音楽ナタリー Power Push - SHE'S

3部作の締めくくりで見せた4人の自信

ストレートな感謝の歌

──本作の、そしてミニアルバム3部作の最後のナンバー「Curtain Call」はライブでプレイするとシンガロングが生まれそうな、一体感のあるナンバーですね。

井上 そうですね、曲の雰囲気はメンバーみんなが通ってきたUKロックを自分たちで演奏したというか。Oasisとかに影響されていて、そういうサウンドを自分たちでも出したいなと思ったんです。だからアレンジもすごく自然と形になって。

広瀬 これ、できたの早かったよな。

井上竜馬(Vo, Key, G)

井上 早かった。

──この楽曲はいつ頃作られたものでしょうか?

井上 4月ぐらいに作ってました。それで、曲のコンセプト的にもアルバムの最後の曲になると思ったので、「いつかいいタイミングで出せたら」って考えていて。

──「Curtain Call」という、幕が下りたあとの挨拶という意味の曲名にどんな意味を込めましたか?

井上 カーテンコールって言葉の通り、締めくくり的な意味ももちろんありますし、歌詞の内容がもう全面的に、めっちゃどストレートにお客さんに感謝してる内容なのでこのタイトルにしました。

──「独りじゃないって 思えた時 いつだって君の声が 傍にいてくれたから」という歌詞も実体験に基づいている?

井上 以前けっこう落ち込んだことがあって、もう音楽をやめたいとすら思ったときにお客さんの声を聞いて「もうちょいがんばろう」と思えたことがあって。これはそのときに書いた曲なんです。

──なるほど。そしてこの曲は「ストーリーはずっと続いてくよ」という、皆さんの意思表明のようなメッセージで締めくくられています。

井上 言葉通りで、最後の曲らしく「これで終わりじゃないんだよ」って気持ちも込めて歌いました。

ぶっちぎりでやり切る

──連作を終えた今、皆さんは今後どういった方向に進んでいこうと思いますか?

服部 3部作の最後というのもあって、今回は「これぞSHE'S」みたいなものを作れたかなと思ってます。だからこそ、今後この作品からどれだけ先に進めるかみたいなところが課題になっていくんだと思ってます。

広瀬 これを作って、「まだ俺らいけるな」みたいな気持ちにはなって。まだまだ若いというか、いくらでも変化のしようがあることにも気付けたんで。

服部 「Curtain Call」の最後の合唱部分は最初、竜馬が「フェスで、お客さんと一緒に歌ってるようなところを想像して」と言って持ってきたものなんです。だからどんどんフェスとかのステージに立ってその光景を実際に作れるようになりたいです。

木村雅人(Dr)

木村 ライブが盛り上がるバンドになりたいです。基本的に僕らを観に来てくれるお客さんはけっこう静かというか、そんなに激しく動くとかはないんですけど、今作はアップテンポな曲も多いので、ライブでは激しい部分も出していきたいし、次作も激しい音をどんどん出していきたい。

井上 アルバムのリリース後、3月に初のワンマンツアーを東名阪と仙台、福岡で行うんですが、タイトルは「She'll be fine -chapter.0-」で、それはバンドが最初にデモCDを作ったときにやった企画ライブからずっと使ってきたタイトルの「She'll be fine」なんです。

──そして今作のアルバムタイトルでもある「She'll be fine」。

井上 はい。アルバムと今回のツアー「chapter.0」で、この「She'll be fine」の冠を使うのは最後になります。

広瀬 結成から5年間のSHE'Sは終了、みたいな感じですね。

服部 ここから先は別のシリーズで。

──つまり“She'll be fine期”の終了。

井上 はい。「She'll be fine」から始まって「She'll be fine」で終わります。だから思い入れ深いものにはなるかなと。仙台、福岡、名古屋でライブをやるのは初やし、東阪はCLUB QUATTROっていう今までで一番デカい舞台のワンマンなんで。どんな光景になるか想像つかないですけど、気持ちは今までと変わらず……。

服部 ぶっちぎりです。

井上 そうそう。ぶっちぎりでやり切るつもりです。

SHE'S
ミニアルバム「She'll be fine」2016年2月3日発売 / 1728円 / Spmdisc / POCS-30004
「She'll be fine」
収録曲
  1. Un-science
  2. 信じた光
  3. Save Me
  4. 2人
  5. ワンシーン
  6. 遠くまで
  7. Curtain Call
SHE'S(シーズ)
SHE'S

井上竜馬(Vo, Key, G)、服部栞汰(G)、広瀬臣吾(B)、木村雅人(Dr)からなる4人組ピアノロックバンド。2011年に結成して地元大阪を中心に活動を続け、2012年に行われた「閃光ライオット2012」ではファイナリストに選出された。2014年7月に初の全国流通盤となるミニアルバム「WHO IS SHE?」を発表し、2015年5月には2ndミニアルバム「WHERE IS SHE?」をリリース。2016年2月に3枚目のミニアルバム「She'll be fine」を発売し、3月に全国5都市のワンマンツアー「She'll be fine -chapter.0-」を行う。