ストレイテナー 結成20周年企画 第1弾 ホリエアツシ×ナカヤマシンペイインタビュー|まっすぐ歩き続けたバンドの原点

ストレイテナー バイオグラフィ 1998~2004年

思い描いている理想に辿り着かない時期

──ここから先はオフィシャルサイトに掲載されているストレイテナーの年表をもとに、バンドの歴史を振り返っていただければと思います。まずは結成当初の1998年頃から。

1998年
ストレイテナー始動。 渋谷、下北沢、新宿、八王子などでライブ活動。
下北沢ハイラインレコードでオリジナルデモテープを委託販売。
2000年
  • 6月25日 インディーズ1stシングル「戦士の屍のマーチ」をリリース。
  • 7月25日 インディーズ1stミニアルバム「STRAIGHTEN IT UP」をリリース。
  • 12月10日 インディーズ2ndシングル「ANOTHER DIMENTIONAL e.p」をリリース。

ホリエ 僕とシンペイは1997年に上京してきて、八王子でほかのメンバーと一緒にストレイテナーって名前じゃないバンドをやってたんです。何本かライブをやってたんですけど、八王子で知り合ったメンバーは1年で脱退しちゃって。そのときにメンバーを探そうとしてたんですけど、とにかく早くライブがやりたくて、2人だけでもいいからライブをやり始めたのがストレイテナーの最初なんです。最初はデモテープを配ったり、ハイラインレコーズで200円とか300円とかで音源を販売してたりして。なんとか知ってもらうためにカセットテープを持って八王子から下北沢まで通ってライブをするような日々でしたね。デモテープって1回で10本くらいしか店舗に置いてもらえないんですけど、タイミングによっては1週間とかで10本売れちゃうときもあったんです。お店から「デモテープがなくなったから持ってきて」と連絡をもらったときはうれしかったですね。

ナカヤマ ただ僕らと同じレーベルから出してた似たような形態のバンドのCDが何千枚も売れてて、それに比べたら僕らは全然売れなくて。自分たちが思い描いている理想にはなかなか辿り着かない時期でしたね。

ホリエアツシ(Vo, G, Piano)

ホリエ CDデビューが決まって2000年に「戦士の屍のマーチ」をリリースするんですけど、「CDデビューしたらこうなるだろう」って思い描いてた理想と現実は全然違いました。2000年頃ってインディーズバンドのブームだったんですけど、僕らは全然注目されなかったんですよ。集客も思ったより増えなかった。今思えばおそらく2人時代のストレイテナーってすごく形容しにくかったんだと思います。ジャンルも明確じゃなかったし、2人だけってスタイルも売りにくかったのかもしれないですね。インディーズデビューのときのキャッチコピーも「若干21歳の」とか「アクロバティックな」とか、別に売り文句になってなかった気がします。

──当時の音源について、何か思い入れはありますか?

ホリエ 「戦士の屍のマーチ」はけっこう自信があったんですけど、レコーディングがうまくいかなかったんです。

ナカヤマ ライブも音源もプロモーションも、当時は「なんでうまくいかねえんだろう」って腐ってたんですけど、今思うと全部自分たちのせいなんですよね。

ホリエ そうだったね(笑)。

ナカヤマ 「そりゃそうだよな」って今は思うんですけど、それが不思議と嫌じゃないと言うか。あのときスターになってたら今の僕はここにいないかもしれないわけですから。

「本当にカッコいい」と思えたバンドとのつながり

──2001、2002年にはほかのバンドとのスプリット音源をリリースしています。そのうちの1組、ART-SCHOOLには後にストレイテナーのメンバーとなる日向(秀和)さんと大山(純)さんが所属していました。

2001年
  • 1月10日 インディーズ2ndミニアルバム「ERROR」をリリース。
  • 8月25日 the PeteBest とのスプリットアルバム「DRAGORUM」をリリース。
  • スプリットライブツアーthe PeteBest / ストレイテナー SPLIT TOUR "DRAGORUM"を全国7ヶ所にて敢行。
2002年
  • 3月6日 ART-SCHOOL とのスプリットカセットをリリース。「UNICORN」を収録。
  • スプリットライブツアーART-SCHOOL / ストレイテナー Wレコ発 SPLIT TOURを東名阪3ヶ所にて敢行。
  • 4月5日 インディーズ3rdミニアルバム「SKELETONIZED」をリリース。
  • 10月9日 自主レーベルghost recordsを設立、マキシシングル「SILVER RECORD」をリリース。
  • 11月 東名阪3ヶ所にてライブツアー"LOST WORLD TOUR"を敢行。
    初日の下北沢SHELTERは、ストレイテナー初のワンマンライブとなる。

ホリエ ストレイテナーってひねくれたバンドだったんですけど、ART-SCHOOLもひねくれてて。お互い“ひねくれ代表”みたいな存在だったんです。それで僕らはART-SCHOOLをカッコいいと思ってたし、ART-SCHOOLのメンバーもストレイテナーをカッコいいって思ってくれてたので、レーベルの垣根を越えてスプリットカセットを作って、一緒にツアーを回ったりするような仲になったんです。いろんな先輩方やバンド仲間がいましたけど、同世代であそこまでファンになったバンドはART-SCHOOLが初めてでしたね。

──2002年11月にはストレイテナー初のワンマンライブがありました。当時のことは覚えていますか?

