STU48、やるじゃん!
──石田さんと中村さんは、11thシングルで曽川さんが初センターを務めると知ったとき、どう思いましたか?
中村 「STU48、やるじゃん!」と思いました!
石田 私もまったく一緒! 今、一言一句同じ言葉を言おうとしてたよ!(中村とハイタッチ)
中村 今までのSTU48のセンターって、けっこう順当に選ばれてきたと思うんです。みんなが「次はこの子かな」と思うメンバーが実際に選ばれてきた。だけど今回は、さっちーを予想していた人もいたけれど、今までのSTU48の傾向とはまったく違って、思い切った大抜擢をしてきたから「やるじゃん!」って。
石田 STU48の新たなチャレンジが始まったと思いました。そして、さっちーがセンターを務めることでさっちー自身が成長するのはもちろん、周りの2.5期生や3期生にもきっといい影響があるはず。グループ全体の実力の底上げにもつながると思っています。
──では、曽川さんの魅力や強みはどういう部分でしょうか?
中村 さっちーの魅力はたくさんあります。ビジュアルも、歌声も素敵です。
石田 さっちーは歌が本当にうまいんです。STU48東京劇場の「STU48 SHOWCASE LIVE!」でさっちーが歌う「Sweaty Smell」を聴いたとき、透明感がすごくて感動しました。アイドルというよりシンガーみたいで、この声は武器だなと思いました。そしてダンスもいいんですよ。集団の中で踊っていても目を引く。だからただ単に「顔がかわいい」だけじゃなく、パフォーマンス力も評価されてセンターに選ばれた子だと思っています。あと、性格がサバサバしているところが個人的に好き。普段は後輩というよりも友達みたいな感じで接しています。そこまで「後輩!」という感じはしないかな。
中村 後輩感はないんだけど、たまに「お母さん」とか「ママ」と言ってきます(笑)。
──えっ、それは誰が誰に?
曽川 私が千穂さんと舞Q(中村)さんをママと呼んでいます。
石田 私たちを慕ってくれるのはうれしいし、さっちーのことはかわいいと思っているよ? でも、さすがにママと呼ぶのは勘弁してほしい(笑)。
──曽川さん自身は、アイドルとしての自分の武器や強みはどういう部分だと捉えていますか?
曽川 周りの方からはパフォーマンスを褒めていただくことが多いです。私自身もパフォーマンスに一番力を入れていますし、一番褒めてもらいたい部分なので、胸を張って「パフォーマンスが武器です」と言えるようにこれからたくさん磨いていきたいです。
“新感覚昭和歌謡”でバズりたい
──11thシングル「地平線を見ているか?」では、夢を追いかける主人公の挫折と葛藤が昭和歌謡サウンドに乗せて歌われています。
曽川 歌詞を読んでいただくと、この曲のストーリーや情景がパッと浮かぶと思いますし、夢を追いかけている方にはきっと共感していただける部分がたくさんあるんじゃないかな。昭和っぽい曲調も魅力なので、ぜひこの曲の世界観に浸りながら聴いてほしいです。
中村 一度聴いたら耳に残る、キャッチーな楽曲です。最近の曲って、歌詞の文字数がとても多くないですか? 「この尺でこんなに歌詞があるの!?」みたいな(笑)。だけどこの曲は昭和歌謡テイストでメロディもゆっくりだし言葉数も多くない。すごく親しみやすくて歌いやすい曲なので、世代を超えていろんな方に楽しんでもらえるんじゃないかなと思っています。哀愁漂う感じが私も気に入っています。
石田 今までのSTU48の楽曲とは全然違うので、逆に新しいなと思いました。曲調は昭和歌謡だけど、歌詞の中には現代っぽい部分もあって。そして、最近は海外で昭和歌謡が流行っていると聞くので、この“新感覚昭和歌謡”が世界のいろんなところで流れたらうれしいです。
──確かに近年のアイドル楽曲のトレンドとはまた違ったアプローチなので、新鮮に感じる方もいるでしょうね。
石田 「花は誰のもの?」(2022年4月発表の8thシングル)のときも、今までのアイドルはなかなか歌うことのなかった戦争や平和をテーマにした歌詞を、秋元康先生がSTU48に託してくださいました。そして今回も「地平線を見ているか?」という曲をくださったことには意味があるはず。「昭和歌謡のブームに乗って、世界に向けてがんばれ!」という秋元先生からSTU48へのエールなのかなと感じて、うれしかったです。
──曽川さんは現在19歳ですが、昭和歌謡に馴染みはありましたか?
曽川 昭和歌謡というジャンルを特別に意識したことはなかったんですけど、昔懐かしい音楽は好きでよく聴いています。最近のお気に入りの曲は、沢田知可子さんの「会いたい」。松田聖子さんの「赤いスイートピー」も好きですね。歌いやすい曲が多いのでカラオケでもよく歌います。なので「地平線を見ているか?」の曲調も好きでスッと馴染みました。
──この取材の時点ではまだミュージックビデオは完成していないですが、どのような内容になるんでしょうか?
