新機軸を打ち立てたチームSの劇場公演が絶賛の嵐! ほかのチームは果たして……?
小室哲哉プロデュースによるチームSのオリジナル新公演「愛を君に、愛を僕に」がファンから大きな支持を得ている(参照:SKE48、約11年ぶりのオリジナル公演は小室哲哉プロデュース)。この成功体験はSKE48全体にも良質の化学反応を引き起こし、チームKⅡやチームEのメンバーも「次は私たち!」と目の色が変わっているよう。メンバーが語る新公演の魅力とは。
──チームSの新公演が高い評価を得ています。青海さんは公演の中でも大活躍していますが、苦労したことも多かったのでは?
青海 ものすごーく苦労しました。準備期間は1カ月くらいあったんですけど、それでも時間が圧倒的に足りなかった! 結局、振り入れが終わったのはゲネプロの2日前。振付の牧野アンナ先生は本当に熱心に私たちに付き合ってくださいまして……。これを乗り越えたことで、いろんなことを学べました。毎日が濃厚すぎましたね。
鎌田 すごいな。やっぱり相当大変だったんだね。
青海 アイドルとして、根本の考えから変わった気がするんですよ。そもそも私たちはファンの方のために何ができるのか? なんのために自分はアイドルをやっているのか? チームSの強みってどこにあるのか? そういうことって本当に大事なんだけど、毎日を普通に過ごす中では見落としがちなんですよね。結局、私たちはどこかで甘えていたんです。その甘えた精神をアンナ先生がイチから鍛え直してくれまして、そこを乗り越えたときは充実感と手応えがすごくありました。自分たちのレベルが確実に上がったことを実感できたし、「これがチームなんだ!」という一体感がありましたね。
──牧野先生にがっつりダンスを見てもらうのは、ひさしぶりの機会だったんですか?
青海 そうですね。私は研究生の頃にマンツーマンで2時間くらい見てもらったことがあるんですが、今回は1カ月間ずっとだったので、得るものが多すぎました。チームSでの活動はずっと楽しいんですけど、今回の公演によって、“楽しいだけのチームS”じゃなくなった気がするんです。戦う集団になったと言いますか。公演の内容には自信がありますので、ぜひ観ていただけたらと思います。
──実際、チームSの劇場公演はファンからも手放しで絶賛されていますが、ほかのチームは追随しないんですか?
太田 全チーム新公演をやる予定で、チームSの公演からはめちゃくちゃ刺激を受けました。チームKⅡのみんなも「S、すごいわ!」って驚いていましたし。
青海 うれしい……。
太田 チームKⅡのリーダーの立場から言わせてもらっても、正直、現状だとKⅡはSに負けていると思うんです。悔しいですけどね。でも、こうなると私たちKⅡもSのやることが気になるじゃないですか。「向こうは体幹のストレッチを取り入れているらしいよ」って耳にしたら速攻で真似し始めたし、いつ自分たちの新公演が本格始動しても対応できるようにはしています。ツアーや普段の公演の中でも、もっとチームとして上を目指そうという意識になったと思う。やっぱりチームSがここまでのレベルを作った以上、次からはそこが基準になるんですよね。チームKⅡもチームEも「Sを超えたい!」と挑む気持ちでまとまっています。
青海 逆に私たちチームSも「最初の新公演が成功しなかったら次はない。ほかのチームに迷惑をかけることになるぞ」というプレッシャーがありました。
鎌田 私はチームSの新公演をゲネプロで観たんですけど、今回は秋元康先生のプロデュースじゃないにも関わらず「どこよりもSKE48らしいな」と感じました。なんだか不思議な感覚でしたね。小室哲哉さんという今までにない要素が入り、メンバーも若いチームSだけど、昔からあるSKE48のカラーがはっきり出ていたんです。それでハッとしたんですよ。「これが世代交代ということか」って。グループの色を残しつつ、新しいメンバーが新しい表現を作り上げている。すごく理想的な進化を遂げているなと思いました。私、リアルに感動しました。
太田 やっぱりSKE48の中心には公演があると思うんですよ。それぞれのチームが持ち味を出すことでSKE48全体もパワーアップできるはずなので、私たちも負けないようにがんばらなきゃと考えています。
キーワードは世代交代とフラッシュダンス! 「絶対インスピレーション」が示すSKE48の未来図
SKE48の記念すべき30枚目のシングル「絶対インスピレーション」には、「須田亜香里のラストシングル」「青海ひな乃の初センター」以外にもさまざまなトピックがちりばめられている。新曲の舞台裏を3人が赤裸々に語ってくれた。
