SKE48が通算28枚目のシングル「あの頃の君を見つけた」をリリースした。
「あの頃の君を見つけた」は、SKE48結成時から“絶対的エース”としてグループを牽引してきた松井珠理奈が今年4月に卒業して以降、初めて発表されるシングル。8期生の野村実代、9期生の青海ひな乃、10期研究生の林美澪といったフレッシュな若手メンバー3人が初選抜入りを果たし、このうち2009年3月生まれの12歳である林はAKB48グループ内の最年少メンバーでありながら表題曲のセンターに抜擢された。同じ年齢のときに早くもエースとして活躍していた松井の姿と重なるが、研究生がシングル表題曲のセンターを務めるのはグループ史上初めてのこと。「あの頃の君を見つけた」は、まさに新生SKE48の誕生を告げる作品となっている。
シングルの発売に合わせ、音楽ナタリーでは野村、青海、林の3人と、SKE48最年長メンバーである3期生の須田亜香里、今回が3度目の選抜入りとなる8期生の井上瑠夏にインタビュー。初選抜メンバー3人の魅力、ライブツアー「SKE48 Summer Zepp Tour 2021」を通して感じたこと、新生SKE48の特徴という3つのテーマに沿って話を聞いた。また新曲「あの頃の君を見つけた」がアッパーな夏曲であることにちなみ、「この夏、5人が浮かれた出来事」を紹介するコーナーも特集の最後に掲載する。
取材・文 / 小野田衛撮影 / 前田立
インタビュー参加メンバー
テーマ① SKE48の次世代を担うのは誰? 新星3人の魅力を徹底解剖
グループの象徴的存在・松井珠理奈の卒業によって、本格的に生まれ変わるSKE48。次世代を担うことが期待される初選抜メンバー3人の“知られざる魅力”とは?
先輩も頼りたくなる貫禄の青海ひな乃
──初の表題曲の選抜メンバー入りを果たした青海さん、野村さん、林さんのキャラクターに迫りたいのですが、同じグループのメンバーだからこそ知り得る魅力というものがあるはずです。まず、青海さんの魅力から教えていただけますか?
須田亜香里 ひな乃ちゃんは、なんというか妙にどっしり構えたところがあるんですよ。9期生だから、3期生の私からするとだいぶ後輩にあたるんですけど、ついつい頼ってしまうような安心感があって。
青海ひな乃 えっ!? それってフレッシュさがないということかな(笑)。でも、確かに貫禄があると昔からよく言われるんですよ。自分的には褒め言葉だと受け止めるようにしているんですけど。
須田 実際、褒め言葉だと思うよ。人間的な部分で安定感があるということだから。パフォーマンスに関しても、しっかりしているなと感心することが多いですしね。例えば振り付けの話だと、普通は後輩から先輩に注意することってなかなか難しいんですよ。やっぱりどこかで遠慮しちゃうんです。でも、ひな乃ちゃんは「亜香里さん、そこ間違えていますよ」とか涼しい顔で伝えてくれる(笑)。これって、すごくありがたいことなんです。グループにとっては絶対そっちのほうがいいですし。
青海 いやいや、私だって指摘したときは緊張しましたよ! 「本当にこれでいいのかな? 間違えたこと教えたりしたら大変だぞ」と思って、ほかの先輩にしっかり確認したうえで亜香里さんに伝えましたから。
須田 素晴らしい! 若いのに責任感が強いということなんでしょうね。
林美澪 ビジュアル的な話をすると、青海さんは「お団子が似合う」というのが私の推しポイントです!
青海 そんなところに注目されていたとは(笑)。
林 ひな乃さん、普段から髪をアップにすることが多いんです。ポニーテールにもよくしていますし。そのどれもがかわいいんですけど、中でもお団子は抜群に似合うんですよね。ファンの方にもじっくり見てほしい!
青海 うれしい……。実際、SKE48みたいに大人数のグループだと、髪型でほかのメンバーと差別化するってかなり難しいんですよ。そんな中で推しポイントを見つけてくれたのは、今後の励みにもなりますね。
須田 あと、ひな乃ちゃんといえば、スタイルのことにも触れないと! 腹筋が本当にすごいんですよ。ぜひ注目してください。
青海 特に鍛えたりしているわけでもないし、スポーツも中学のときにバスケをやっていたくらいなんですけどね。食事も何ひとつ気にしていないですし。だけど、どういうわけかバキバキになっちゃう(笑)。
井上瑠夏 体質ってことかー。超うらやましい!
須田 ひな乃ちゃんは自分が美ボディの持ち主であることを自覚しているので、普段着から惜しみなく肌を露出しているんです。で、これがすごくカッコいいんですよ!
