年初から映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」日本語吹替版主題歌を担当するSixTONESのアメコミ風広告や、「この街の主役は君だ。」というキャッチコピーが添えられた2ndアルバム「CITY」のポスターが東京・渋谷駅周辺をジャックし、彼らの人気が過熱した2022年。この年SixTONESは一発撮りパフォーマンスを記録するYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」や約60年続く老舗のクラシック番組「題名のない音楽会」に初出演し、24時間におよぶチャリティ番組「ラジオ・チャリティ・ミュージックソン」のパーソナリティを3年連続で担当するなど、新たな挑戦を重ねながら順風満帆なキャリアを築いていく。またジェシーはミュージカルアニメーション映画「SING/シング:ネクストステージ」、松村は新海誠監督の映画「すずめの戸締まり」で声優としても高く評価され、メンバーそれぞれの八面六臂の活躍ぶりはSixTONESとしてのアイデンティティの確立につながった。
リリース作品
シングル「共鳴」「わたし」「Good Luck! / ふたり」、アルバム「CITY」、ライブDVD / Blu-ray「Feel da CITY」
リーダー
髙地優吾
1月
Rosy
[作詞:KOUDAI IWATSUBO / 作曲:KOUDAI IWATSUBO、Kuwagata Fukino / 編曲:Naoki Itai、Kuwagata Fukino]
映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」日本語吹替版の主題歌アーティストに抜擢されたSixTONES。MVや音楽番組では武装するかのようにブラックスーツを身にまとった彼らが黒いグローブを着け、激しく躍動していた。「スパイダーマン」を象徴する蜘蛛に噛まれる振付や、手を広げて糸を繰り出すポーズがダンスに落とし込まれ、「分かち合いの果てに紡がれる糸」「見据えろよ ただ 摩天楼の針の間に」「感度のいい指先で裂く」という映画にちなんだ歌詞も。疾風のごとく過ぎ去る3分弱だが、映画へのリスペクトが随所にちりばめられており、圧倒的な聴き応えがある。
WHIP THAT
[作詞:MiNE、Atsushi Shimada / 作曲:Albin Nordqvist、AdamAlexander、Kenichi Sakamuro / 編曲:Kenichi Sakamuro]
今やライブのキラーチューンとしてすっかり定着しているEDMチューン。何もかも忘れて踊り明かそう、とSixTONESがダンスフロアへと誘う。リミッターを外して、セーブしている感情を解き放てば、抱えている心のモヤモヤもきっと晴れるはず。メンバーがアドレナリン全開で魅せる即興的なダンスパートも、楽曲を構成する強いエッセンスとなっている。
Everlasting
[作詞:Cypher / 作曲:Albin Nordqvist、Sebastian Lestapier、Adam Sjostrand / 編曲:Adam Sjostrand、Sebastian Lestapier]
出光興産のテレビCMで使用されたゴスペル調のバラード。オレンジ色に染まる東京のビル群やどこまでも広がる空と海が映し出されたこのCMでは、雄大で温かなサウンドに乗せて6人の歌声が重なり合う。グループでメインボーカルを担うジェシーと京本の美しいフェイクやハイトーン、どこか語りかけるような田中のラップが見事に調和した、“不朽(Everlasting)”のバラード。
3月
共鳴
[作詞・作曲:SAEKI youthK / 編曲:Naoki Itai、SAEKI youthK]
グループ名、構成人数から6という数字にこだわるSixTONESの記念すべき6thシングルの表題曲には、仲間との深い絆が表れていた。ロック、ジャズ、ヒップホップなどをブレンドしたスタイリッシュなサウンドとともに表出されるのは、背水の陣で人生を懸けた挑戦と、そこで実感する仲間という存在の心強さ。あらゆる局面においてリスナーに力を与えるこの曲は、テレビアニメ「『半妖の夜叉姫』弐の章」のオープニングテーマとしても注目を浴びた。
FASHION
[作詞:TSUGUMI / 作曲:Sebastian Thott、Didrik Thott / 編曲:Sebastian Thott]
テーマは「自分らしいファッションで踊ろう」。四つ打ちのビートの上で心地のいいカッティングギター、軽快なハンドクラップが混然となり、陽気なグルーヴが生まれる。サビのユニゾンやスキャットも爽快感を演出し、聴けばたちまちハッピーになれる、そんなパワーを持ったポップチューンだ。
