音楽ナタリー PowerPush - シシド・カフカ

チャレンジを繰り返すドラムボーカリストの今

学べたものとこれから生かしていくもの

──作曲は斉藤さん、詞は斉藤さんとシシドさんの共作ですね。歌詞はどんな流れで作られたんでしょうか?

はい。まず私がバーッとベースとなる言葉を書いてお渡しました。それを和義さんが読んで、たぶん私のことを考えながら曲を作ってくださって。そしてドラマ側の意向なども踏まえて「じゃあもうちょっとここをこうしましょうか」って一緒に机を並べて歌詞を煮詰めていったんです。和義さんから「こういうイメージの言葉を考えてみて」って言われて私がバーッと言葉を出していき、それを彼が拾ってくださってっていう作業もありましたね。

──今回のコラボレーションで、シシドさんがアーティストとして学んだものはありましたか?

シシド・カフカ

もうたくさんありすぎて! レコーディングの仕方、言葉の乗せ方、歌詞で表すものの捉え方、私やスタッフへの接し方なんかも含めていろいろ勉強させていただきました。

──その中でもっとも影響を受けたのは?

はい。ドラムボーカリストっていうことで、私にとってリズムはすごく大事ですし、言葉の乗せ方もとても大切なんですけど、和義さんはリズムの体感の仕方がちょっと違う感じがあって。そこにハッとしたというか。

──と言うと?

人間が持ってる揺らぎっていうものを和義さんは大切になさっているんですよね。そんな懐かしい、気持ちのいい揺れを感じながらドラムを叩いて歌うのが私にはとても新鮮で。今までのシシド・カフカとは違うリズムの音楽を作れたと思っています。

楽しいことし続けるから!

──シシドさんは今後もほかのアーティストとのコラボレーションを続けていくそうですね。ミニアルバム「K5(Kの累乗)」には年末に「COUNTDOWN JAPAN」で共演したKenKenさんとのコラボレーションナンバーも入ると伺っていますが。

はい。KenKenさんは「COUNTDOWN JAPAN」のときのセッションをすごい面白がってくださったみたいで、お声がけしたら「いいよ、やろうよ!」って。彼も私と同じでチャレンジャーなので(笑)、面白いアプローチの楽曲になると思います。楽しみにしていてください。

──いろいろなチャレンジを続けて、シシドさんは今後どんな方向性で活動をしていく予定でしょうか?

まだまだセッションしたい人がいっぱいいるので、そういう方々とプレイしてもっと吸収していきたいですし、全然違うジャンルの人を連れてきて、私が一緒にセッションしてロックと何かの融合を目指すのも面白いなと思ってます。でも、あえてこれというものは持たないようにして、ロックは楽しい、ライブは楽しいっていう感覚だけで動いていきたいですね。

──じゃあ特にゴールのようなものを持たずにひた走っていく?

ゴールは……コロコロ変わっちゃうんで、難しいですね。思った通りにいったことがない人生なんですよ、よくも悪くも(笑)。だからこれからって言っても1年後すら見えないんです、せいぜい1カ月先ぐらいまでが精一杯。10年後くらいに「一生ロックです」って言ってる自分も「ジャズがんばってみようかな」って言ってる自分も両方想像できちゃって……さあ、どうしましょうね。

──はははは(笑)。

シシド・カフカ

なんて締めましょう?(笑)「どうなりたいですか」ってよく聞かれるんですけどいつも悩むんです。でも私が全力で楽しめばみんなも楽しくなれるんじゃないかなって思ってはいるので……。

──じゃあファンの方々に伝えるメッセージとしては、これからもついてきて!といったところでしょうか?

ああ、本当にそんな感じですね。「私、楽しいことしちゃうよ? し続けるから!」って(笑)。

ミニアルバム「K5(Kの累乗)」 / 2015年6月17日発売 / avex trax
CD+DVD 3024円 / AVCD-93151/B
CD 1944円 / AVCD-93152
CD収録内容
  • Don't be love feat.斉藤和義
  • Trans fatty acid feat.KenKen(from RIZE)

ほか

CD+DVD盤付属DVD収録内容
  • Don't be love feat.斉藤和義(Video Clip)
シシド・カフカ Session Mini Album
「K5(Kの累乗)」リリース記念ライブ「フミコム」
2015年6月17日(水)東京都 TSUTAYA O-WEST
シシド・カフカ

メキシコ生まれ。中学生時代にアルゼンチンでドラムを叩き始め、数々のバンドに在籍したのちにドラムボーカルのスタイルとなり、2012年5月に配信曲「デイドリームライダー」でデビュー。9月に1stシングル「愛する覚悟」をリリースした。以後も長髪を振り乱しながら力強くドラムを叩いて歌うスタイルで注目を集め、コンスタントに作品を発表。2013年9月にはアルバム「カフカナイズ」をリリースした。一方でモデルやドラマ「ファーストクラス」の出演、「新堂本兄弟」へのドラマーとしてレギュラー参加など多彩な活動を展開。2014年9月にはエイベックスへの移籍を発表。4月には配信シングル「Don't be love feat. 斉藤和義」をリリースした。そして6月には「Trans fatty acid feat.KenKen(from RIZE)」など多様なコラボレーションナンバーを収録したセッション・ミニアルバム「K5(Kの累乗)」をリリースする。