ナカヤマ 全然覚えてないんだよね(笑)。

ホリエ SHELTERですよね。確かノンストップで18曲ぐらいやったんですよ。それぐらいの記憶しか僕にもないですね。

──ちなみに2人時代のライブを今振り返ってみてどうですか?

ホリエ 2人の頃のライブってテンポもチューニングも気にしてなくて。ブルドーザーで突っ込んでいくような強引なライブばっかりやってたと思います(笑)。ライブを重ねていくうちにだんだんとアレンジの重要性に気付いたり、楽曲のスケールに見合ったパフォーマンスを努めるようになったりしてきた感じですね。

3人のリハを観て細美くんがひっくり返った

──日向さんがサポートメンバーとして初めてストレイテナーのライブに参加したのは2003年7月のライブです。

2003年
  • 4月16日 自主レーベルghost recordsよりマキシシングル「Silent Film Soundtrack」をリリース。
  • 5月 "NEVERLAND TOUR"全国6ヶ所を敢行。
  • 7月31日 渋谷CLUB QUATTRO(ELLEGARDEN主催イベント)のライブにBASSIST日向秀和初参加。
  • 8月31日 "RUSH BALL"のオープニングアクトとして初の夏フェス出演。
  • 10月~ ASIAN KUNG-FU GENERATIONとの全国7ヶ所対バンツアー。
  • 10月16日 メジャー1stシングル「TRAVELING GARGOYLE」をリリース。MTV "Hot Seat"を獲得。
  • 11月23日、12月12日 ワンマンライブ"TRAVELING SPEED CITY"を11月23日渋谷CLUB QUATTRO、12月12日大阪LIVE SQUARE 2ND LINEにて行う。
2004年
BASSIST日向秀和が正式に加入。

ホリエ ELLEGARDEN主催のイベントに出るときに、突然3人でステージに上がってひなっちを含めた3人でのライブを披露したんです。特に告知もしてなかったから、みんな驚いただろうな(笑)。

ナカヤマシンペイ(Dr)

ナカヤマ 初めて3人で合わせたときのことは覚えてますね。「これはすごいことができるぞ」って空気感になったんです。ただ初ライブのことはやっぱり覚えてない(笑)。

ホリエ ライブのリハーサルで細美(武士)くんが僕らのステージを観てひっくり返ってたんですよ。「やべえなこれ」とか言ってて。

──今でも交流があるASIAN KUNG-FU GENERATIONとの対バンツアーがあったのも2003年ですね。

ホリエ アジカンと初めて対バンしたのはその1年か2年前で、ストレイテナーはまだ2人でした。ゴッチ(後藤正文)はART-SCHOOLのファンだったから。

ナカヤマ 2003年のアジカンとのツアーのときは各地でもう1組ゲストバンドを入れてて、新潟はゲストがART-SCHOOLだったので、そこだけひなっちはART-SCHOOLとして出てました。

ホリエ 2003年末まではひなっちのスケジュールが合わない日は2人でライブをやってたんですけど、2004年を機に僕が「ひなっちなしではもうライブはやらないことにします」って言ったんです。どんなにおいしいお誘いがあっても3人じゃないとステージには上がらないって決断をして。

──日向さんが加わることに関して、周りからの反応はどうでしたか?

ホリエ メジャーデビューのタイミングでひなっちの正式加入が決まるんですけど、そのちょっと前に身内の間で加入を宣言したときに、周りからは「ちょっと待って」と言われたんですよね。「2人だけだからカッコいい」って意見もあったんですけど、僕の中でそういう気持ちはまったくなくて。

──2人であることにこだわっていたわけではなかったんですね。

ホリエ 「2人だからカッコいいでしょ?」みたいには全然思ってなかったんです。僕は最初から音楽が評価されなければなんの意味もないって思っていたから、2人であろうが3人であろうが、形についてのこだわりはなくて。ただ自分たちの作りたいものが明確にあって、自分たちがカッコいいと思っているバンド像があって、そういうところに新しい人を入れて同じビジョンを持って活動していくことに対して、周囲のハードルがすごく高かった。でも僕はひなっちと一緒にライブをすることになったとき「このために今までやってきたんじゃないか」と思うくらいだったし、周りから反対されても「これから先、いいことしかないに決まってるじゃないですか」って胸を張って言えたんですよね。

