「下北沢にて'19」特集THEラブ人間インタビュー|ばらの坂道を駆け抜けた10年とこれから

辞めるタイミングは自分で決めたかった

金田 それで2018年2月に遥が辞めることになって。俺は遥が大好きだったから、遥が辞めるなら俺もバンドを辞めるってツネに話したよね。ツネはギタリストを新しく入れなくても金田がギターを弾けるし、大丈夫だと思っていたけど、俺は遥がいないと楽しくないからいやだって言ったの。

ツネ 遥はムードメイカーなところがあったからね。

金田 遥と2人で話してきたあとに、俺がツネに辞めるって言ったからツネはめちゃ驚いてたよね。まあでも俺がTHEラブ人間を辞めようと思ったのはそれが最初で最後かな。頭の中でできている音楽に遥のギターが必要だったし。

2018年のTHEラブ人間。

富田 そこからどうやって持ち直したんですか?

金田 俺がここまで続けたTHEラブ人間を辞める理由が、遥が辞めるからなんてマジでムカつくなと思って(笑)。続けることが正義だと思ったことはないけど、俺がTHEラブ人間を辞めるときは自分でそのタイミングを決めたかった。だからツネに話したその日の帰りに辞めるのを撤回。「21世紀“楽勝”宣言e.p」のレコーディング日程も決めていたし、ギターを1本抜いたアレンジを一気に詰めてそこからは怒涛の日々。「21世紀」を出して、ツーマンツアー「恐るべき子供たち」をやって、8月には「電波.ep」を出して、ひさしぶりのワンマンをLa.mamaで。それでわかつきは燃え尽きて脱退した。

THEラブ人間

バンドを続けている理由は全然わからない

富田 やっと今年に追い付いた。

2019年のTHEラブ人間。

金田 今年はライブもいっぱいやったし、フェスもたくさん出たよね。それで10月にベストアルバム「PAST MASTERS」をリリース。フェスは本当にツネがここまでコツコツ積み上げてきてくれた関係が実を結んだとしか言えない。

ツネ ありがたいことですよ。

富田 THEラブ人間の音楽はYouTubeとかで聴いてて、入る前まではなんかバイオリンがいた変わった編成の暑苦しそうなバンドだなと思っていました。入ってみたらそのイメージを残しつつ、実は繊細な男たちの集まりなんだなと気付きましたね。いやあ、でも10年続けるってすごいことだと思います。いろんな人が入ったり、旅立っていったり……関わった人たちが勢ぞろいした「PAST MASTERS」のジャケ写を見ると不思議な気持ちになります。

──オリジナルメンバーの金田さん、ツネさん、谷崎さんはなぜここまで続けてこれたんだと思いますか?

2019年のTHEラブ人間。

金田 音楽を続けている理由は好きだからなんですけど、THEラブ人間というバンドを続けている理由は全然わからない。それはもうこれから答え合わせをしていくしかないと思います。

谷崎 俺は意地もあったかなあ。レーベルも事務所もなくなって、ずっと一緒にやってきたえみそんがいなくなったときはマジで辞めようかと思ったんですけど、THEラブ人間は俺の生活から何から全部の主軸になっていたから。それもあったと思う。ツネは?

ツネ 辞めない理由なんてないよ。辞めないから続いていくんだし。

金田 「PAST MASTERS」の「今が最高だと強がれ」というキャッチにその気持ちは現れているよね。

ツネ まあ俺の場合は人が好きだからかな。THEラブ人間やってなかったら、出会えなかった人たちが多すぎる。それが大きいかな。