Gum Tape
[作詞:uno blaqlo、51Black Rat / 作曲・編曲:uno blaqlo]
このタイトルから誰が失恋ソングだと想像できただろう。同棲していた恋人が段ボールに荷物をまとめて去っていく──別れた相手とのこじれてしまった関係を「糸よりも脆い gum tape」と例えたのがこの曲だ。田中が弱々しく「未来しかなかった」と呟き、髙地が心の内を漏らすように「呆然としたよ」と歌い、哀切たっぷりの表現で胸を打つ。未練を抱えたままの傷付いた心に、温かみのあるフォーキーなサウンドが優しく寄り添う。「割れ物注意」「合わないチューニング」「これでお互い自由に」と韻を踏みながら、ゆっくりと気持ちを立て直そうとするエンディングには少し安堵した。
マスカラ -Emotional Afrobeats Remix-
SixTONESを代表する失恋ソングとなった、常田大希提供の「マスカラ」の“Emotional Afrobeats Remix”。悲哀を感じさせるアコギのリフはそのままサンプリングされているものの、「マスカラ剥がれたまま」という歌唱で始まるイントロからさっそく大きなアップデートがかけられ、高揚感を掻き立てるパーカッション、都会的なムードのシンセによって、ダンサブルなトラックへと変化している。
Waves Crash
[作詞:ONIGASHIMA / 作曲:Scott Russell Stoddart、Mark Angelico Thomson / 編曲:Scott Russell Stoddart]
EDMやヒップホップを融合した「Special Order」「WHIP THAT」の系譜を継ぐフロアライクなこの曲にも、ギラギラしたSixTONESの魅力が表れている。アグレッシブなシンセサウンドはもちろん、「Break down!!」「Hands up!!」「Stand up!!」と畳みかけ「心配ないぜ Let's get crazy」と狂騒へ誘うリリックは強烈なバイブスを生み出す。
6月
わたし
[作詞・作曲・編曲:SAEKI youthK]
「有り得ないところまで 心が 動き出す」というフレーズで始まる女性目線のラブバラードは、松村北斗が出演したドラマ「恋なんて、本気でやってどうするの?」の挿入歌として劇中の名シーンを彩った。恋心を自覚しながらも、“あなた”に本心を知られることを拒む“わたし”の心の機微が描かれている。地声からファルセットへと緩やかに切り替わるさまは、恋に落ちていく様子をスローモーションで表現しているよう。
オンガク
[作詞・作曲:SAEKI youthK /編曲:Naoki Itai]
よほどの自信がなければ、「オンガク」という直球のタイトルは掲げられないだろう。それほどまでにSixTONESは音楽を愛しているし、音楽に愛されていることを、この曲を通じて証明した。“傷付いたこと”や“悔やんだこと”も糧にして未来へと向かっていく。そんな意思を反映した6人のハーモニーは、美しい弦の響きとも相まって、リスナーの心に深い感動をもたらす。
セピア
[作詞:Kanao Itabashi、Mayu Wakisaka / 作曲・編曲:Simon Janlov]
流れるようなストリングスをバックに歌われるのは、色褪せていく“君”との日々。足早に過ぎ去る時を示すような性急なビートの上には「君を 探せる場所が 過去にしかないのなら」「君が いない時間を 未来とは呼べなくて」など狂おしいほどに切ないフレーズが並ぶ。「Gum Tape」のように、ラストでは「Good-bye 微かな光 焼き付けた 君を」と別れを受け入れて進もうとする明るい兆しも。
共鳴 -Brave Marching Band Remix-
冒頭を10秒ほど聴いただけでは「共鳴」だとわからない、それほど大胆にリミックスされているのがこの“Brave Marching Band”バージョン。マーチングバンドの勇壮なアンサンブルが、強い絆をテーマにしたこの曲の世界観をより強固なものにしている。
シアター
[作詞:KOUDAI IWATSUBO / 作曲:KOUDAI IWATSUBO、Kuwagata Fukino / 編曲:Naoki Itai、Kuwagata Fukino]
“カオスなファンタジー映画”がテーマだけあって、ロックやヒップホップがクロスオーバーするサウンドからも、「モンスター」「タイムトラベラー」「ハッカー」「アバター」などが登場する謎めいた歌詞からも、混沌とした濃密な世界観が感じられる。しゃくり上げるようなボーカルのニュアンスや、間奏で炸裂する泣きのギターが聴き手の興奮を煽る。聴き終わったあとは夢現の間にいるような感覚に襲われる1曲。
11月
Good Luck!