石田 「夢が叶う時まで会わずにいよう」という歌詞のテーマの通り、夢を追いかけるさっちーと彼女を見送るメンバーの姿が描かれたMVになっています。
曽川 監督さんからは、「見送る側と見送られる側」がMVのテーマになっていると伺いました。
中村 哀愁漂うしんみりとしたMVになっているので、ぜひメンバーの表情に注目してもらえたらと思います。
──曽川さんは選抜として初めてのMV撮影はいかがでしたか? MV撮影は過去に3期生楽曲「幽体離脱と金縛り」で経験されていますが、曲調も全然違いますしまた新たな感覚だったのではと思います。
曽川 はい。「幽体離脱と金縛り」とは違って今回は演技が多くて。特に表情の演技が難しくて、かなり苦戦しました。逆に、ダンスシーンはあまり緊張しませんでした。自分が一番映るポジションなので「ちゃんとしなきゃ」と強い意識は持ちつつ、背中に先輩方の温かみを感じたので安心して踊れました。
石田 よかった! 安心してもらえたなら何よりです。
──これから「地平線を見ているか?」をライブやメディアなどさまざまな場所で披露していくと思います。聴く人にどのように受け止めてもらいたいですか?
石田 もし歌番組で歌う機会をいただけたら、きっと私たちのことを偶然目にする方もたくさんいるはず。「地平線を見ているか?」は曲調も歌詞も世代を超えて刺さる曲だと思うので、この曲を通じてSTU48を好きになってもらいたいです。
中村 夢を追いかけている方の背中を押せたらと思いますし、昭和歌謡をリアルタイムで聴いていた世代の方にも好きになってもらえるんじゃないかな。昭和の歌謡曲は令和の今になっても愛されている曲がたくさんあるので、「地平線を見ているか?」も令和からその先の先までずっと愛してもらいたいなと思います。
曽川 最近は明るくてポップな曲がSNSでよくバズっていて、大人っぽくてしんみりしたアイドルソングは逆に少ないと思うので、こういう新たな路線でバズってみたいです。
ステージが私たちの生きる場所
──2025年のSTU48は曽川さんがセンターという新たな布陣で活動をスタートさせます。2025年をどのような年にしたいか、ぜひ展望を聞かせてください。
石田 まず今のSTU48が見据えているのは、春に東京と広島で開催される「STU48 8周年コンサート」です。特に東京公演の会場は、STU48にとって最大規模となる東京ガーデンシアター。今の私たちにはチャレンジになるので、一致団結して目標に向かって進み、グループの絆も強くなればいいなと思っています。
中村 2022年に始まった「花は誰のもの?」公演以来の新公演もこれから始まる予定なので、楽しみにしていただけたら。公演、たくさんやりたいですね。やっぱりステージが私たちの生きる場所ですから!
──公演といえば、東京での定期ライブが2024年秋にスタートしました。STU48がライブを開催する際にキングレコード直営ライブハウスである池袋のClub Mixaを「STU48東京劇場」と呼んでいるわけですが、活動拠点の瀬戸内だけでなく、それ以外の場所でも精力的に活動していますね。
石田 私たちは瀬戸内が好きですし、たくさんの方が瀬戸内に来てSTU48に会いに来てほしいと思っていて。そのためには、STU48の魅力を東京などいろんな場所で発信していく必要があると思っています。STU48東京劇場のライブには私も出演しているんですけど、お見送りのときに「初めて来ました」という方が想像以上にいらっしゃるんです。仕事終わりにスーツで来られている方もいて。8周年コンサートや瀬戸内での公演にも来てもらえるようにもっとアピールしていきたいです。
曽川 「地平線を見ているか?」をはじめ、STU48は楽曲もメンバーのビジュアルも人柄もさわやかで、まさに瀬戸内らしさが詰まったグループです。多くの方にSTU48の魅力に触れていただき、好きになってもらいたいです。
──曽川さんはセンター就任早々8周年コンサートという大イベントが待ち受けており、責任重大ですね。
曽川 年明けから11thシングルのリリースがあり、めちゃくちゃ気が引き締まります。気を引き締めたまま2025年を駆け抜けていきたいです。
──「センターの私がSTU48を引っ張っていくぞ」くらいの気持ちでしょうか?
曽川 ……お二人に支えてもらいながら(笑)。
中村 それはもう支えますよ!
石田 何か思ったことがあればいつでも私たちに言ってくれたら。弱さを世間に発信する必要はないけれど、私たちは受け止めるので。
中村 さっちーは今のままで魅力がいっぱいだから、そのまま突き進んでいいんだよ。あとは私たちが優しく包み込みます!
曽川 うれしい……本当に心強いです。がんばります!
プロフィール
STU48(エスティーユーフォーティーエイト)
国内6番目のAKB48の姉妹グループとして2017年3月に誕生。瀬戸内地方を本拠地とし、1つの海と7つの県を拠点に活動している。2018年1月にメジャーデビューシングル「暗闇」を発表した。同年7月には平成30年7月豪雨の被災地への支援プロジェクト「がんばろう!瀬戸内」を立ち上げ、公演に合わせて街頭募金などを行ったほか、9月からチャリティコンサートツアーを実施。2019年4月には瀬戸内海を舞台にした船上劇場・STU48号がオープンし、同年11月より初の全国ツアーを行った。2021年1月に東京・日本武道館で単独コンサート「新春STU48コンサート2021~瀬戸内からGO TO 武道館~」を開催。同年5月にSTU48号での公演は終了したが、その後は瀬戸内エリアを中心に会場を固定せずに各地を巡る形で公演が行われている。2022年4月に8thシングル「花は誰のもの?」をリリースし、ロングヒットを記録。2024年5月に初のアルバム「懐かしい明日」を発表し、2025年1月に3期生・曽川咲葵をセンターに据えた11thシングル「地平線を見ているか?」をリリースした。