哉　そうですね。ドラムンベース、スクリーモと、これまで僕らがやったことのない要素が盛り込まれた曲なんですが「勢いに任せる」じゃないけど……ちょっと自虐的に描かれている恋愛の歌詞も含めて、若さとそれゆえの勢いを生かした曲になってるかなって思います。

ジャン　同じように疾走感がある「ワチャ-ガチャ！」とは違う勢いがあるよね。ラップ組もボーカル組も、歌詞の世界観を理解しつつ雰囲気を出せた曲だなと思います。

──語尾をしゃくりあげるようなパワフルなラップパートが印象的だったんですが、ラップ組のジャンさんと和哉さん、どうやってこの表現に行き着いたんですか？

和哉　ここは曲の主人公の弱さと言うか、女子に振り回されている感じが特に出ているかもしれないです。

ジャン　そうだね。僕は歌うとき、その曲の世界観にすごく入り込んでしまうんですけど、今回は特に熱くなって。

──そうだったんですね。

ジャン　はい。熱く歌い上げるような表現をするときは本当に身体が熱くなっちゃってすごく汗かいたりするんで……今回レコーディングでは僕、上半身裸にならせていただいて。

颯・和哉　“裸にならせていただいて”（笑）。

ジャン　そんな状態でラップしましたね（笑）。「Ringing, Love」のラップもそうなんですけど、この曲のラップはラップをやり始めた当時のがむしゃらで必死だった自分の表現に近いと思います。最近は大人っぽいラップと言うか、そんなにガツガツいかない楽曲が多かったんですけど、今回はカップリングを含めてガリガリ……。

和哉　“ガリガリ”は自分のことでしょ（笑）。

ジャン　間違えた、ゴツゴツなイメージということで（笑）、ディレクターには「行き過ぎるくらいやっていいよ」と言われて歌ったんですけど、どうやら“行き過ぎる”のさらに上へ行ってしまったみたいで、結局「もうちょっと押さえて歌おうか」って言われました（笑）。とにかく暴れたんで、そのがむしゃら感は伝わるかなと思います。

──ちなみに、和哉さんはジャンさんと同じ格好にはならず……？

和哉　はい。僕はTPOをわきまえました。

一同　あはははは！（笑）

──颯さん、「SWEET DEVIL」の中で気になるパートはありますか？

颯　やっぱり、“小悪魔女子”のことを「攻撃的でシド・ヴィシャスのような」と表現する歌詞ですかね。この表現はすごいなって思います。

和哉　どんなハードな人生を歩んできた子なんだろう、って思うよね。

──ここの表現は確かにすごいですよね。皆さんは“シド・ヴィシャスのような”女の子、追いかけたくなります？

一同　うーん……！

ジャン　僕らにはまだ早いような気がしますね！（笑）

“ヘタレ男子”だからじゃない？

──では、「SWEET DEVIL」のダンスパフォーマンスに関してはいかがですか？

颯　今回クランプダンスが本格的に振り付けに盛り込まれていて。僕、去年くらいから個人的にクランプに興味を持ち始めて、練習をしてソロパフォーマンスなどで披露させてもらっていたんです。だからより一層研究して、いいパフォーマンスができたらなという思いでした。しかも「SWEET DEVIL」のクランプは「シンクロ」がテーマで、9人で息を合わせないといけないんですよ。クランプってほかとは違った難しさがあって、合わせにくいジャンルのダンスなんです。なのでメンバーそれぞれが何回も練習して、少しでも迫力のあるパフォーマンスに見えるようにがんばっているところですね。

──クランプは振りをそろえにくいんですね。

ジャン　難しいですね。瞬間瞬間で力を入れるし、その力の入れ加減も人によって違うし。あと振り付けのことで言うと、“デビル要素”の1つとして、わかりやすい「デビルポーズ」のほかにサビ部分で悪魔のしっぽを再現している部分もあるんです。ここはすごくさりげない動きなので、探してもらえたら面白いかもしれないです。曲の冒頭には“スパドラの小悪魔”と言われている楽が最初に立ち上がって、そのあとにほかのメンバーを引き上げる動きもあって。そうやってところどころに小悪魔をイメージした要素が散りばめられているので、いろいろ感じ取って考えてもらえたら、より楽しいかなと思います。

──ちなみに、TYPE-Aのジャケット写真では洸希さんの影が悪魔になってますけど、これには意味があるんですか？

颯　位置関係？

一同　あはははは！（笑）

ジャン　“ヘタレ男子”だからじゃない？（笑）

和哉　いろんな“伏線”が隠されているスパドラなので、洸希の真の姿がどこかで暴かれるのかも。

ジャン　あ、それで思い出しましたが、もう1つ豆知識を。歌詞カードに額縁を持っている“女性の手”が写っているんですが、それ、実は僕の手なんですよ。自分で言うのも恥ずかしいけど、よく「女性っぽい手だね」って言われるんです。なので今回は付け爪を付けて、手で女性役をやってみました。