音楽ナタリー Power Push - さくらしめじ
君のそばにそっと寄り添うラブソング
同じモチベーションで歌うから、いいハーモニーになるのかな
──シングルにはかみぶくろばん、きつねばん、ねこばんの3種類があって、それぞれ違ったカップリング曲が入っていますよね。2人のお気に入りをそれぞれ教えてもらえますか?
雅功 それ聞きますか?(笑) 難しいなあ。
彪我 どうしよう。全部いい曲だからねえ。
雅功 あえて挙げるなら、僕はねこばんの「またたび」です。僕の家の近所には猫がいっぱいるんです。
彪我 そうなんですか! 初耳です。
雅功 猫ってすごくかわいいんです。近所の猫も「またたび」の歌詞にあるみたいにツンとしてて。「またたび」はそういう、猫のかわいさをギュッと凝縮したような歌だと思います。あとは、この曲のハモりがすごく好きなんです。今回の作品のレコーディングでは自分の声を重ねてみたり、主メロとハモを1人で歌ってみたり、いろいろなことをしているんですけど、この曲だけは彪我さんが主メロ、僕がハモり。ほかのことは一切していないんです。ライブと同じような感じでレコーディングをしたので、2人のよさがよく伝わるんじゃないかなって思います。
──構成も歌もシンプルだから、2人の表現力が際立つ曲ですね。
雅功 そうなんです。僕は「ハモりだから一歩下がる」とかは考えずに歌いました。2人が同じモチベーションで歌うから、いいハーモニーになるのかな?なんて思うので。
──そういった2人の声の合わせ方って、お互いにだんだんわかってきた感じがあったりします?
雅功・彪我 そうですね!
雅功 「こういうとき、彪我さんはこうやって歌うんだろうな」とか、わかるようになってきました。
彪我 「ここで雅功さんはちょっと弱く歌うだろうな」とかね。
いなりずしのことが大好き
──では彪我さんのお気に入りの曲も教えてください。
彪我 僕はきつねばんの「こんこんずし」です。1番ではいなりずしのおいしさについて語っていて、2番は1番からの流れから絵本の物語のようなストーリーを歌っていて。こういった感じの曲はこれまで歌ったことがなかったので、すごく新鮮でした。
──いなりずしがテーマになっている曲って、なかなかないですよね。
彪我 はい(笑)。あの、大きいイベントとかがあると、すっごくおいしいいなりずしを差し入れでいただくことがあるんです。
雅功 おいしいよね……!
彪我 そのいなりずしのことが、僕らもスタッフさんもみんな大好きで。その、おいしいいなりずしを曲にしたというか……。
──それがきっかけでできた曲なんですか。
雅功 そうなんです(笑)。僕らを含め、スタッフさんみんなが好きな、いなりずしの歌なんです。
──この曲は、彪我さんのパートのキーが高いなあと思いました。
雅功 レコーディングでは少し苦労していたよね。
彪我 そうなんです、高いんです(笑)。でも、歌の雰囲気に合っていますよね。
「戻りたい」って振り返れるような思い出を作りたい
──ではもう1曲、かみぶくろばんの「だるまさんがころんだ」についても聞かせてください。すごくノスタルジックなムードがあるナンバーですね。
雅功 はい。この曲は、今中学生の僕たちが小学生時代を振り返るっていう曲で。小さいときってたくさん失敗をするじゃないですか。でもそういう失敗も、時間が経てば笑い話になるなあって。「だるまさんは転んでも、また起き上がれる」っていうメッセージが込められています。いい曲です。
彪我 小さいときにみんなで遊んだ思い出とかを歌っていて。でも僕は今でも子供っぽいかもしれません……。学校では消しゴムをはじいて飛ばしあうゲームをやってます(笑)。
雅功 あはは(笑)。この曲は過去のことを振り返る歌だから、歌っていて「ああ、僕たちも成長していくのかなあ」って、ちょっと寂しい気持ちにもなります。「あのころに戻りたいなあ」とか。でも、「戻りたいな」って思える記憶があるって、いいことですよね。これからも「戻りたい」って振り返れるような思い出を作っていきたいです。
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- ニューシングル「ひだりむね」/ 2016年8月17日発売 / SDR
- かみぶくろばん [CD] / 1200円 / ZXRC-1077
- きつねばん [CD] / 1200円 / ZXRC-1078
- ねこばん [CD] / 1200円 / ZXRC-1079
かみぶくろばん収録曲
- ひだりむね
- ふうせんはなび
- だるまさんがころんだ
きつねばん収録曲
- ひだりむね
- ふうせんはなび
- こんこんずし
ねこばん収録曲
- ひだりむね
- ふうせんはなび
- またたび
- 「おたまじゃくしの宴」
- 2016年10月9日(日)
- 神奈川県 よこすか芸術劇場
さくらしめじ
田中雅功、髙田彪我によるフォークデュオ。2014年6月にガク&ヒョウガとしてユニットを結成し、8月にお披露目ライブを行った。埼玉・大宮駅前でストリートライブを重ねて経験を積み、11月に東京・日本青年館で行われたEBiDAN 39 & KiDSの単独公演に出演。この公演でユニット名が「さくらしめじ」になったことが発表される。また同日にライブ会場限定で1stシングル「いくじなし / きのうのゆめ」の販売がスタート。2015年3月に同作が全国流通盤としてリリースされる。6月には2ndシングル「きみでした / せきがえのかみさま」を発表。またこの年の夏に全国を回るフリーライブツアー「さくらしめじニッポン列島菌活の旅~広げよう“きのこの輪”~」をスタートさせ、12月には初のワンマンライブを東京・IMA HALLにて開催した。2016年1月に3rdシングル「はじまるきせつ / さんきゅう」をリリース。8月にテレビ東京系ドラマ「こえ恋」のオープニングテーマを表題曲とした4thシングル「ひだりむね」を発表した。