白キャン史上一番力強い歌声
──ワンマンライブでのステップアップを経て、白キャンはニューシングル「ぼっち」をリリースしました。前作「桜色カメラロール」から約3年ぶりのCDシングルですが、今まで以上に力強く外に向かっていくようなイメージのロックナンバーですね。
小野寺 プロデューサーさんから「これはこういう曲だよ」という説明は特になく、メンバーそれぞれが曲を解釈してレコーディングしたんです。私は、本音で人と接することが怖くていつも1人でいる子が、自分と向き合い、「行くぞ!」って殻を破ることを歌った曲だと思っていて。歌に関しては「叫ぶように歌って」「感情をもっと出して」ってアドバイスをもらったので、今までで一番力強く歌いました。
橋本 「ぼっち」では7人全員が全力で歌っていて、あずちゃんだけじゃなく、みんなの歌声が今まで一番力強い曲になってると思います。
浜辺 みんなの歌い方がいつもと違ってていいよね。自分は強めの歌い方が苦手なんですけど。
小野寺 でも、ゆりなもよかったよ。
浜辺 ホントに? 今までにない挑戦だったので、新しい自分を出せてたらうれしいです。
西野 曲中に「ヘイ! ヘイ!」って叫ぶところがあるんですけど、私はレコーディングで叫びすぎて喉が潰れるかと思いました(笑)。今までいろんな曲を歌ってきたけど、今回もまた新しさがあって、すごく疾走感のある曲ですね。ファンの方は「これは青春パンク、メロコアだね」と言ってました。楽曲の尺がいつもよりも短くて、3分ちょっとなんですけど、この3分で“君”の人生を変えられたらいいなって。
橋本 めちゃカッコいいこと言うやん!(笑)
西野 ヤバい、なんか乗り移った(笑)。
鈴木 私は「ヘイ!」を録るとき、最初に叫んだ声がかわいくなさすぎてやり直しました(笑)。いつもより声が低くて、自分で聴くと違和感があったんです。でも、みんなの声と一体になった音源を聴いたらすごく迫力がありました。冒頭からメンバー全員で歌ってるのも、力強さがあっていいなと思います。
三浦 歌詞に関して言うと、私はサビの「一人になりたいわけじゃなんだ 孤独になるのが怖いからただ 自分で一人を選ぶんだ」というフレーズに共感しました。私は普通に人と接することはできるんですけど、自分の思ってることをちゃんと全部伝えられるかと言ったら違って、相手と距離を取ってしまいがちなんですよ。「自分が思ってることを言って嫌がられたらどうしよう」とか、「やりたいことがあってもそれが叶わなかったら怖いから言えない」と考えちゃうタイプだから、この歌詞に共感したんだと思います。けっこうすごいことを歌ってる曲だなとも思ったんですけど。
──本音を言うことができない理由やその心情について、感情をむき出しにして歌ってますからね。
三浦 そうなんです。白キャンの曲って、私自身が思ってても声に出して言えないようなことがそのまま歌詞になってることが多くて、いつもびっくりします。
橋本 「ぼっち」の歌詞は今の時代に合ってるなと感じました。今ってSNSとかネットを通して簡単に人とつながれる分、相手の感情に踏み込むことがあまりないなって感じるんです。コミュニケーションがうまくなくてもそれなりに仲よくはなれるけど、ネット上で本来の自分を出してるかと言ったらそうじゃないんですよね。この歌詞は、ネットだけじゃなく学校生活においても共感できる内容だと思います。友達の前で自分を出せないのって意外とありがちなことですが、思い切って自分の感情を表に出してみるともっと仲よくできるんだよって、この曲を通して伝えられたらいいですね。私は友達が少ないほうなんですけど、学生時代にこの曲に出会っていたらもうちょっと友達が多かったかもしれません(笑)。
西野 この前、YouTubeで公開されている「ぼっち」のミュージックビデオのコメントに返信するという企画をやったんですけど、ある方が「学生時代を思い出しました」と書いてました。
麦田 ファンの方がいろんな解釈してくれてるんですよ。みんなの言葉を聞けてうれしかったです。
小野寺 「自分のことかと思った」ってこの曲に共感してる人がたくさんいたよね。
西野 いたいた。自分も友達が多いわけじゃないからすごく共感できました。
橋本 でも、友達が多くても共感できる曲だと思う。明るいように見えて人前で自分を出せない人ってけっこういると思うから。
ひさしぶりにファンの顔を見たら涙が
麦田 「ぼっち」のMVはドラマ仕立てで、歌詞の主人公の気持ちがより伝わる映像になっていると思います。やっぱり人間って結局はみんな1人なんですよね。でもその1人ひとりが集まって、みんなで気持ちをぶつけ合って楽しむ。そんなライブができたらいいなと思いました。
