エドに聞きたいことは2000個
──エドとの対談はスペースシャワーTVの特番で放送されました。実際に番組を観たんですけど、お互いすごくフレンドリーにお話してましたね。
本当にビックリしました……優しかったです。
──ReNさん、質問しまくっていましたね(笑)。
ずっと質問を考えていたら、2000個ぐらい聞きたいことが出てきちゃったんです(笑)。そこから20個だったかな? 質問を絞るのに1週間ぐらいかかっちゃって。エドはライブ中にとても気さくな雰囲気を醸し出してるんですけど、対談でもめちゃくちゃフレンドリーでした。1人で何万人も元気にさせるエドに憧れを抱いて、彼を目指して2年半音楽をやってきたんですけど、こんなふうに会えたのはもう感慨深いとかそういうもんじゃなかった……2014年のエドの来日公演も観に行ったんですけど、その公演で彼が投げたピックを拾ったんです。それを対談のときに持って行って、当時のエピソードを話したら、身を乗り出していろいろ話してくれて。僕の気持ちがすごく伝わったみたいでうれしかったです。
──そこから音楽の作り方やタトゥーのことなど質問していったと。
すごく熱心に答えてくれました。質問に答えてくれた内容もそうですけど、僕自身伝えたかったことを彼に伝えられたことがとにかくうれしくて。「一生懸命やったらこういうことも起きるんだな」って身を持って経験できたし、そういうこと自体エドから教わったことでもあるから。
──エドがいつの公演か思い出そうとしたとき、ReNさんがすぐに答えてたのもよかったですね(笑)。あと、日本公演で撮影された客席の写真も番組内で話題になりました。
ああ、僕が写り込んでるやつですね(笑)。
──はい。ReNさんすごくいい笑顔でしたね。
しかもこの写真、僕と隣にいた友人の2人にものすごい光が当たってて、周りの人たちの部分がちょうど暗くなってるんですよね。この写真がエドのInstagramに掲載されたとき(参照:Ed Sheeran (@teddysphotos) | Instagram)、「センターの2人が最高だ」って書き込んでくれた人がいて(笑)。対談の前にも「これ絶対本人に見せたいよね」ってマネージャーと話してました。
──エドも「ここにいたんだ!」って驚いてました。
今思えば、こんなセンターで観れることってなかなかないですよね。この写真を見て、いつか自分がアーティストになって、エドと直接話したいって思ったんです。エドの来日公演を観に行ったのは僕にとって本当に大きかったですね。彼と直接話すことはゴールじゃなく、あくまで1つの夢にすぎないんですけど、僕自身よくやったなって思いました。
伊勢丹で「Rock Time Line」
──このほかに東京・伊勢丹新宿店で行われた展示イベント「Rock Time Line」に参加されました(参照:ReN、くるり、ポルカ、マイヘアら参加の伊勢丹「Rock Time Line」本日より)。
ちょうど「Life Saver」のミュージックビデオを作るときにこのお話をいただいて。会場にはミュージックビデオで使用した小道具を展示してもらったり、ショートバージョンのMVを流してもらったりしたんです。とにかくブースがカッコよくて、化粧品店とか並ぶフロアにばーんと展開してもらいました。
──こういった展示企画の1アーティストに選ばれるというのは、今回が初めてですか?
そうですね。不思議な感じでした。こういうイベントって、純粋に音楽だけをやっていてもなかなかたどり着けないじゃないですか。これからもこういった企画には積極的に参加してみたいし、もっとがんばらないといけないなって思いますよね。
誰かを助けられることが、音楽の本来持つ力
──そして6月にアルバム「LIFE SAVER」がリリースされました。アルバムだけでなく楽曲名にも付けられている「LIFE SAVER」は「救命士」「救命する」を意味しますが、この言葉をタイトルにしようと思った理由は?
