前作「Lights」からちょうど1年、ReNが2枚目のアルバム「LIFE SAVER」をリリースした。大盛況のワンマンで2016年を締めくくり、2017年に入ってからはONE OK ROCKのツアーへのゲスト出演、エド・シーランとの対談など話題の絶えないReN。そんな経験を経て制作された「LIFE SAVER」には、いったいどのような思いが込められたのか。今回のインタビューでは「Lights」リリース後の1年を振り返りつつ、アルバム「LIFE SAVER」のコンセプトや音楽制作の変化について語ってもらった。
取材・文 / 高橋拓也
テレビ初出演、大盛況のワンマンで締めくくった2016年
──1stアルバムの「Lights」発売からちょうど1年が経ちました。前作リリース後はツアーを行いつつ、10月にフジテレビ「ど夜中フェス!!」に出演されましたが、テレビ出演はこれが初?
はい。あれが初めてでした。
──出演してみていかがでした?
収録の日、時間がカツカツだったから音出しが1回しかできなかったんですよ。しかもスタッフさんたちの動き方もライブハウスとは違っていて、現場はけっこうせわしなくて。かなり焦りながらリハーサルとかカメラチェックをやらせてもらいました。映像を撮られてるプレッシャーもあったんですけど、最終的には緊張を忘れるくらい楽しくできたので面白かったです。
──それはよかったです。緊張されたんですね。
撮影の進行がシビアだったのでミスれないし、Loop Station(楽器の音や人の声などをサンプリングし、ループ再生する機材)は1回失敗したらもうやり直せないから。楽曲もフルで演奏するとどうしても時間がオーバーしてしまうので、短くアレンジし直したのを覚えてます。
──その後12月にはshibuya eggmanでワンマンライブを開催しました(参照:更なる高みへの一歩、ReN大入りのeggmanワンマン)。ご自身にとっては2015年の原宿ストロボカフェに続く2回目のワンマンです。
公演日の2カ月ぐらい前にチケットが売り切れて、想像以上の反響で。ストロボカフェのワンマンよりもお客さんがたくさん来てくれたし、いいライブもできてみんなもハッピーな時間になったと思います。あのワンマン以降は自信も勢いも出てきて、自分も楽しみながらライブができるようになったんです。
──あの日はMC中にお客さんが声をかけてきたり、フレンドリーな雰囲気になりました。
そうでしたね。ワンマンだって実感できるような感じ。いつも以上に緊張してたんですけど、チケット代以上のものをみんなに持って帰ってもらいたいなっていう気持ちが強かったです。始まるまで何が起こるかわからないけど、ライブはお客さんと一緒に作る生ものだから。一緒に楽しく過ごせるのが一番いいことなんだなってわかりましたね。
──「Lights」リリース前のライブと比べて、MCもかなり慣れた様子で。
今までのMCは口調も含めてすごくシビアにいこうと決めてたんですけど、結局本番ではその通りにできないんだってわかって。「もう自然体でいよう」って考え直して、「ライブやってるよ」という感じより「お客さんと話をしてるよ」って意識で話すように変えました。あとはラジオのメインパーソナリティ(FMヨコハマ「おれん家へようこそ!」)を担当するようになったので、その経験も大きかったかも。
──2016年の4月に放送開始なので、ワンマンの時点ですでに半年以上出演されていたんですね。
「おれん家へようこそ!」は生放送だから、自分が伝えたいことを的確にまとめないといけないんですけど、ライブでもそれは同じだったんです。与えられた時間しかライブはできないし、その間に自分の言いたいこととか、思っていることをみんなに伝えるためにも、MCってすごく大事ですよね。どんなに大きい会場で歌うことになっても、その意識は忘れちゃいけないなと思います。
──曲のことから身の回りの出来事まで、柔軟に話題を展開してましたね。
あらかじめ伝えたいことは準備しておくけど、ライブ直前にあったような出来事を話すのも僕は好きなんです。MCに対してコンプレックスはあるんですけど、その日に起きたことを共有しながら、音楽を披露していくのは楽しいですね。
キャパが大きすぎて、逆に想像できない
──2017年に入ってからは大きいニュースが続き、中でもONE OK ROCKのツアーへのゲスト出演(参照:ワンオクツアーにCrossfaith、9mm、Aimer、ミスチル、ReN、モンパチ、Suchmos)、エド・シーランとの対談(参照:ReN、スペシャ特番で憧れのエド・シーランと対談)の2つが印象的でした。ワンオクのライブについては実際に出演してみて、いかがでした?