[作詞:YUUKI SANO / 作曲:YUUKI SANO、Taishi Noguchi / 編曲:Taishi Noguchi、Naoki Itai]
「第73回NHK紅白歌合戦」でSixTONESは大勢の出演者や観客に囲まれながら、白組のトップバッターとしてステージを沸かせた。そのとき歌ったのが、夢を抱くすべての人々に送る「Good Luck!」。華やかなホーンセクションや、キャッチーでマネしやすい振付が特長のとびきりポジティブなナンバーだ。6人の生き生きとした歌声も、明日への活力を与えてくれる。
ふたり
[作詞・作曲:YUUKI SANO、Haruka Yanagawa / 編曲:Naoki Itai]
リスナーを包み込むような歌声と、ドラマティックなアンサンブルが織りなす究極のラブバラード。ジェシーと京本がビブラートを効かせながら丁寧に歌う立ち上がりから、スケール感のあるサビへと向かっていく展開が静かな感動を生み出す。耳を奪われるような美しく洗練されたストリングスに乗せ、一貫して歌われているのは“あなた”への揺るぎない愛。「手を繋ぐ帰り道 何気ない会話さえ 幸せだと思えるのは あなただから」という歌詞に象徴されるように、ささやかな幸福が描かれている。
2023年、SixTONESに大きな転機が訪れる。大阪・京セラドーム大阪と東京・東京ドームでのキャリア初となるドーム単独公演「慣声の法則 in DOME」の開催。ドーム公演には古代の石像を思わせる顔型オブジェ“フェS”、CO2が噴き出すジェットガンが備え付けられた改造ジープなどが用意され、こうしたセットや演出へのこだわりはこのライブ以降さらにエスカレートしていくこととなる。東京ドーム公演の初日には「Imitation Rain」を制作したYOSHIKI、3日目には「マスカラ」を提供した常田大希がサプライズゲストとして駆け付け、SixTONESとともに日本の音楽史に残る極上のパフォーマンスを展開した。
もう1つのターニングポイントは森本が出演したドラマ「だが、情熱はある」の主題歌でもある「こっから」の大ヒット。流れるようなマイクリレーでラップスキルの高さを証明し、SixTONES=ラップというイメージを定着させるきっかけとなった。
リリース作品
シングル「ABARERO」「こっから」「CREAK」、アルバム「声」、ライブDVD / Blu-ray「慣声の法則 in DOME」
リーダー
森本慎太郎
1月
PARTY PEOPLE
[作詞:ONIGASHIMA / 作曲:P3AK、Albin Nordqvist / 編曲:P3AK、Naoki Itai]
本格的な暑さが続く8月上旬、YouTubeで突然公開されたのが、刺激的な欲望がスパークするサマーチューン「PARTY PEOPLE」。MVでは南国を思わせるビーチを舞台に、SixTONESがダンスクルー・GANMIをはじめとするダンサー20人とエキストラ30人という大所帯を率いてパフォーマンスを繰り広げた。ハイテンションなスキャット、リズミカルなハンドクラップ、灼熱の太陽が似合うギラついたホーンサウンド、ドリンクやサングラスをモチーフにしたダンス、全方位で強烈なエネルギーに満ちている。
Boom-Pow-Wow!
[作詞:Mayu Wakisaka / 作曲:Andreas Ohrn、Atsushi Shimada / 編曲:Atsushi Shimada]
「Special Order」や「S.I.X」「WHIP THAT」など、ライブ映えするアッパーチューンが続々とディスコグラフィに加わっているSixTONES。エレクトロスウィングを取り入れたおしゃれなサウンドと、「ほら騒ぎな 声あげな」「まだ足りない パワー足りない」と暑苦しいほどに煽り立てる歌詞のコントラストがなんとも痛快なこの曲もその1つ。「天井ぶち破る / 地球を揺るがす shout」ではSixTONESからちきれんばかりのエネルギーが放出される。
人人人
[作詞・作曲・編曲:SAEKI youthK]
「共鳴」や「オンガク」などの楽曲も手がけ、アーティスト・SixTONESの可能性を最大限に引き出してきたSAEKI youthK提供の「人人人」。特筆すべきはラップ担当の田中だけでなく、メンバー全員がラップに挑戦していることだ。ファンキーなサウンドに合わせて繰り広げられるスムーズなマイクリレーは1秒たりとも聴き逃がせない。リリックに込められているのは「Show must go on」の信念。手のひらに人という文字を3回書いて飲み込めば緊張が和らぐ、そんなまじないにすがるエンタテイナーの苦悩と孤独は常人には計り知れない。表舞台に立つ人々のドキュメンタリーがこの曲に詰まっている。
Chillin' with you