曲名に付けたのが最初だったんですけど、この曲は今までと違った方法で制作していて。1stアルバムのときはまずギターで作曲して、それから各楽曲の世界観に合わせてアレンジを施していったんですけど、エドと対談したとき「悩んだときは違う作り方を試してみるといいよ」ってアドバイスをもらったんです。それで今回はGarageBandでいろいろビートとか音を重ねて、トラックを作る方法を試してみて。それである程度まとまったトラックをしばらく聴いているうちに、高速道路とか、夜の都会といった景色が見えてきて、ネオンが光り輝く東京から、車に乗ってどこかに逃げるようなイメージが思い浮かんだんです。それをもとに言葉を引っぱり出していくうちに、「LIFE SAVER」という言葉がポンと出てきて。
──なるほど。
当時は今まで作ってきた楽曲の世界観から一歩超えたものを作りたかったし、演奏してて自分の感情をもっと引き出せる曲が欲しかったんです。「この先どんな音楽を作っていけばいいんだろうな」って悩んでた時期でもあったから、そういった状況から抜け出したかったのかも。
──スランプに陥った自分自身を救いたかったわけですね。
そういう心理状況だったから「LIFE SAVER」っていう言葉が出てきたんだろうし、最終的に何かから逃げつつ、気持ちが安心できるような曲になったんです。当初意図していたものよりも完成度の高い曲ができたから、自分自身も救われるような作品になったのかなって思います。その後でき上がった曲を並べていくうちに、1stアルバムの「Lights」と比べてみても成長が実感できて、サウンドの変化も打ち出せた1枚になりました。前回のインタビュー(参照:ReN「Lights」インタビュー)のときもお話したんですけど、僕はケガしたあと、音楽に救われてもう一度立ち上がることができたから、今度は自分の音楽で誰かを助けられるようになりたかったんです。音楽に対しては絶対そういう思いを込めたいから、今回のアルバムが聴いてくれるみんなにとっても、僕にとっても「LIFE SAVER」になってくれたらいいなって。
──確かにアルバム全体を通して、そういった思いを感じさせる構成になっています。
誰かを助けられることが、音楽が本来持つ力ですからね。もしかしたら作った曲たちが自分よりも長生きするかもしれないから、当時の思いを100%閉じ込めることができました。
- ReN「LIFE SAVER」
- 2017年6月28日発売 / booost music
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初回限定盤 [CD]
2500円 / REN-1003 -
通常盤 [CD]
2500円 / REN-1004
- 収録曲
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- What I'm Feeling
- Life Saver
- Umbrella
- DREAM
- Tell Me Why
- Little Green Bird
- Moonlight
- Be My Girl
- PASSION
- Life Saver (Acoustic ver.)
- ReN 「LIFE SAVER」ONE MAN TOUR
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- 2017年9月29日(金)神奈川県 横浜BAYSIS
- 2017年10月21日(土)宮城県 enn 2nd
- 2017年10月23日(月)愛媛県 Double-u studio
- 2017年10月24日(火)香川県 高松TOONICE
- 2017年10月26日(木)大阪府 梅田Zeela
- 2017年11月6日(月)鹿児島県 SR HALL
- 2017年11月7日(火)福岡県 BEAT STATION
- 2017年11月11日(土)愛知県 APOLLO BASE
- 2017年11月15日(水)新潟県 CLUB RIVERST
- 2017年11月21日(火)岡山県 CRAZY MAMA 2nd Room
- 2017年11月23日(木・祝)山口県 LIVE rise SHUNAN
- 2017年11月24日(金)広島県 HIROSHIMA BACK BEAT
- 2017年12月15日(金)東京都 LIQUIDROOM
- ReN(レン)
- 現在22歳のシンガーソングライター。10代でイギリスに単身で渡った際UKミュージックに衝撃を受け、20歳の春から本格的な音楽活動を始める。ライブではLoop Stationを駆使し、コーラスも含めすべて1人で演奏するスタイルで楽曲を披露している。2016年6月に1stアルバム「Lights」を発表し、全国6カ所を巡るレコ発ツアーを開催。ツアーファイナルとして行われた東京・shibuya eggmanでのワンマンライブはソールドアウトし成功を収めた。2017年3月には自身が多大なリスペクトを寄せる、エド・シーランとの対談企画に参加。この模様はスペースシャワーTVのエドの特別番組内でオンエアされた。同年4月にはONE OK ROCKの全国ツアー「"Ambitions" JAPAN TOUR」の福岡公演にゲストアクトとして出演。6月に自身2枚目となるアルバム「LIFE SAVER」をリリースした。