音楽ナタリー PowerPush - シシド・カフカ
チャレンジを繰り返すドラムボーカリストの今
シシド・カフカがエイベックス移籍第1弾作品となる新曲「Don't be love feat.斉藤和義」を配信リリースした。この楽曲でシシドは、かねてから念願だった斉藤和義とのコラボレーションを実現。シシドのアイコンとも言えるドラムに乗せて斉藤のメロディが彼女の凛とした声で歌われている。
音楽ナタリー初登場となる今回は彼女の音楽的な原点やアーティストとしての姿勢、今後の展望を語ってもらった。
取材・文 / 鵜飼亮次 撮影 / 上山陽介
ドラムとの出会い
──まずはシシドさんが音楽とどう関わってきたかというところから聞かせてください。シシドさんが記憶している最初の音楽体験はいつのものですか?
5歳ですね、友人が弾いてたバイオリンに感動して。それで「私もやりたい!」って親に買ってもらって、12歳までやっていました。あとは毎朝礼拝があるような学校にいたので、小学校4年生頃からクワイヤに参加もしていて。
──では、シシドさんにとって欠かせないものとなっているドラムとの出会いは?
小学生のときにテレビの音楽番組で観た、スポットライトが当たらないドラマーの立ち位置に惚れたのがきっかけですね。陰ながらほかのメンバーの歌や演奏を支える存在っていうのがいいなと思って。それでアルゼンチンに住んでいた14歳の頃に手に入れたんです。
──中南米と言えばリズムが肝となる音楽が多く、それが街にもあふれている印象があります。そういった音楽環境がシシドさんに影響を与えることはありましたか?
アルゼンチンでは日曜日になると街中でタンゴを踊っている姿を見ることができたり、学校の修学旅行にダンスパーティが組み込まれてたりとかはありました。なので私も音で体を揺らす機会が多かったおかげで伝統音楽なんかも含めてさまざまの音を楽しめるようになりました。ドラムの練習もタンゴやボサノバのリズムで、という感じでしたね。
──なるほど。
ただ、実はアルゼンチンではちょっと内にこもってしまっていたというか(笑)、向こうの人と音を合わせるとか現地のライブを観に行くようなことはしてなくて。
──積極的にバンドをやっていたわけではないんですね。
はい。生ドラムではなくて電子ドラムだったのでいろいろなサウンドを選びながらひたすら同じビートを1人で叩いたり、1つ新しいフレーズができたら友達を家に呼んで「カッコいいのができた!」って言って聴かせたりっていうのやってました。
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CD収録内容
- Don't be love feat.斉藤和義
- Trans fatty acid feat.KenKen(from RIZE)
ほか
CD+DVD盤付属DVD収録内容
- Don't be love feat.斉藤和義(Video Clip)
- シシド・カフカ Session Mini Album
「K5(Kの累乗)」リリース記念ライブ「フミコム」 - 2015年6月17日(水)東京都 TSUTAYA O-WEST
シシド・カフカ
メキシコ生まれ。中学生時代にアルゼンチンでドラムを叩き始め、数々のバンドに在籍したのちにドラムボーカルのスタイルとなり、2012年5月に配信曲「デイドリームライダー」でデビュー。9月に1stシングル「愛する覚悟」をリリースした。以後も長髪を振り乱しながら力強くドラムを叩いて歌うスタイルで注目を集め、コンスタントに作品を発表。2013年9月にはアルバム「カフカナイズ」をリリースした。一方でモデルやドラマ「ファーストクラス」の出演、「新堂本兄弟」へのドラマーとしてレギュラー参加など多彩な活動を展開。2014年9月にはエイベックスへの移籍を発表。4月には配信シングル「Don't be love feat. 斉藤和義」をリリースした。そして6月には「Trans fatty acid feat.KenKen(from RIZE)」など多様なコラボレーションナンバーを収録したセッション・ミニアルバム「K5(Kの累乗)」をリリースする。