青海 えへへ。見せたいという気持ちは否定しません。でも、なんだか恥ずかしいですね。こんなにメンバーから褒められたことはなかったので。
ポンコツで見た目以上に幼い野村実代
──この調子で次は野村さんの魅力をプレゼンしてください。
井上 実代ちゃんといえば、やっぱり外せないのはスタイルのことじゃないかな。
須田 ひな乃ちゃんは鍛えられたような腹筋美だけど、実代ちゃんはお人形のような細さが魅力なんです。モデル体型と言えばいいんですかね。
青海 どんなスタイルの洋服も似合うんです。思いきりかわいくもなれるし、カッコいい系もバッチリ! リカちゃん人形ならぬ“実代ちゃん人形”という感じです。
林 私が野村さんを見ていてすごいなと思うのは、美に対する意識の高さ! いつも自分磨きのことを考えているんです。私もパックのことを教わったりしましたし、きれいな人というのはちゃんとその理由があるんだなと思い知らされました(笑)。
井上 それからキャラ的なことを言うと、ポンコツです。
須田 ポンコツ!? 瑠夏ちゃんがそれを言うかー(笑)。
井上 アイドルにとって愛嬌があるって大事な要素じゃないですか。実代ちゃんは年齢以上に大人っぽく見られることが多いんですけど、18歳とは思えないくらい精神年齢は子供で(笑)。例えばホテルで同じ部屋になると、ポテトチップスを食べながら寝ている姿を見たりしますね。
青海 ひえー、信じられない……。
井上 「子供か!」ってツッコみたくなりますよ。食べても太らない体質らしくて、夜中に牛丼とかもよく買ってきていますし。
野村実代 精神年齢が幼いというのは否定できません。実際、12歳の美澪ちゃんとめちゃくちゃ話が合いますし(林の手を握りながら)。
井上 楽屋とかでゲームをやっていてもめちゃくちゃ一喜一憂しているし、心がピュアなんだと思います。そういうまっすぐな気持ちは、いつまでも忘れないでいてほしいです。
極端な二面性を持つ天才・林美澪
──そして最後に林さん。今回のシングルでは、なんとAKB48グループ最年少で、研究生という立場ながら表題曲のセンターを務めています。
須田 「まだ12歳なのに、すごくしっかりしている」というのが美澪ちゃんの一般的な評価だと思うんです。それはそれで間違いないんですけど、やっぱりメンバーからすると幼い面も目につくんですよね。私が印象的だったのはミュージックビデオの撮影後の出来事。飛行機で隣の席になったんですけど、一緒にハンバーガーを食べていたら、半分残した状態で急に寝始めちゃって(笑)。ハンバーガーを持った手がだんだん下がっていく様子とか無邪気な寝顔とかを見ていたら、本当に赤ちゃんみたいだなって感じました。
林 恥ずかしすぎる……(笑)。
須田 逆に、こういったメディアさんのインタビューとかでは12歳ということが信じられないくらいしっかりしたコメントを出しているので、プロ意識が高いんでしょうね。センターになったということで、プレッシャーも感じているかもしれませんが。
青海 二面性と言うのかな。子供だなと微笑ましくなる面と、頭がいいなと感心する面があって両極端なんです。私より8歳も年下なのに語彙は豊富だし、教わることもすごく多くて。天才なんじゃないかなと思いますね。
須田 実際、空き時間も勉強はよくやっているよね。MV撮影中も勉強していたし。勉強が好きなの?
林 好きというより、将来に役立つかなと思って勉強しているんです。
野村 (ドヤ顔で)この前、私、宿題を教えましたよ! 先輩として少しはいいところを示せたんじゃないかな。
林 いや、「私はわかるけど、野村さんはわからない」ということもあったじゃないですか(笑)。
野村 ヤバい、早くもボロが出た(笑)。
井上 お仕事で忙しいのに常に勉強道具を持ち歩いているものだから、教育熱心なご家庭なのかなと最初は思ったんです。でも、「すごいね。お母さんから勉強するように言われているの?」と聞いたら、「いや、自分でやりたいから勉強しているんです」と堂々と言われちゃって……。私、中学のときに自分から勉強しようなんて発想もなかったですよ。美澪ちゃんは絵に描いたような努力家!
青海 それと忘れちゃいけないのが、美澪ちゃんのパフォーマンス力やアイドル力! 自分が研究生だった頃を思い出すと、公演に出てもファンの方とカメラのどちらかしか見ることができなかったんですよ。何しろ余裕が全然なくて。でも、美澪ちゃんはステージで360°全方向に意識を向けているし、なんなら曲の途中でウインクまで決めているんです。敵わないなって思いますね。
林 ダンスは前から習っていたんですけど、単に振り付けを覚えるだけじゃなく、「表現力を上げていく」ということが自分の中のテーマとしてあるんです。だから、ステージングのことを褒められると本当にうれしいですね。