[作詞:TSUGUMI、Marcello Jonno / 作曲:Taro Takaki、Christofer Erixon、Ricardo Burgrust / 編曲:Taro Takaki、Marchin、Kohei Kiriake]
個性を主張しすぎず、調和を重視したボーカルが心地よく響くヒップホップテイストの楽曲。ミドルテンポのサウンドとともに、喧騒を離れて過ごす“2人”だけの穏やかなシーンが浮かび上がってくる。SixTONESと言えば重低音が響くアグレッシブなナンバーが多いだけに、力みのない自然体の歌唱表現には新鮮さを覚えた。
Outrageous
[作詞:HIROMI / 作曲:Baby Scent、MoonChild、27 / 編曲:Baby Scent]
電子音が飛び交う攻撃的なサウンドの上で、SixTONESがヒロイックな存在感を知らしめるように「Nobody can break us down」「We gon' run this town」「We are outrageous」と宣言する1曲。襲ってくる敵を力ずくでねじ伏せるかのような気迫に満ちた歌声からも圧倒的な熱量を感じる。
STAMP IT
[作詞:MiNE、Atsushi Shimada / 作曲:Simon Vestergaard、Andreas Ringblom、Rasmus Gregersen / 編曲:Ralz]
甘く危険な香りが漂う歌声とエレクトロサウンドが深い余韻を残す、SixTONES史上最も強い色気のあるナンバー。1人ひとりが代わる代わる歌唱するスタイルも印象的だ。本来ならば歌詞を引用しながら魅力をお伝えしたいところだが、この曲ばかりは刺激が強いため、ぜひご自身の目で確認いただきたい。聴き終わったあとは味わったことのない背徳感が待っているかも? 中毒性が高いため“用法・用量”を守って聴くことをオススメする。
4月
ABARERO
[作詞・作曲:TSUGUMI、TOMOKO IDA / 編曲:TOMOKO IDA]
キャリア初となる大阪・京セラドーム大阪、東京・東京ドームでの単独公演「慣声の法則 in DOME」に向けてリリースされたのは、獰猛なヒップホップチューンだった。不気味なクワイヤとガラスの割れるSEを経て、6人はあらゆるヘイトを蹴散らすようなドスの効いた声で、「まだまだかますぜ俺らのやり方で」「コワいもんなし Monsters」と己の存在を誇示するようにラップする。フィルターを通さない生々しい感情をそのまま閉じ込めたような1曲だ。
Drive
[作詞:ONIGASHIMA / 作曲・編曲:ジョセフ・メリン]
エンジンをかけるSEで始まる、タイトル通りドライブのお供にぴったりなご機嫌なアップチューン。6人の楽しげな掛け合いや歯切れのいいギターがグッドなバイブスを醸し出している。なんの前触れもなく挿し込まれるボサノバテイストのサウンドも、楽曲の心地よいムードを引き立てている。
6月
こっから
[作詞・作曲・編曲:SAEKI youthK]
SixTONESの歴史を2つに分けるとするならば、「こっから」のリリース前後が境になるだろう。メンバーの森本慎太郎が山里亮太(南海キャンディーズ)、髙橋海人(King & Prince)が若林正恭(オードリー)を演じたドラマ「だが、情熱はある」の主題歌の1つとして大ヒットし、今やSixTONESの代表曲としてすっかり定着した。その証拠に、MVの再生数はグループ最高の1億4000万回を記録している。SixTONESの楽曲を数多くプロデュースし、日本語ラップのパイオニア・RHYMESTERをこよなく愛するSAEKI youthKが提供したのは、ブラックミュージックの香りをまとったラップチューン。あらゆる負の感情を自らの動力に変換し、理想を追いかける大切さをつづったメッセージは多くの人の胸を打った。メンバーカラーをさりげなく忍ばせたリリックには、SAEKI youthKの深いSixTONES愛が感じられる。
FIREWORKS
[作詞:ONIGASHIMA / 作曲:P3AK、Tommy Clint / 編曲:P3AK]
じめっとした熱帯夜に似合うのは、燃え上がる恋を描写した「FIREWORKS」。ぱっと咲いては散る花火が、刹那的な関係を象徴している。リフレインする「WOO LA LA LA… YOU GOT THE FIRE YOU GOT THE SPARK」のフレーズとフォルクローレ風の情熱的なサウンドが腰を揺さぶり、快楽へと導く。
Tu-tu-lu
[作詞・作曲:YUUKI SANO、YUKI / 編曲:Takashi Yamaguchi、YUUKI SANO]