浜辺 少しでも孤独を感じてる人がいたら、白キャンのライブに来てほしいです。そんな人たちに私たちが元気を届けたいです。
──今話に出たようにMVはドラマシーンがメインですが、そこは女優さんが演じていて、メンバーは最後のシーンにしか出演していないのが面白いですね。
西野 メンバーが数秒しか映ってないという斬新さです(笑)。
橋本 終盤のライブシーンの観客は白キャンの実際のファンの方たちで、エキストラとし出演してくれたんです。
──最後のシーンは、孤独を感じる人やいろんな思いを持った人たちがライブという空間に集まって熱い気持ちを共有していて、その場を提供してるのが白キャンという、ライブやアイドルの存在意義を感じさせる内容ですよね。
小野寺 ファンの方たちとMVに一緒に出るのは初めてだったので新鮮でした。そうだ、私、このMV撮影でも泣いたんだ(笑)。実際のライブじゃなく、あくまでMVの撮影ということで観客役のファンの方たちがマスクを外してたんですけど、ひさしぶりにみんなの顔を見たら感極まっちゃって。マスク越しでもみんなの気持ちはわかってるつもりだったけど、実際に笑ったり喜んだりしてる顔を目にしたらすごく感情が伝わってきたんです。それがうれしかったですね。私たちは一瞬しか映ってないけど楽しい撮影でした。
西野 アイドルのMVにメンバーがほとんど映っていないのは、グループのことをアピールするという意味では微妙なのかもしれませんが、自分たちがずっと映っていると「このシーンの◯◯ちゃんかわいい」って、内容よりもメンバーに目がいっちゃうと思うんです。感情をぶつけるような曲だからこそ、歌詞の世界観を伝えるためにこういう構成のMVのほうが合ってるんだと思います。
全公演声出しOKのツアーへ向け
──3月には全国ツアー「だから夢、だけど現」がスタートします。最後にこのツアーの意気込みを聞かせてください。
西野 2年ぶりの全公演声出しOKのツアーになるんです。
橋本 7人体制初のツアーでもあるんですよ。
小野寺 だからすごく楽しみですね。
浜辺 しかも、今までのツアーと比べて会場がどこも大きいんです。
西野 4月23日のツアーファイナルの会場は豊洲PITです!
三浦 あと、大阪や名古屋にはときどき遠征するんですけど、仙台と福岡にはコロナ禍になってからほとんど行けてなかったんですよ。東北や九州の皆さんに会いに行けるのが楽しみです。
小野寺 時間的に難しいかもしれないけど、今回もビラ配りをしたいです。
橋本 前回撒いた種というか(笑)、前にビラをもらってくれた人が「白キャン、全国ツアーで近くに来るじゃん」と思い出してライブに来てくれたらうれしいですね。
小野寺 あと、ツアーでは絶対各地のおいしいごはんを食べたいよね。
一同 食べたい!
小野寺 最近はコロナ禍の影響で遠征しても外食禁止だったんですけど、このツアーでは解禁になったらいいなって。
西野 牛タンとか手羽先とか、おいしいものを絶対食べたいです!
浜辺 私は福岡の明太もつ鍋が食べたいです!
橋本 食べ物の話ばっかりになっちゃったじゃん(笑)。ライブでは今の白キャンの魅力をしっかりお見せできるようにがんばるので、ぜひ楽しみにしてもらえるとうれしいです!
ライブ情報
真っ白なキャンバス「全国ツアー2023『だから夢、だけど現』」
- 2023年3月18日(土)愛知県 名古屋ReNY limited
- 2023年3月25日(土)福岡県 DRUM Be-1
- 2023年4月9日(日)大阪府 Zepp Namba(OSAKA)
- 2023年4月15日(土)宮城県 仙台PIT
- 2023年4月23日(日)東京都 豊洲PIT
プロフィール
真っ白なキャンバス(マッシロナキャンバス)
「あなたと一緒に、大きな夢を描いていきたい。この真っ白なキャンバスに。」というキャッチコピーを掲げて活動しているアイドルグループ。2017年9月に結成され、同年11月にお披露目公演を行った。2018年3月に東京・CHELSEA HOTELで1stワンマンライブ「ENDING IS BEGINNING」を実施。同月に1stミニアルバム「White Canvas」、2019年3月に1stシングル「闘う門には幸来たる」を発表した。一度グループを卒業した麦田ひかる、鈴木えまが2021年7月に再加入し、既存メンバーの小野寺梓、三浦菜々子、西野千明、橋本美桜、浜辺ゆりなと合わせて7人体制になった。2022年7月に山梨・河口湖ステラシアターにて初の野外ワンマンライブ「真っ白なキャンバス フリーライブ2022 夏」、同年11月に東京・TOKYO DOME CITY HALLでデビュー5周年記念ライブ「希望、挫折、驚嘆、絶望、感謝 それが、私。」を開催。2023年2月にニューシングル「ぼっち」をリリースした。