──新生SKE48幕開けの曲となる「絶対インスピレーション」ですが、ズバリ聴きどころを教えてください。
青海 MVでは亜香里さんがほかのメンバーを引き連れ、私1人と対面してダンスする場面があるんです。つまりSKE48軍団VS青海ひな乃という構図ですね。これの裏テーマは世代交代で、亜香里さんが引っ張ってきたSKE48を私が乗り越えるという物語なんです。
鎌田 かなりエモいストーリーになっているんですよ。グッと感情移入できるはずです。
青海 結局、両者の戦いでは私が負けるんです。だけど亜香里さんは「あとは任せたよ」と言葉を残し、2人でダッシュする。単なる楽曲のMVというより、SKE48の歴史が変わる瞬間を捉えた映像に仕上がっていると思います。
鎌田 あと、MV中のアクションにも注目していただきたいです。強大な力を持ったひな乃ちゃんが指パッチンをすると、みんな吹き飛ばされていくんですよ。その吹っ飛ぶシーンを撮るのが本当に大変で……。
太田 すごかったですよね。グリーンバックでワイヤーに吊るされたり、そのまま360°くるくる回転したり、トランポリンを駆使したり……。とてもアイドルのMV撮影とは思えない現場でした(笑)。
青海 吹っ飛ぶアクションシーンだけで、5時間くらいは撮り続けていましたから。スタッフさんも相当に気合いが入っていました。
太田 もちろん私たちも全力で体を張りました。前代未聞のMVに仕上がっているので、ぜひ観ていただけたらと思います!
──フラッシュの光のように静と動のメリハリをつけた“フラッシュダンス”も本作の特徴だと伺っています。
青海 振付を担当してくださったのが、avex ROYALBRATSさんという今めちゃくちゃアツい方々でして。ダンスのプロリーグである「第一生命D.LEAGUE」の初代チャンピオンなんですよ。
鎌田 今、D.LEAGUEって若い人の間でものすごく盛り上がっているんです。私もYouTubeの動画を片っ端から観ましたが、熱量がすさまじくて!
太田 私たちに対しても、めちゃくちゃ熱心に指導してくださったんです。いつもは“アイドルのダンス”であることが前提にあるので、「どうしたらメンバーがかわいく見えるか?」という点が重視されるんですけど、この曲はそういうところも度外視して、徹底的にダンスで勝負するイメージ。体の使い方1つとっても、今までと全然違いました。
鎌田 亜香里さんも「最後のシングルでこんな難しいことをやるとは思わなかった」って苦笑いしていました(笑)。それくらいSKE48にとって新しいことをやっているのは確かだと思います。得るものは非常に大きかったですね。
青海 私が初めてセンターを務めさせていただくということだけでなく、SKE48が新しいステージに進むという意味でも今回はすごく重要なシングルになると思うんです。夏のZeppツアーの中でも「今のSKE48、すごくいい雰囲気だな」と感じることがあったので、この一体感を大事にしつつ、一気に突っ走っていきたいです!
プロフィール
SKE48(エスケーイーフォーティエイト)
AKB48の全国進出第1弾として、名古屋・栄に誕生したアイドルグループ。名称の由来は、活動拠点の栄(SaKaE)の頭文字。秋元康の総合プロデュースにより、2008年7月より活動をスタートさせた。AKB48同様「会いにいけるアイドル」をコンセプトに、栄にあるSUNSHINE SAKAE 2階のSKE48劇場にてチームS、チームKⅡ、チームE、および研究生が公演を行っている。2009年8月にシングル「強き者よ」でメジャーデビュー。2011年5月にエイベックスへのレーベル移籍を発表し、7月に移籍第1弾シングル「パレオはエメラルド」をリリースした。2012年に初めて単独で「NHK紅白歌合戦」に出場。2014年2月には愛知・ナゴヤドームで、2015年8月には愛知・豊田スタジアムで単独コンサートを開催した。2021年4月にエースとして長年グループを牽引してきた1期生・松井珠理奈が卒業。同年9月にAKB48グループ最年少の林美澪がセンターを務める28thシングル「あの頃の君を見つけた」、2022年3月に29thシングル「心にFlower」をリリースした。10月発売の30枚目のシングル「絶対インスピレーション」では青海ひな乃が表題曲のセンターを担当。今作は3期生・須田亜香里にとってのラストシングルとなった。
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