1人きりの部屋に響く「Tu-tu-lu」という寂しげなハミング。“君”を失って傷付いた心に、ソフトな歌声と、アコギやウィンドチャイムが織りなすシンプルなアンサンブルがじんわり染み渡る。4回にわたって登場する「君のせいだな」というフレーズを歌う声は穏やかで、それゆえに胸を締め付ける。
8月
CREAK
[作詞:Seiji Takagi / 作曲:Kengo Kuwata、Seiji Takagi / 編曲:Kengo Kuwata、Peach]
「軋む」を意味するタイトルが冠されたこの曲は、扉のノック音で幕が開く。不穏なムードを持つストリングスの音色がじりじりと焦燥感を掻き立てる中、“正解”にたどり着こうと必死にもがく先行きの見えない前半、「答えはずっとそばにある」と気付き、かすかな光が差し込む後半の対比が聴き手の感情を揺さぶる。
こっから -Old School Breakin' Remix-
非凡な才能に恵まれなくても夢に向かって努力する人々を讃える「こっから」は、共感性の高いエールソングとして世間に広く浸透した。よりドープなヒップホップへと変化したこのリミックスバージョンは、多彩なスクラッチ音が耳を刺激する。
Never Ending Love(Jesse)
[作詞・作曲:堂本剛 / 編曲:Gakushi]
11thシングル「CREAK」には、6人のソロ曲をカップリング曲として収録。ジェシーの楽曲は彼が敬愛してやまない堂本剛(KinKi Kids)が制作するという夢のタッグが実現した。静かなピアノの音色に導かれるように、ジェシーははかなくも力強い歌声で永遠の愛と孤独な心情を丁寧に描き出す。和とファンクの要素が溶け合う、たゆたうようなサウンドに剛らしさがにじむ。
MUSIC IN ME(Yugo Kochi)
[作詞・作曲:Jamesy Minimal Fork、Soma Genda / 編曲:Soma Genda]
SixTONESのラップ担当と言えば田中だが、髙地のさわやかなラップもグループの武器となっている。日本語ラップが好きな髙地のソロ曲「MUSIC IN ME」には彼らしいポジティブなメッセージがちりばめられており、「夢果たすため来たFrom港町」には彼の地元である横浜への思いが、「6つのHARMONY」にはSixTONESへの愛が込められている。
ガラス花(Hokuto Matsumura)
[作詞・作曲:アイナ・ジ・エンド / 編曲:河野圭]
岩井俊二監督の映画「キリエのうた」で共演した松村とアイナ・ジ・エンド。松村たっての希望でアイナが書き下ろし、コーラスでも参加することになったのがこの「ガラス花」だ。無機質で飾り気のなかった歌声が、だんだんと厚みが増していくバンドサウンドとともに心の内を吐き出すように熱を帯びていく。
Sorry(Juri Tanaka)
[作詞:TSUGUMI / ラップ詞:Juri Tanaka / 作曲:Willie Weeks、Ninos Hanna / 編曲:Willie Weeks]
シングルのカップリング曲候補にあったデモ音源を気に入り、田中自身がソロ曲として選んだのが「Sorry」。R&Bとヒップホップをかけ合わせたグルーヴィなトラックの上で、クールなラップが展開されるが、歌詞には恋人に対する後悔の念がにじんでいる。日本語と英語をナチュラルに織り交ぜたリリックは田中が手がけたものだ。
We can't go back(Taiga Kyomoto)
[作詞・作曲:Taiga Kyomoto / 編曲:Akiyuki Tateyama(HIGHKICK)]
SixTONESとしての音楽活動の傍ら、自身で楽曲制作も行ってきた京本。2024年9月、クリエイティブプロジェクト・ART-PUTを発足させた彼は、2025年4月に初のアルバム「PROT.30」をリリースしている(参照:京本大我「PROT.30」全曲レビュー|30歳という節目に改めて人生と向き合い、表現したかったこと)。ART-PUT始動前の2016年頃に制作し、ずっと温めていたという「We can't go back」はなめらかなメロディラインが印象的なラブソング。流麗なストリングスやエッジの効いたギターを配した壮大なアレンジであっても、京本の歌声は埋もれることなく凛とした美しさを放っている。
Love is...(Shintaro Morimoto)
[作詞:EIGO(ONEly Inc.)、Dai Hirai / 作曲:Dai Hirai / 編曲:Dai Hirai、Haruhito Nishi(ONEly Inc.)]
森本のソロ曲を手がけたのは、自身が高校時代から憧れていた平井大。森本の甘くなめらかな歌声には、幸福なラブソングがよくマッチする。「『ありがとう』『好きだよ』『おはよう』 / 『おやすみ』」というフレーズには平穏無事な暮らしが垣間見え、ほっこりした気分に。ひだまりの中にいるような安らぎをもたらしてくれる1曲だ。