SHOWROOMは自分を見つめ直せる場所
──皆さんの活動とSHOWROOM配信は昔から密接な関係があると思います。STU48の2期生はオーディションの時点でSHOWROOM審査がありましたよね。
原田 そうですね。私は人前でしゃべるのが本当に苦手で。でもSHOWROOMって何千人もの方が観に来られるじゃないですか。だからオーディションのときはとんでもなく緊張して、配信が終わった瞬間、床に崩れ落ちてしばらく動けませんでした(笑)。SHOWROOM審査期間の1週間はごはんもほとんど食べられず、「私、向いてないな」って。でも最近、自分は変わったなと思った瞬間がありました。今度舞台に出演させていただくことになり、稽古で1カ月ほど東京にいるんですけど、慣れない環境の中でSHOWROOM配信を始めたらすごく心が落ち着いたんです。ファンの皆さんと対話する時間が、いつの間にか私にとってかけがえのないものに変わっていました!
──4年間配信を重ねて、ファンとの信頼関係が築き上げられたんですね。
工藤 私はぴゃちゃんとは真逆で、人前で話すのが好きだったからSHOWROOM配信も最初から得意でした。ただ、どうしてもコメントが気になってしまって。優しいコメントが100個あっても、ネガティブなコメントを1つ見ただけで落ち込んじゃうことが前は多かったです。最近私がSHOWROOM配信をしていて思うのは、「ファンの方は自分を映してくれる鏡」ということ。チクチクしたコメントが来るときは、自分にまだ足りない部分があるからなんですよね。逆に甘やかしてくださるときは「自分が今がんばっているから甘やかしてくれているんだ」と思ったり。だから、私にとってSHOWROOMは自分を見つめ直せる場だと思っています。
──ファンの方からの最近の反応はいかがですか?
工藤 「ゆっくり眠りな~」ってコメントしてくれたり、ものすごく優しくしてもらっています! 以前の私はよからぬ発言をしてしまい、配信中に大泣きしたこともあって。でも今はそんな危ない発言もしなくなりましたし、丸くなったなって思います。大人になりました!
──これまでやってきたSHOWROOM配信の中で、特に印象に残っている配信回を挙げるとしたら?
工藤 隣の部屋でそれぞれ配信をしていたことがあるんですけど、私がカラオケ配信で大はしゃぎして欅坂46さんの「不協和音」を歌っていたら、私の渾身の「僕は嫌だ!」がぴゃちゃんの配信の音声に入っていたんだよね?
原田 いやもう「入ってた」どころじゃないよ。丸聞こえ! 「これ理子ちゃんの配信だっけ」ってコメントが来てたもん(笑)。
工藤 ごめん! 当時の私は何も考えずに配信していたんですよ。ほかにも、私が朝早くに配信を始めて、画面に向かって「おはよう」って言ったら、そばで寝ていたぴゃちゃんが「おはよ~」って(笑)。
原田 そんなことあったっけ? 理子ちゃんは朝起きて3秒後には配信を始めてた記憶がある。
工藤 今思うと完全にマナー違反だけど、当時は顔も洗わずに配信をしていました……。今はもちろん洗ってから配信してますよ!
原田 私は2人でクリスマス配信をしたのが思い出に残っています。STU48に加入してすぐだったよね?
工藤 うん。2期生のお披露目イベントが2019年12月21日で、その日からSHOWROOM配信ができるようになって、一緒に配信をしたのがその4日後の12月25日だったはず。
原田 懐かしいね! 2人でチキンを買ってきて一緒に食べたのを覚えてる!
工藤 おそろいのパジャマも着た! 事前に配信の段取りも決めたりして、初期の私たちってプロ意識高かったね。今じゃ完全になりゆき。突然ゲリラで一緒に配信を始めたりするし、トーク内容もファンの皆さんを置いてけぼり(笑)。
原田 ふふふ。それだけ今はファンの方に素を見せられるようになったってことかも。
──普段、お互いの配信を見ることはありますか?
工藤 私はぴゃちゃんのルームをフォローしていますよ。なかなか会えないときは配信を観て生存確認をしています。
原田 私もたまに観ます。今回のイベント期間も、理子ちゃんがセーラー服を着てハンバーグを作っているのを見ました。
工藤 え、めっちゃ恥ずかしい! 私は、配信でぴゃちゃんが幽体離脱の経験談を語ったんだけどファンの方に全然信じてもらえなかったっていうエピソードが好きです(笑)。魂が天井まで上ったんだよね?
──どういうことですか? 詳しく聞かせてください。
原田 中学生の頃、私は毎日幽体離脱のやり方を研究していたんです。毎晩いろんな方法を試していたんですけど、ある日、球体をイメージして意識を集中させたら魂が天井まで上がっていきました! 成功したのはその1回きりなんですけど。
──その話を配信でしたけれど、信じてもらえなかったと。
原田 はい。でも事実なんです!
STU48みんなで日本武道館に立ちたい
──昔からずっと仲がいいという“さやかて工藤”のお二人ですが、お互いにアイドルとして尊敬する部分や魅力を感じるところを教えてもらえますか?
