ナタリー PowerPush - SCOOBIE DO
奇跡のエバーグリーンミュージック CHAMP RECORDS勝負の1枚
ミラクル成分含有!SCOOBIE DOがおすすめするMIRACLEなレコード12選
コヤマシュウ
■小坂忠とFOUR JOE HALF「もっともっと」
小坂忠さんは、フォークをやってもソウルをやっても歌がジャンルの説明にならないというか。ニュートラルながら、素朴というわけじゃなく、しゃれっ気も効いてる。このいい塩梅の声が好きですね。
■THE TORNADOS「TELSTAR」(& 加山雄三 ザ・ランチャーズ+1「夢の瞳」)
イギリスのインストゥルメンタルグループで、1962年の作品。プロデュースは「イギリスのフィル・スペクター」とも言われるジョー・ミークですね。このメロディとリズムがたまらないんですよ。普通のサーフインストにはないメロ感というか。こういうのを「メロウ系サーフ」と命名して愛聴してるんですけど(笑)、「TELSTAR」への日本からの回答が加山雄三の「夢の瞳」なんじゃないかと。日本のメロウ系サーフの最高峰とされています(笑)。そもそも日本のメロウ系サーフはこの曲しかなかったわけですが、我々の「踊りませんか」がこれからはこの曲と1、2を争うことになるんじゃないかということで、40年越しでこの3つの点がついにつながった。誰も待ってなかった回答ですけど(笑)。リーダーからデモをもらったときに「来たな」と。
■パーシー・スレッジ「When A Man Loves A Woman(男が女を愛する時)」
この曲はピャーッっていうオルガンが印象的で。演奏はソウルの名曲をいくつも作っているスプーナー・オールダムですけど、この曲がなければプロコル・ハルムの「青い影」も生まれなかったと言われてるぐらい。でも、実はこのオルガンはブッ壊れてて、チャンネル片方しか鳴ってないらしいんですよね。そんな"ミラクル"もあるんだなということで。
マツキタイジロウ
■ボビー・ミラー「UNCLE WILLIE TIME」
僕は「レコーディング中に買ってたレコード」ですね。最近はすっかり先祖帰りしていて、リズム&ブルースとファンクの狭間みたいなドーナツ盤を狂ったように買ってて(笑)。この曲はコンピでCD化されてるんですけど、CDで聴くとこの迫力が出ないんですよ。1960年代のソウルミュージックはドーナツ盤で聴くのが一番説得力ありますね。ノイズも音楽になってるんです。
■THE MIGHTY MARVELOWS「TALKIN' BOUT YA, BABY」
これは人力ノーザンソウルの極地というか。このテンポ感はなかなか黒人音楽にはないんですよ。ちょっとチャラい感じだけど、今の俺にはちょうどいいんです。アルバムを作ってるときは、このオールドなサウンド感というのは意識しましたね。
■エドウィン・スター「THERE YOU GO」
モータウンって案外アダルトな雰囲気のものが少ないんですけど、これはグッとくる大人のソウルですね。そしてこれ、B面が同じ曲のオルガンインストになってて、こっちがまたイイんです。これを聴いて、自分でも鍵盤が弾きたくなっちゃったんですよ。これとリトル・ビーバーの「PARTY DOWN」をつなげると……イイんじゃないですか? イイんじゃないか説(笑)。
ナガイケジョー
■エリス・レジーナ「Trem Azul」
1981年の盤でちょっとフュージョン寄りの音ですけど。最近エリス・レジーナのこの時期のものをよく聴いてて。彼女はこのツアーの直後に亡くなってるんですよね、コカインで。それで急遽ライブ盤を出そう、といってリリースされたのがこのアルバムで。この中の曲から今回、ベースのフレーズをいただいたりもしています。
■ランディ・ニューマン「RANDY NEWMAN」
ランディ・ニューマンって声もいいわけじゃないし、多分人に嫌われるようなことばっか歌ってるんですよ(笑)。でも「音楽で勝負」してる感じがいいんですよ。少し前に出た新譜もすごく良かった。
■THE DELLS「SHE'S JUST AN ANGEL」
「踊りませんか」でまさかのドゥーワップ風バリトンコーラスを担当したので、自分の好きなドゥーワップ・ナンバーを選んでみました。
オカモト"MOBY"タクヤ
■THE SPINNERS「2nd time around」
僕は「クラブでもかけられて、ドラムがかっこいい"名曲"」が入ってるアルバムを3枚選びました。1曲目の「It's a Shame」という曲はダンスクラシックのド定番ですけど、この曲はG.C.キャメロンがスティーヴィー・ワンダーに「クラブでウケる曲を作ってくれ」って頼んでできた曲なんですよね。イントロがヨレて聴こえるけど、これはCDで聴いてもヨレてるんです。オリジナルのマスターがヨレてる(笑)。
■アリス・クラーク「alice clark」
この子は当時16~7歳で、アルバムはこの1枚しか残ってないんですよね。クレジットはないけど、ドラムは多分バーナード・パーディだろうと。「Don't You Care」はドラムのカッコよさが歌を邪魔しない、心のベストテン第1位に入る曲です。最近エレクトリックドラムを買ったんですけど、レコーディング前は自宅でこのアルバムに合わせて叩きながら、ドラムのボキャブラリーを増やす練習をしてました。
■ブレッド&バター「Barbecue」
これは1974年のアルバムですけど、今の音にしか聴こえないですよね。ドラムは林立夫さんだと思います。歌メロがキャッチーだからパッとわかりづらいけど、よく聴くとすごいプレイをやってるんですよ。ソウルをやろうとしてるんだろうけど、結果的に歌が立ってるという意味ではすごく参考にしました。あとはジャケが素晴らしい! パーティジャケは基本名盤ですから(笑)。
SCOOBIE DO(すくーびーどぅー)
1995年にマツキタイジロウ(G)とコヤマシュウ(Vo)を中心に結成。1996年に現ドラマーのオカモト“MOBY”タクヤ(Dr)が加入し、自主制作カセットなどを販売する。1999年にK.O.G.A. RECORDSから初のシングル「夕焼けのメロディー」をリリース。続いて発表された1stアルバム「Doin’ OurScoobie」で圧倒的な存在感を放つロックバンドとしてその人気を確かなものとする。2001年にナガイケジョー(B)が加入し、現在の編成で活動開始。2007年には自主レーベル「CHAMP RECORDS」を立ち上げ、ライブのブッキングからCD制作、プロモーションまですべてメンバー自ら行っている。2011年10月5日、CHAMP RECORDS通算5枚目となるオリジナルアルバム「MIRACLES」を発表した。