ナタリー PowerPush - SPYAIR

音数を減らして新境地を追求 2ndアルバム「Just Do It」

オリコンウィークリーチャートでトップ10入りした1stアルバム「Rockin' the World」から1年。SPYAIRの強力な2ndアルバム「Just Do It」が完成した。“骨太なロックサウンド”をコンセプトにした本作では、これまでのライブ経験を生かしてより進化したバンドサウンドを聴くことができる。

ニューアルバムに込めた熱い思い、そしてこの夏に経験したライブやイベントについて、さらには12月18日に行われる初の日本武道館公演について、メンバー全員に話を訊いた。

取材・文 / 田中隆信

目指したのは骨太なロックサウンド

──前作「Rockin' the World」から1年、ついに2ndアルバム「Just Do It」が完成しました。

UZ(G, Programming) 「Rockin' the World」が去年の9月だったから、ちょうど1年ぶりですね。前のアルバムが完成した頃に「次の作品はどうしようか?」みたいな内容の打ち合わせをプロデューサーとしたので、今回のアルバムは丸1年かけて作ってきた感じです。

──そのとき、具体的にはどういう話になったんですか?

UZ “骨太なロックサウンド”をバンドとしてしっかりと消化して作品にできたら、より進化したアルバムになるんじゃないかということを話したのを覚えています。レコーディングのときにメンバー同士でもそういう話をしていって、“骨太さ”を目指して制作に臨みました。1stがあったからこそ、次はこんなふうにしたいという具体的なテーマが見えてきたところもありましたから。

──前作「Rockin' the World」の楽曲はライブでもたくさん演奏されて、個々の楽曲もさらに進化していると思いますが、今振り返ってみて、自分たちにとって1stはどんな作品でしたか?

IKE(Vo)

IKE(Vo) アルバムはバンドにとってそのままの意味の“アルバム”だと思っていますから、メジャーデビュー1年目に経験したこと、それ以前から引っ張ってきた証みたいなものを込めた、ちょっと力の入った作品です。俺個人としては、かなり力んでレコーディングに臨んだ記憶がありますね。

KENTA(Dr) うん。メジャー1年目でどんなことをやってやろうかという自分たちの思いも詰まっていたし、いろんなことを経験させてもらって、その経験から得たものも入っていると思いますし、勢いという意味でもすごくいい作品でした。

IKE 1stアルバムって、今後何度も振り返って聴く機会のある作品じゃないですか。そういう作品になるというのもわかっていましたから、すごく力が入っていました。「いい作品、作ってやるぜ!」「名盤にしてやるぜ!」って。

──自分が好きになったアーティストの1stアルバムって、やっぱり聴きたくなりますからね。

IKE そうなんですよ。「このバンドの原点はどこだったんだ?」って思ったら、やっぱり1stアルバムに辿り着くと思うんです。

ENZEL☆(DJ) 「Rockin' the World」があったから経験できたことも多かったです。全国ツアーなんかもそうですね。

MOMIKEN(B) とにかく、振り返ったときに、レコーディングした時期の音やバンド感がちゃんとパッケージされているかがすごく大事だと思うんです。1stに限らず、バンドが歩いてきた軌跡を感じられるものがアルバムだったりするので、1年が経って、2ndアルバムをリリースできることがホントにうれしくて。

UZ MOMIKENの言うとおり、そのときの音がパッケージできてるかどうかがすごく重要。アレンジも、そのときにしか表現できないものもあったりしますからね。例えば「0 GAME(ラブゲーム)」は4年ぐらい前に作った曲だけどレコーディングしたのは最近だから、ちゃんと今のSPYAIRの曲になっています。

CD収録曲
  1. Just Do It
  2. Rock'n Roll
  3. 0 GAME
  4. My World
  5. Little Summer
  6. No where, Now here
  7. Stay gold
  8. Break Myself
  9. Naked
  10. U&I
  11. I want a place
  12. Raise Your Hands
初回限定盤A付属DVD収録内容
  • My World(MV)
  • 0 GAME(MV)
  • Naked(MV)
  • MOVIN' ON(MV)
  • SPYAIR TOUR 2012「My World」TOUR FINAL DIGEST@AKASAKA BLITZ 2012.5.5
初回限定盤B付属CD収録内容
  1. To (from indies album「alive」)
  2. I'll be there (from indies album「alive」)
  3. 哀より愛し (from「Last Moment」)
  4. リセット (from「BEAUTIFUL DAYS」)
  5. Come on (from「My World」)
  6. MOVIN' ON (from「0 GAME」)
  7. YOU 2 (from「0 GAME」)
  8. Why [Acoustic ver.] (new recording)
LIVE INFORMATION

SPYAIR LIVE at 武道館 2012
2012年12月18日(火)東京都 日本武道館
OPEN 18:00 / START 19:00

SPYAIR(すぱいえあー)

IKE(Vo)、UZ(G, Programming)、MOMIKEN(B)、KENTA(Dr)、ENZEL☆(DJ)の5人からなるバンド。全員が愛知出身で、2005年に結成される。地元名古屋の野外ライブでキャリアを重ね、デビュー前の2010年6月に行った100本目の野外ライブでは2000人の観客を集める。同年8月、ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズからメジャーデビューシングル「LIAR」をリリース。その後も4枚のシングルを発表し、並行して精力的なライブ活動を展開する。そのライブパフォーマンスには定評があり、メジャーデビュー前に「SUMMER SONIC 2010」に出演しているほか、2011年7月には韓国最大のロックフェス「JISAN VALLEY ROCK FESTIVAL 2011」に出演した。2011年9月に1stフルアルバム「Rockin' the World」をリリース。同年10月には日比谷野外大音楽堂で初のワンマンライブを敢行し、チケットは全席完売した。2012年9月、約1年ぶりとなるニューアルバム「Just Do It」をリリース。12月18日には初の日本武道館ワンマンライブを行う。