工藤 私はアイドルを「成長の物語」だと思っているんですけど、その意味でぴゃちゃんは完璧なアイドルだと思っています。加入して最初のレッスンではあまりに踊れなくて泣いていたけど、今では振付も完璧に覚えてくるし、歌もボイストレーニングに通って練習し、ソロパートを堂々と歌うまでに成長していて。地元の福岡から見知らぬ土地である瀬戸内に1人で出てきてきっと不安もあったはずなのに、今ではそんな面を見せなくなったので、強くなったんだなと思います。そして何よりステージ上のぴゃちゃんはかわいい! リハーサルの映像を観ていてもぴゃちゃんは1人だけ輝きが違います! そんな子の隣に今いられることが幸せです。
原田 ありがとう。理子ちゃんは私にないものをいっぱい持っています。場の空気を明るくしたり周りを巻き込んでいくパワーを持っていて、今まで何度も助けられてきました。オーディションで初めて出会ったとき、私は不安に襲われてごはんも食べられない状況だったんですけど、そんな私を見た理子ちゃんが「どうしたの? 大丈夫だよ!」とすごく明るく励ましてくれて。さらに「じゃあ私が代わりにお弁当を食べて、味を伝えてあげるよ!」って1人で食レポを始めてくれたんです(笑)。
工藤 アハハ! 確かにしてた。
原田 そしてグループの活動でも、理子ちゃんはまっすぐに努力ができる人だと思います。悔しいことがあっても腐らずに進んでいける力を持っていて、とても素敵だなと思っています。
──その努力が実り、工藤さんは11月1日にリリースされるSTU48の10thシングル「君は何を後悔するのか?」で初の選抜入りを果たしました。
工藤 選抜入りはずっと目指していた目標だったので、「やっと叶ったんだ!」ってとてもうれしかったです。そして選抜でのお仕事に参加させていただくようになり、「ここがゴールじゃないんだ」と改めて感じました。選抜の一員としての自覚を持ち、もっと高みを目指したいというのが今の気持ちです。一方、私たちには“さやかて工藤”で一緒に夢を叶えたいという思いもあったから、私に「おめでとう」と言ってくれたぴゃちゃんは本当に優しいなあと思って……。
原田 いいよ! 私の話は。
──原田さんは10thシングルの選抜メンバーが発表されたあと、自身のSHOWROOM配信で「11枚目のシングルで選抜復帰を果たしたい」と決意表明をされてましたね。
原田 私は10thシングルでの選抜復帰に懸けていたので、それが叶わずとてもショックでした。ただ、ここであきらめてしまえば、大好きなSTU48が自分の中で悲しい思い出になっちゃう気がしたんです。楽しい思い出まで悲しさに塗り潰されてしまうような気がして。なので配信でそのような発言をしました。もちろん、理子ちゃんの選抜入りは心からうれしかったです。彼女のがんばりをずっとそばで見てきたので、報われて本当によかったと思っています。
工藤 うれしい……。この話題は触れちゃだめかもと思って避けていたけど、今ぴゃちゃんの気持ちを聞けてよかった。本当に優しいね、君は!
原田 そんなことないよ(笑)。
──STU48のエースとして活躍してきた瀧野由美子さんが7月に卒業を発表し、グループは変革期を迎えます。工藤さんは選抜の一員として、果たす役割も今後大きくなってくると思います。
工藤 そうですね。その責任感もだんだんと芽生えてきました。以前、先輩の沖(侑果)さんから「2.5期研究生や3期研究生は、2期生の背中を見て育つから」と言われたんです。確かに私も1期生さんやドラフト3期生さんの姿を見てたくさん学んできました。これからSTU48をさらに強いグループにするため、いい背中を見せて、責任を持って後輩たちを育てたいという思いもあります。そして、私はSTU48みんなで日本武道館に立ちたいという目標を持っていて。STU48は2021年に武道館コンサートを開催していますが、全員がステージに立てたわけじゃないんです。だから私はそこへSTU48を引っ張っていけるよう、グループに貢献できる人になりたいです。
“さやかて工藤”の今後
──では最後に、“さやかて工藤”の今後について伺いします。先ほど「公式ユニットに成り上がりたい」とおっしゃっていましたが、2人でどんな活動がしたいですか?
工藤 撮影のお仕事がしたいです! タンクトップやキャミソールの清純グラビアを2人でやってみたいですね。私たちは同い年で仲のよさがアピールポイントなので、写真を通して“さやかて工藤”の関係性を感じてもらえたらうれしいです。
原田 やってみたいね。そしてこれは大きな夢なんですけど、シングルのカップリングとして2人のユニット曲が欲しいです!
工藤 ふうちほさん(石田千穂、薮下楓)のユニット曲「短日植物」のような、かわいい曲を歌いたい! 夢はいっぱいあるよね、私たち。
原田 うん! ただ、1つ気になっていることがあって。“さやかて工藤”っていう名前があまりよくないんじゃないかな……?(笑) 「さやりこ」とか「りこさや」みたいな、かわいくてわかりやすい名前にしたほうがいいんじゃないかなって最近思っています。
工藤 そもそも“さやかて工藤”って、どうやって決まったんだっけ?
原田 SHOWROOMで決まった気がする。コメント欄で募集して、アンケートで決まったような。
工藤 だったらまた相談しよっか? 私たちの第2章に向けて、SHOWROOMで話し合いをしよう!
プロフィール
工藤理子(クドウリコ)
2002年3月29日生まれ、山口県出身。2019年にSTU48に2期生として加入し、2021年に正規メンバーに昇格した。2023年11月1日にリリースされるSTU48の10thシングル「君は何を後悔するのか?」にて初の選抜メンバー入り。
工藤 理子 STU48 OFFICIAL WEB SITE|STU48 FAN CLUB
原田清花(ハラダサヤカ)
2001年6月19日生まれ、福岡県出身。2019年にSTU48に2期生として加入した。2021年2月発表のシングル「独り言で語るくらいなら」で初の選抜メンバー入りを果たし、同年9月に正規メンバーに昇格した。
原田 清花 STU48 OFFICIAL WEB SITE|STU48 FAN CLUB