高嶺のなでしこが社会科見学!「日本橋川に青空を」首都高速道路日本橋区間地下化事業を学ぶ (2/2)

インタビュー:社会科見学を終えて

船上視察を終えた3人は再び会議室へ戻り、1日の総仕上げとしてこの日学んだことを語り合う座談会を開始。2名の首都高社員にも同席してもらい、“首都高トーク”に花を咲かせた。

首都高は“当たり前にあるもの”ではない

橋本桃呼 私たちは普段ライブなどの移動のときに頻繁に首都高を使わせていただいているんですけど、正直に言ってしまうと今までは“当たり前にあるもの”という感覚しかなかったんです。でも今日、いろんな方のいろんな思いがあって成り立っているものなんだということを知って、「私たちの生活を支えてくださっているものなんだな」と改めて実感することができました。

籾山ひめり 「首都高が人の手によってできている」ということ自体が、改めて思うとびっくりで。考えてみたらすごく当たり前のことなんですけど(笑)、やっぱり生まれたときから普通にあるものでしたし、「こういう道を作ったほうがみんなが便利になる」という人の意思によってできているなんて、考えたこともなかったです。

左から首都高社員の村上友基氏、杉原航平氏、島越貴之氏、大嶋健太氏、富樫大輝氏、高嶺のなでしこの城月菜央、橋本桃呼、籾山ひめり。

左から首都高社員の村上友基氏、杉原航平氏、島越貴之氏、大嶋健太氏、富樫大輝氏、高嶺のなでしこの城月菜央、橋本桃呼、籾山ひめり。

富樫大輝(首都高速道路株式会社) そうですよね。高速道路って、切符さえ買えば子供でも乗れる鉄道などとは違って、18歳以上になって免許を取ってからじゃないと自発的に利用する機会はなかなかないですから。存在意義を意識しにくいというのは、そういう事情もあると思います。

橋本 確かに……!

城月菜央 基礎知識編のときにクイズになっていた、物流に使われる手段が自動車、鉄道、船、飛行機と4種類ある中で、自動車の割合が圧倒的に一番多いというお話が印象的でした。ネット通販の荷物も首都高を通ってきているんだなと思うと、親近感が湧きます。

村上友基(首都高速道路株式会社) 首都高は1日につき約100万台の車が通行していますが、そのうち業務交通の割合が非常に多いというのが特徴です。おっしゃる通り、皆さんが通販で買った商品はほぼ例外なく首都高を通って届いているはずです。

城月 いろんなことを具体的な数字を交えながら教えてくださったので、イメージしやすくてわかりやすかったです。「勉強した!」って感じがします(笑)。船の上でクイズとして出題された、首都高の社員さんが約1000人いらっしゃることとか、首都高全体の95%が構造物でできているとか、「総延長が約327km」とか。

富樫 首都高は一本道に換算すると、東京~名古屋間や東京~仙台間くらいの長さに相当します。

城月 「そんなに長いんだ!」ってびっくりしました。そのすべてを1000人の社員さんだけで点検したり管理するのって大変ですよね。

城月菜央

城月菜央

富樫 保守、点検の業務をしっかり管理運営できているところは、弊社の特徴の1つだと自負しています。ただ、やはり我々社員だけではできないことなので、いろいろなグループ会社さんや施工業者さんなどと協力しながら実現しています。

橋本 皆さんが首都高の安全を守ってくださることで、私たちの生活も守られているんですよね。本当に感謝しかないです。

籾山 川や道路の上の空間を使って首都高のルートが整備された、というお話もありましたよね。私はそもそも「どうやってルートができていったのか」という思考にすら至ったことがなかったので、空間をうまく使って首都高が作られたというお話にはすごく感動しました。

富樫 「空間をうまく使う」って、いい表現ですね(笑)。まさにおっしゃる通りで、川や道路などの公共用地を活用して作っていったというのも首都高の大きな特徴なんです。ビルとビルの間を縫うように道路がカーブしていく光景は首都高ならではで、個人的にもすごくいい景色だなと感じていますね。

キーワードは「流れを止めずに作る」

橋本 先ほど地下化工事の現場を船の上から見学させていただきましたが、鉄道の線路や道路、橋などが複雑に入り組んでいるのを目の当たりにして。高架橋を撤去するだけも相当難しい工事なんだなということがよくわかりました。

富樫 今回の地下化工事では、キーワードの1つとして「流れを止めずに作る」というのがありまして。歴史の流れを止めることなく、史跡や文化財などに配慮すること。また、日本橋川の流れを止めることなく、トンネルを掘る必要がある。都心環状線の交通を止めることなく新しいルートへ切り替えるために、迂回路を設置する工事なども同様ですね。

橋本 文化財などの重要なものも残っているから、それを守りながら作業するというのもかなり神経を使うだろうなと思いました。

橋本桃呼

橋本桃呼

城月 制約がいろいろ多いんですよね? 川の水位を変えちゃいけないから、川幅を広げたり、模型実験で川の流れをちゃんと確認してから工事しないといけないとか。

籾山 「私たちの生活を止めずに」ということを考えてくださって、ギリギリのところを攻めて地下化を進めているというお話に本当に感動しました。私は2つのことを同時にできないんで……首都高さんはなんでそれができるんですか?

富樫 それが技術者なので。

籾山橋本城月 おおー! カッコいいー!(拍手)

籾山 名言だ!

“まちづくり”と一体となった事業

籾山 あとやっぱり、もともとあった日本橋の風景をよみがえらせるというか、「日本橋川に青空を」というコンセプトが本当に素敵だなと思いました。さっき船に乗せていただいたとき、頭の上にずっと道路があったんですけど、一部高架の撤去が終わっているポイントでは空が見えてすごく気持ちよかったです。工事が終わる2040年には、今日船で通ったところ全部で空が見えるようになっているんですよね?