出演のお話をいただいたとき、会場のキャパが1万5000人って聞いたんですけど、大きすぎて逆に想像できなくて(笑)。実際出演してみてとてつもなく大きな経験になったし、40分っていう尺の中で自分のやりたいことは十分表現できました。オファーを受けたあと、お客さんは僕のことをどう見るのか、そして自分がお客さんにどういうことを伝えたらいいのか、ずっと考えてたんです。来ているお客さんはワンオクのファンがほとんどで完全にアウェイだから、とにかく自分の存在を見せつけられたらいいと思って。みんなの記憶に残るような演奏をして、最高の形でワンオクにバトンを渡すようなライブをしたかったんです。
──明確な目標を自分の中に設けていたんですね。
「1万5000人の前に本当に立てるのかな」っていうプレッシャーもあったけど、気持ちよく歌えたし、みんなにも気持ちが届いたみたいでレスポンスもすごく返ってきて。一生忘れられないぐらい刺激的な時間だったし、いつか必ず、自分1人で再びあの舞台に立ちたいです。ワンオクのTakaさんにも、ここまで支えてくれたチームクルーにも感謝の思いが伝えられたライブになったと思います。
──ワンオク公演の1日目が終わったあと、アルバム「LIFE SAVER」のリリースが発表されたのですが(参照:本日ワンオク福岡公演に出演、ReNの2ndアルバム「LIFE SAVER」)、SNSを中心に多くの話題を集めました。
ワンオクのライブ前日まで、僕のことをまったく知らない人が多かったと思うんです。出演が決まったときも、ほかの出演者にMr.Childrenさんなどのビッグネームが並ぶ中で「ReNって誰だ?」って感じだったし。僕自身も不自然だろうなって思っていたので、当日はどういうライブになるんだろうってすごくドキドキしてたんですよ。だから出演後、みんなが僕に興味を持ってくれて……本当によかったです(笑)。
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エドに聞きたいことは2000個
- ReN「LIFE SAVER」
- 2017年6月28日発売 / booost music
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初回限定盤 [CD]
2500円 / REN-1003 -
通常盤 [CD]
2500円 / REN-1004
- 収録曲
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- What I'm Feeling
- Life Saver
- Umbrella
- DREAM
- Tell Me Why
- Little Green Bird
- Moonlight
- Be My Girl
- PASSION
- Life Saver (Acoustic ver.)
- ReN 「LIFE SAVER」ONE MAN TOUR
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- 2017年9月29日(金)神奈川県 横浜BAYSIS
- 2017年10月21日(土)宮城県 enn 2nd
- 2017年10月23日(月)愛媛県 Double-u studio
- 2017年10月24日(火)香川県 高松TOONICE
- 2017年10月26日(木)大阪府 梅田Zeela
- 2017年11月6日(月)鹿児島県 SR HALL
- 2017年11月7日(火)福岡県 BEAT STATION
- 2017年11月11日(土)愛知県 APOLLO BASE
- 2017年11月15日(水)新潟県 CLUB RIVERST
- 2017年11月21日(火)岡山県 CRAZY MAMA 2nd Room
- 2017年11月23日(木・祝)山口県 LIVE rise SHUNAN
- 2017年11月24日(金)広島県 HIROSHIMA BACK BEAT
- 2017年12月15日(金)東京都 LIQUIDROOM
- ReN(レン)
- 現在22歳のシンガーソングライター。10代でイギリスに単身で渡った際UKミュージックに衝撃を受け、20歳の春から本格的な音楽活動を始める。ライブではLoop Stationを駆使し、コーラスも含めすべて1人で演奏するスタイルで楽曲を披露している。2016年6月に1stアルバム「Lights」を発表し、全国6カ所を巡るレコ発ツアーを開催。ツアーファイナルとして行われた東京・shibuya eggmanでのワンマンライブはソールドアウトし成功を収めた。2017年3月には自身が多大なリスペクトを寄せる、エド・シーランとの対談企画に参加。この模様はスペースシャワーTVのエドの特別番組内でオンエアされた。同年4月にはONE OK ROCKの全国ツアー「"Ambitions" JAPAN TOUR」の福岡公演にゲストアクトとして出演。6月に自身2枚目となるアルバム「LIFE SAVER」をリリースした。