──日向さんが加わった新体制でレコーディングされた「TRAVELING GARGOYLE」は、今でもライブで大事にされている曲ですよね。

ホリエ 今考えても「TRAVELING GARGOYLE」みたいな曲はなかなか書けないと思います(笑)。メチャクチャシンプルな曲なんだけど、ようやくストレイテナーのスタイルが確立できたのが「TRAVELING GARGOYLE」ですね。それ以前インディーズ時代に書いた曲、例えば「YES,SIR」とか「ANOTHER DIMENSIONAL」みたいな曲は、シーンの風潮に寄せたり乗っかって作った感じがあったんです。ライブをやるうえで、当時のバンドシーンに影響を受けたり、取り入れたりしながら、自分たちのオリジナリティをやっと出せたのかな。

ナカヤマ あと当時だと「ROCKSTEADY」はすごく評価が高かった曲でした。山中さわお(the pillows)さんが「SKELETONIZED」(「ROCKSTEADY」が収録された2002年4月発売のアルバム)を褒めてくれたときはビックリしたもん。

ホリエ イベントでthe pillowsと一緒になることがあって、さわおさんに「SKELETONIZED」のCDを渡したんです。正直聴いてもらえると思ってなかったんですけど、次に会ったとき「めちゃくちゃいいね」って言ってもらえて。

ナカヤマ そのときのことは覚えてます。確か打ち上げかなんかの飲みのときにさわおさんが突然テーブルに来て、僕は思わず席を離れちゃったんですよ。「ここはホリエくんに任せよう」と思って(笑)。

ホリエ さわおさんは大先輩ではあるんですけど、さわおさんのほうから近付いてきてもらえたこともあって、単なる先輩後輩ではない関係を築けたんですよね。そういう上下関係を抜きにしてアーティストとしてリスペクトし合えているというか。すごくありがたいです。

──今回の取材で日向さん加入までのバイオグラフィを振り返りました。ここから先は日向さんを加えた次回の取材で伺えればと思います。

ホリエ はい。またよろしくお願いします。

左からナカヤマシンペイ(Dr)、ホリエアツシ(Vo, G, Piano)。
ストレイテナー20周年企画
第1弾 ホリエアツシ×ナカヤマシンペイインタビュー
第2弾 ホリエアツシ×ナカヤマシンペイ×日向秀和インタビュー
第3弾 ホリエアツシ×ナカヤマシンペイ×日向秀和×大山純インタビュー
ストレイテナー
「The Future Is Now / タイムリープ」
2018年4月11日発売 / Virgin Music
ストレイテナー「The Future Is Now / タイムリープ」

[CD]
1080円 / TYCT-30073

Amazon.co.jp

収録曲
  1. The Future Is Now
  2. タイムリープ
  3. CLARITY(DECADE ELECTRO MIX)
  4. The Future Is Now -instrumental-
  5. タイムリープ -instrumental-
  6. CLARITY(DECADE ELECTRO MIX) -instrumental-

ストレイテナー「Future Dance TOUR」

  • 2018年6月12日(火)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
  • 2018年6月14日(木)愛知県 DIAMOND HALL
  • 2018年6月15日(金)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
  • 2018年6月17日(日)新潟県 NIIGATA LOTS
  • 2018年6月23日(土)福岡県 DRUM LOGOS
  • 2018年6月24日(日)大阪府 なんばHatch
  • 2018年7月7日(土)北海道 札幌PENNY LANE24
  • 2018年7月14日(土)宮城県 Rensa
ストレイテナー
ストレイテナー
1998年にホリエアツシ(Vo, G, Piano)とナカヤマシンペイ(Dr)の2人で結成。2003年のメジャーデビューのタイミングで日向秀和(B)が加入。さらに2008年には元ART-SCHOOLの大山純(G)が加わり、4人編成に。2009年2月には4人編成となってから初めてのフルアルバム「Nexus」を発表し、同年5月にアルバムを携えてのツアーファイナルとして初の日本武道館公演を開催した。ホリエはソロプロジェクト・entとして、日向はNothing's Carved In Stone、EOR、killing Boyのバンドメンバーとしても活動するなど、各メンバーがさまざまなバンドやプロジェクトで活躍している。2016年5月にアルバム「COLD DISC」を発表。同年6月より計26カ所の会場を回る全国ツアー「Step Into My World TOUR」を開催し、ツアーのライブ映像を収めたライブBlu-ray / DVDを2017年3月にリリースした。バンド結成20周年のアニバーサリーイヤーとなる2018年には4月にニューシングル「The Future Is Now / タイムリープ」を、5月にニューアルバム(タイトル未定)を発表する。

2018年6月13日更新