籾山ひめり

籾山ひめり

村上 そういうことになります。今回の地下化工事は単なる道路整備のリニューアルにとどまらず、“まちづくり”と一体となった事業として進めているというのが大きな特徴になっています。

富樫 日本橋川周辺の再開発は国家戦略特区の都市再生プロジェクトという位置付けになっています。我々の地下化事業も地域全体の取り組みの中で事業を行っています。構造物を安全で安心なものに作り替えるうえで、日本橋上空に空を取り戻すことを望む地域の方々や行政の声を踏まえ、高架橋を作り替えるのではなく地下トンネル構造に変更する選択に至ったわけです。

橋本 トンネル構造にすることで、普通に道路を新しくするよりも何倍もコストがかかるとおっしゃっていましたよね。

籾山 お金も時間もかかるけど、それでも日本橋を魅力的な街にするためにがんばってらっしゃるというのがすごく素敵だなって。私たちも完成が楽しみです!

城月 トンネルに作り替えることで、道幅も広くなるんですよね?

富樫 そうですね。地下化後については路肩の幅が広がりますので、走行性は向上が期待されます。

学んだことを早くいろんな人に伝えたい

籾山 さっきも移動の車の中で話してたんですけど、ここで教わったことを今日来てないメンバーに早く伝えたいです。

城月 伝えたい伝えたい!

左から城月菜央、橋本桃呼、籾山ひめり。

左から城月菜央、橋本桃呼、籾山ひめり。

籾山 「日本橋に建ってる像って、あれ麒麟なんだよー!」みたいな豆知識も交えつつ(笑)。普段私たちは当たり前に首都高に乗っていて、そのありがたみを気にしたことがなかったんですよね。そのことに気付けたのが一番の学びでした。いろんな方の目に見えない努力のおかげで、私たちは安心して快適に移動できているんだなって。

橋本 街の景色って当たり前にそこにあるもののように感じてしまいますけど、日本橋の風景にもいろんな歴史があって今に至っていることを知れました。地下化の工事が終わって空の開けた日本橋の景色が見られるようになったら、そんな当たり前の景色を守ってくださる首都高さんに、みんな感謝の気持ちを持ってほしいなと思います。

富樫 ……すごくうれしいことを言ってくれますね(笑)。

籾山 メンバーに限らず、たかねこのファンの方……いや、ファンじゃない方にも、今日学んだことを広く伝えていきたいなと思います。それがアイドルとしての役割の1つでもあると思いますし……例えばクイズ番組に呼ばれたら、誰よりも早く首都高の問題に正解してみせます!

橋本 首都高の問題だけ?(笑)

城月 「首都高の道路のうち、構造物の割合は?」

籾山 「はい! 95%!」

城月 あははは。あと私たちは生配信をよくやるので、そういうときにもさりげなく伝えたいですね。「今日はこんな荷物が届きました! きっとこれは首都高を通って来てまーす!」とか。

籾山 不自然だなあ(笑)。

左から橋本桃呼、城月菜央、籾山ひめり。

左から橋本桃呼、城月菜央、籾山ひめり。

橋本 今日は本当に初めて知ることばかりでした。やっぱり現地へ行って実際に目で見ないとわからないことってたくさんあるんだなと思いましたし、首都高の皆様がそれを楽しくわかりやすく教えてくださってとってもありがたかったです。

籾山 船で解説してくださったお二人なんて、びっくりするほどのトーク力で(笑)。トークショーを観てるみたいに楽しんじゃいました。

城月 もっと「お勉強!」って感じの1日になるのかなって構えてたんですけど、全然そんなことなかったです。楽しい感じで説明してくださったので、頭にもスッと入ってきて。おかげさまで、船の上で説明があった「ラーメン構造」という言葉を覚えました。食べるラーメンじゃなくて、ドイツ語で「枠」のことを「ラーメン」って言うんですよ!

富樫 おお、素晴らしい。正解です。

城月 だから、どうにかしてラーメンで枠を作ったら「ラーメンラーメン」になるんですよ!

籾山 ラーメン(麺)のラーメン(枠)ってことね。これ、船を降りたときからずっと言ってて(笑)。

富樫村上 はははは。

城月 これからは首都高を通るだけでテンションが上がりそう! あと昔、習い事へ行くときに親が運転する車で首都高をよく通っていたんですけど、車の中で音楽を聴いていたのが印象に残っていて。首都高は音楽と相性がいいですよね。

富樫 アーバンな楽曲が合うと思います(笑)。

橋本 みんな首都高を通るとき、どんな曲を聴いてるんだろう?

籾山 ファンの方やナタリーの読者さんに聞いてみようよ。「首都高を通るときに聴きたい楽曲は?」って。「#首都高たかねこ」を付けて、ぜひXに回答をポストしてください!

首都高の社員と橋本桃呼、城月菜央、籾山ひめり。

首都高の社員と橋本桃呼、城月菜央、籾山ひめり。

首都高速道路日本橋区間地下化事業

公式サイト

プロフィール

高嶺のなでしこ(タカネノナデシコ)

オーディション企画「JDOL AUDITION」を勝ち抜いて選ばれた7名と、ラストアイドルの元メンバー3名からなる10人組の女性アイドルグループ。サウンドプロデュースはクリエイターユニットHoneyWorksが担当している。2022年8月開催のアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL 2022」でお披露目され、2024年2月にシングル「美しく生きろ / 恋を知った世界」でビクターエンタテインメントよりメジャーデビューを果たした。2025年9月に千葉・幕張メッセ 幕張イベントホールでワンマンライブを行うことが決定している。